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『光と陰ースピンオフ冒険譚』: ストレンジアトラクター『いざ魔法世界へ!』  作者: 三海怜


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34/40

第34話

魔法世界に冒険者として生きる孤児であり主人公スタンリー・ケンプ。

そこに生きる人々の様々な些細な行動がまるでバタフライ・イフェクトのように世界を変えていく。


この物語のテーマとなる『ストレンジアトラクター』とは、難しくいうと・・・

カオス理論の研究の中で発見された奇妙な挙動を示す微分方程式の状態の総称のこと。


つまり動的システムが時間とともに発展する際に、予測不可能 で複雑なパターンを形成する現象を指すのです。


そんな泡沫の世界で生きるスタンリー・ケンプ

彼の目を通してその冒険譚を進めていきたいと思います。


また本編である『光と陰ー織りなす夢の形』のスピン・オフとして、本編シーズン4の最後と繋がる物語となりますのでお楽しみに!

そのエルフが待っている王宮内の客間に、アデリナ姫はスタンを護衛の如く伴って現れた。

「私に用があると聞きましたが?」と話しかけると、「はい、実は重要なお話がございまして、私はアデリナ姫にそれを伝えげなければならない役目があるのです。」

「役目? では、続けてください!」


「はい、私は北方にあるエルフの国の中の神樹の森から参りました。実はアデリナ姫達が宇宙海賊を追い払ったことを存じております。その頃、我が神樹から巫女を通して神託が降りたのです。その神託とは、今まで風魔法のみに頼ってきた我が種族としては、まるで神話の世界の話である空間転移魔法を授かったのです。そのスキルを我が王は持つことになりました。また、その巫女が神託として垣間見た未来像がありまして、再度もっと強力に進化した宇宙海賊達が我々の世界を滅ぼすと言う夢を見たとか・・・」

「なるほど・・・その可能性はあると思い準備はしているのですが・・・」


「そして、その信託では宇宙空間でしか宇宙海賊は倒せないとのことなのです。そこで我が王からの提案なのですが、空間転移魔法を使えば、宇宙空間への転移も可能になります。ただ、問題としては、この世界の生き物が生存できる空間が必要になるわけです。」

「なるほど!あなたが言いたいことはわかりました。我が国の技術でその『箱』を作って、貴国の王による空間転移魔法で宇宙空間にいる海賊を撃退するということですね?」


「まさしくその通りでございます! それしかこの危機から逃れる術がないというのです。」

「なるほど・・・宇宙で海賊達と戦える箱か・・・」と考え込んでるようだ。


すると、それを冷静に聞いていたスタンが、「姫、だったら今のフライングソーサーの大きなものを造って、それに地上で使っている魔道兵器を搭載すればいいんじゃないか?」と純粋に提案したのだった。

「ふむ、なるほど。室内に空気があれば魔導兵器を宇宙空間で使えるのかもしれませんね、とりあえずそのアイデアで錬金術師らにぶつけてみましょうか!?」


「ありがとうございます!! 貴国の協力を取り付けることができれば私の役目は果たされたことになります。」

「あなたはそもそもエルフの国ではどんな役割を担っているのですか?」

「はい、私はアデリナ姫と同じように、エルフ王の娘であります。その立場の者が貴国に提案すれば伝わるであろうということで使者として遣わされました。しかしながら途中であの奴隷商人に迂闊にも捕まってしまい・・・」


「なるほど!では、あなたの名をお聞きしたいのですが?」

「私は、貴国にすでに同化しているケレブリンの妹でアリエルと申します。」

スタンは驚いて、「えっ あの魔法学院のケレブリン教授ですか??」

「はい、そうです!」

「えっ 俺はケレブリン教授から魔法を教わり使えるようになったんです! とても良い方ですね!!」

『確かに、そう言われてみると、ケレブリン教授と同じような凛とした上品な美貌でありよくよくみると顔も似ているな』と同時に思ったのだった。


「姫、この方に我々のパーティーに入ってもらうのは?」とスタンが直感的に言ってしまった。

「パーティーに?・・・なるほど・・・あなた、アリエルとお呼びしてよろしいでしょうか? どんな魔法が使えるんですか?」

「はい。私は姉のケレブリンとは違い風魔法のみでございますが姉よりも強力ではあります。」

「わかりました!私がこの件を王と話して是非ともこれをきっかけに貴国との友好関係を築きたいと思っています。この国では何か武力を伴う動きをするときには冒険者のパーティーを組むのが慣わしなのですが、アリエルも私とスタンのパーティーに参加するというのは如何でしょうか?」


「冒険者パーティーですか・・・」と未知の領域に映ったようだ。

「俺たちと色々な場所に行って冒険できて楽しいですよ!詳しくはせっかくだからケレブリン教授から聞けばいいんじゃないですか?」とスタンが提案した。

「姫、俺が彼女を案内しますよ!!」


「わかりました!では、スタン、君にアリエル姫の担当を命じます。エルフ族の姫ですからよろしく頼みますよ!」ということで、この一件はまとまったのであった。

そして、その後、スタンとアリエルは王宮を出て魔法科学院大学のケレブリンを訪ねていた。


姉妹はあり得ないと思った久々の再会に感動し涙していた。

「アリエル、元気でいたか?」

「はい、お姉様!お姉様のここでのご活躍を風の噂でお聞きして羨ましいと思っておりました。私もこの国に一度訪れたいという夢がありましたが、それがまさか叶うなんて・・・ここまで来るのに色々ありましたが夢が叶いました!」とアリエルも涙を流しながら大感激である。

そして、その日からアリエルはケレブリンと過ごすことになった。


その頃、スタンは、すでに学院の寮に戻っていたフリーダ他3名にこの件の詳細を話したのだった。

そしてアリエルがパーティーに入るかもしれないことから宇宙船のことまでの情報を共有した。

「やっぱりな! あいつら、宇宙海賊はもっと強力になって戻って来るんだな!!」とダミアンの表情はいきなり険しくなり机を叩いた。

「俺たちにもっと何かできることはないのか??」ともどかしい様子である。


「宇宙海賊に備えることも重要だけど、僕はカリフの使者を殺したハバマート帝国から何も聞こえてこないのが気になるんですよね〜」とヘンドリックが小声で言った。

するとフリーダも「私も気になっていたの。だって、あの奴隷商たちは絶対にハバマートの皇帝の息がかかったやつらよ!」


「だよなー あの帝国は、その怪しげなネクロマンサーのブルーノみたいな魔人や魔獣を保護しているらしいからなとダミアンも関心が移っている。


「この機会にパーティーのクエストとしてハバマート帝国の調査をした方がいいんじゃないのかな?」と黙って聞いていたスタンも言い出したのだった。


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