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『光と陰ースピンオフ冒険譚』: ストレンジアトラクター『いざ魔法世界へ!』  作者: 三海怜


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28/40

第28話

魔法世界に冒険者として生きる孤児であり主人公スタンリー・ケンプ。

そこに生きる人々の様々な些細な行動がまるでバタフライ・イフェクトのように世界を変えていく。


この物語のテーマとなる『ストレンジアトラクター』とは、難しくいうと・・・

カオス理論の研究の中で発見された奇妙な挙動を示す微分方程式の状態の総称のこと。


つまり動的システムが時間とともに発展する際に、予測不可能 で複雑なパターンを形成する現象を指すのです。


そんな泡沫の世界で生きるスタンリー・ケンプ

彼の目を通してその冒険譚を進めていきたいと思います。


また本編である『光と陰ー織りなす夢の形』のスピン・オフとして、本編シーズン4の最後と繋がる物語となりますのでお楽しみに!

ハーラル隊は押されて3機背中合わせで固まってしまった。

「みんな!私の支援魔法はあとあまり時間がないわ!そろそろ仕留めて!!」とフリーダが苦しそうだ。


「俺が行く!!みんな、フォーム1だ!」と1番俊敏性が高い機体のスタンが合言葉で答えた。

すると、スタンはエリックから後ろ飛びで10m後退したかと思った瞬間双剣を思いっきり大きく振るったのだった。これはあの斬撃攻撃である。ダミアンとアデリナは彼の腕を上げた合図で対する敵を封じながら瞬時にシールドで自分の身体を防御した。


スタンの強烈な斬撃が敵3体目掛けて飛び、まずエリックのBSの頭部がぶっ飛んだ。そして続けて同じ斬撃が横向きであったビョルンの右腕、ハーラルの左腕を破壊したのであった。

「おい、お前ら無事か? エリック??どうだ??」とハーラルの焦った通信が仲間に飛んだ。

「ああ、姫、大丈夫だが、頭が吹っ飛んだからスクリーンが使えない。マニュアルモードにして目視でなら動けると思う。」

BS胸部にそういった非常事態に備えて横長のスリットがありそこから前方だけ視覚で確認できるのだ。

「ヨシ!無念だが一旦離脱して宇宙船に戻るぞ!!全速力で上昇しろ!!」


3体のBSは背中のフライングユニットを点火し物凄い業火と轟音を伴いながら飛び上がっていった。

それを城壁に砦に設置されていた魔道砲が捕らえた。

上昇中の3体は魔道砲のレーザーキャノン攻撃をまともに受けてしまったのだ。

これも魔道砲の導線上にいたエリックの機体が1番の損傷を受け背中のロケットがバチバチと言いながら推進力を失ってしまった。


「ヤバい!俺のがやられた!!」

「わかった。ビョルン、エリックを2人で抱えるぞ!!」と言いエリックを両惑から抱え上昇していった。

その時はすでに魔道砲の射程距離から外れていたため、そのまま3機は固まった状態で上昇し宙の彼方に消えていったのだった。


「やったぞ!!みんな、撃退したぞー!!よくやった!! 訓練の甲斐があったな!!」と姫が大感激であった。


これで一旦宇宙海賊は去っていったが、早速アデリナを中心としたメンバーで反省会が開かれていた。

「今回の戦いで学んだことは、俺たちには飛行ユニットと飛道具が必要だな!!」とダミアンが、

「フリーダ達がうまく立ち回って奴らをまんまと着陸させてくれたから良かったけれど、空からの攻撃が続いていたら簡単に王都に攻め込まれていましたね。」とアデリナも本当に運が良かったという感想である。

「それと、スタンの斬撃で奴らを切り裂けると言うこともわかったわね!」とフリーダはプラス面を探っているようだ。


「これは、レーザーキャノン砲をライフル形状にして持てるようにしたらどうかな?」とヘンドリックが提案した。

「そうだな!確かにそんなものが必要だよな!」とダミアンも賛成だ。


「どうすれば飛行ユニットが可能なんだろうか??」とスタンが、

「フライングソーサーは軽い機体だから魔法での浮上と飛行コントロールが可能だけど・・・重いWASだとねー」とアデリナも思案中だ。

「魔道砲がWASに付けられればいいんだろうけど、魔道砲は魔導師が扱うから兵器として始動できるわけだからね〜  それに、もともとある能力を支援するのが支援魔法だから、つまり持ち合わせていない能力は支援できないからね・・・」とフリーダも思案中であった。


「うーん・・・」と結論が出ずに、まず姫としてはレーザーキャノンライフルの試作品を製造することにはGOを出し、飛行ユニットの件は錬金術師チームに一旦丸投げすることになった。


さて、では、命からがら逃げ帰ってきた百戦錬磨の精鋭部隊のはずであるハーラル隊の敗北を受けて、ラグナル王は、

「ハーラル!どう言う事だ!!まさかの敗退 言い訳してみろ!!」と怒りをあらわに問い詰めた。


「無人機が攻めた時よりアイツらの攻撃力は飛躍的にアップしていたわ。きっとウチの科学技術を解明して備えていたんだわ。BS3機だけだと攻め込めないからもっと必要よ!!」

「何? 奴らはそんなに強化されてたのか? お前の言うことを信じるならBSをもっと生産すればいいってことなんだな?? そうすれば次は勝てるのか??」とハーラルを信じているラグナルであるがプレッシャーをかけている。


「パイロットの育成は私がどうにかするわ。重力状態での訓練も必要ね! でも、最後に食らった奴らのレーザーキャノンレベルの大型兵器は強力だったから、このブラックオーディンの位置が特定されてしまうと地上から攻撃を受ける可能性もあるわよ!」

「そうか・・・では、BS量産、パイロットの重力場で訓練、そして母艦が狙われる危機っていうことだな・・・

ほんとか?? あいつらそんなに強いのか??」


すると、ロロが、「まあ、ラグナル、今まで無敗のお前の妹のハーラルが言うんだから、少しは信じてやれよ。俺たちの母艦がやられる可能性もあるってことなんだから。」

「わかった! 宇宙海賊としてのプライドもあるが、残念ながら一旦引くぞ!! 絶対 次は俺たちの植民地にしてやるからな!! 姫、待ってろよ!!」

と渋々重力がある小惑星を探しに移動することになったのだった。 


そうとは知らず、その頃の地上では3度目の攻撃を想定して熱心に対策が練られていた。

錬金術師らにより、魔導砲を応用した微量の魔力量でもコントロールができるフライングユニットのプロトタイプの開発が国家最優先事項として進行し、また他にも国防第一優先策としてWASの追加生産とレーザーキャノンライフルの量産はすでに実行されていたのである。


しかしながら、まだ開発に時間を要するとの見解であるため、その間アデリナを含めたパーティーメンバーには久々に休暇が与えられたのであった。


「じゃ、折角だから、姫と一緒にレオン王国に訪問するってのはどうだい??」とテレサ姫にもう一度会いたい一心のダミアンはそれを隠して、姫の訪問を促してみたのである。


さて、これから一行はいかに??



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