第24話
魔法世界に冒険者として生きる孤児であり主人公スタンリー・ケンプ。
そこに生きる人々の様々な些細な行動がまるでバタフライ・イフェクトのように世界を変えていく。
この物語のテーマとなる『ストレンジアトラクター』とは、難しくいうと・・・
カオス理論の研究の中で発見された奇妙な挙動を示す微分方程式の状態の総称のこと。
つまり動的システムが時間とともに発展する際に、予測不可能 で複雑なパターンを形成する現象を指すのです。
そんな泡沫の世界で生きるスタンリー・ケンプ
彼の目を通してその冒険譚を進めていきたいと思います。
また本編である『光と陰ー織りなす夢の形』のスピン・オフとして、本編シーズン4の最後と繋がる物語となりますのでお楽しみに!
「やっぱり攻撃がきたな!!」
「ってことは、戦闘開始ですか!?」
「ここは工場じゃないか!?やっぱり生産基地を造って我々を攻めるつもりなんだろう。」
「この前戦った人型戦闘ロボットもいるぞ!ドローンもうじゃうじゃいるじゃないか!!」
「やはり、このままだと大きな勢力を持ってしまいますね!この機会に全滅させましょう!l」とフリーダは判断した。
スタンが、「ダミアンとヘンドリックはこのフライングソーサーの上に立って、戦闘ロボットとドローンをやってくれ!俺と姫は下に降りて工業ロボットを破壊しよう。フリーダは上空から俺たちに支援魔法をかけて援護してくれ!!」
「りょうかーい!! ヨッシャー いくぜ、ヘンドリック!!」
ダミアンとヘンドリックは円盤の上に上り、ヘンドリックはこちらに向かってくる無数のドローンをマシンガンアローで射っている。ダミアンは魔力を溜めてビームスピアを大型の戦闘ロボット目掛けて投げ付けた。するとそのスピアはロボットの胸部に命中し爆音と共に炎上した。他2体のロボットはカウンター攻撃でレーザー攻撃をしてきた。
フリーダは魔法防壁シールドを張って回避しているため、その間は円盤上からは撃てない。
「ヘンドリック、お前だけここに残って俺たちを援護してくれ!」とダミアンが言うと、スタンと姫と一緒に円盤を飛び降りたのだった。
スタンが、「姫は工作ロボットの破壊をお願いします!!」と言って、ダミアンと共に残っている2体の攻撃ロボットに向かっていった。やはり10mぐらいの大きさである。
スタンがトレードマークの2本の魔剣を抜くと青と赤に輝いた。彼は前回の戦いよりも魔力が強化されており、アーマーの防御率も上がっているため、さらに敵を斬ることに専念できるようになっていたのである。
2人は連動し、まずスタンがロボットの片足を切断し、倒れたところをダミアンのレーザースピアで胸部を破壊しトドメを刺した。その戦い方を見ていた姫は『なるほど!!』と感心しながら、持ち場の人間サイズの作業ロボットをロングソードで片っ端から破壊し始めた。
スタンとダミアンが1体を相手している間はヘンドリックがもう1体へマシンガンアロー攻撃を喰らわし2人への攻撃を牽制していたのだ。
姫も『素晴らしいチームプレーね!』と感心しながら破壊している。
宇宙海賊たちも砦から現れレーザーガンなどで応戦してはいたのだが、攻撃は姫に防がれ駆逐されていった。
こうして到着から30分もかからずに敵陣を破壊することができた。そして3人を再度収容したフライングソーサーは最後に爆炎魔法で砦を焼き尽くして帰還したのだった。
この襲撃及び基地壊滅の訃報を受けた宇宙海賊のラグナルは折角建築した足場を破壊され怒りに溢れていた。
「またもやあいつらか!絶対許さん!!「と言いながらキャプテン席のテーブルを強打した。
「おい!ロロを呼べ!!」
そしてロロが現れた。「ラグナル、なんだ?」
「またもや奴らに、植民基地を破壊されたぞ!! もう許せん!! ハーラルに言ってビョルンとエリック3機のBSで出陣させろ!!そしてあの姫がいる町を破壊しろ!! だが、忘れるな!! あの姫は俺のもんだぞ。絶対捕獲して連れてこい!!」を大声で怒っている。
その号令がラグナルの妹であるハーラル姫に伝えられた。
「ビョルン、エリック!やっと私らの出番がきたよ!!」
ビョルンとエリックは百戦錬磨のBS乗りであるが見た目の雰囲気はまるで海賊には見えない細身の体型である。
ビョルンは黒髪、エリックはブロンドで、いずれも肩ぐらいの長さである。
ハーラルはラグナルの妹とは思えない金髪碧眼の美形であるが、気性が激しく3人の中でも1番の攻撃特性があった。よって、BS3体のフォーメーションはハーラルがセンターでビョルンとエリックが左右でそれをサポートする戦術がベースとなっており3人の意思疎通は素晴らしいものがある。
さて、このBSとは、本編『光と陰ー織りなす夢の形』でたびたび登場する人物が操縦するロボットである。ジュリアとソフィアが乗るBSはエンハンスト専用のEBSであり、スーパーパワーを引き出せるの特殊機体であるがBSとは一般の量産機なのだ。
しかしながら、この3人の量産BSは操縦スキルが通常の量産機を上回り、3機のみで宇宙戦艦を大破できる力量を備えていたのだった。それがラグナル達の宇宙海賊を成り立たせている一つの大きな柱なのである。
そして彼らのBSの兵器類は、まず左肩にレーザーキャノンを搭載し、腰には使用時に伸びるレーザーブレード装備、背中には右肩に回り込む大型ライフル銃、左手には縦長のシールドを構え、右手にはマシンガンを装備とフル装備なのだ。3人はその装備を縦横無尽に使いこなしこれまで宇宙で君臨してきたのであるが・・・
だがそれは重力が存在しない、つまり機敏に動ける宇宙空間での話なのだ。地球と同等な重力がある陸地では、この重い体が仇となり、どうしても瞬発力に欠けてしまうのである。
しかし、彼ら3人は今までの実績があるため驕りがあった。
「ハーラル姫、地上であれば装備を軽くした方が動きやすいのでは?」とのエリックの進言に対して、
「あいつら如きに、俊敏性は要らぬだろう!心配ない!」とのお答えだったのだ。
話戻って、今回の共同作戦でテレサ姫と親交を深めた4人は再会を誓ってブリンデンブルクに帰還していた。
「しっかし、俺、あのテレサ姫ってすっごくタイプだな〜 彼女だったらお婿さんでも許すぞ!」とお熱が入っているようだ。
「でも、それって、レオン王国に婿入りってことだぞ!?」とスタンが言うと、
「ああ、彼女だったらOKだぜ!!」と無条件で盛り上がっている。
そして、宇宙海賊たちの植民の実態を知ったブリンデンブルク国王は討伐に成功した彼らへの労いも含めて王宮に招かれていたのであった。
4人はこの件のそもそもの依頼主であるアデリナ姫を伴って魔法学院の制服にて謁見の間に現れた。
玉座には時の国王ハインリッヒが鎮座し、その横には第一王子つまりアデリナの兄のフリードリッヒが立っていた。
「この度はレオン王国への表敬訪問及び宇宙海賊の植民地討伐、誠に感恩体戴徳であった。諸君には褒美を獲らせよう。
そして、国家防衛担当第一王子のフリードリッヒには早急に対策を講じてもらいたい。今回の事例を元にアデリナと早急に協議を持ってくれ。諸君、大義であったぞ!!」
と4人が緊張のあまりぎこちない態度となっていたのだが、国王から率直に感謝のお言葉を頂き非常に感激しているように見えた。




