第99話 クロノスを眷属として登録したよ
『タケル! 戻った。今、空におるのだが、どうすれば良いのだ』
「あ、戻ったのか。今、開ける。結界張るから少し離れてな。身体の大きさを調整してくれよ」
承知した、と念話が切れた。
空間を開けば、小さなクロノスが入ってきた。
「お帰り。どうする、ここで風呂に入るか?」
「そうだな。もう少し大きい風呂はあるか」
「外にあるぞ~」
そう言いながら、身体の大きさを調整したクロノスと一緒に部屋を出た。
「あ、クロノス。戻ったの?」
「うむ。戻った。悪いが風呂を使ってもいいか?」
「いいよ。あ、お湯は入れ替えた方がいいかな」
「俺が行く。クロノス、こっちだ」
ドスンドスンと歩くクロノスだが、同じ大きさのアレックスとは重さが違うんだろうか。重そうだぞ。
外風呂のお湯を削除して、浄化する。そのあと、魔法で湯を張った。
「どうぞ。出た後は、ここのデッキの上で乾かすんだぞ。言ってくれれば温風をだすから。飯はどうする?」
「わかった、デッキの上で乾かそう。飯は途中で食ってきたぞ」
じゃあ、ゆっくりね、とクロノスを放ってダイニングに向かった。
「ゴシュジンサマ、クロノスドノノ、オヘヤヲトトノエテキマショウ」
「悪いな、頼むよ」
ハイ、とセバスはクロノスのための部屋に向かった。さすが、高ランク侍従だね。
「タケル様。クロノスの食事は?」
「食べてきたって。だからおやつになるかも知れない。じゃあ、食事にするか。それ以外何かあるか。先に話した方がいいこととか」
静かに手が上がったのはパトリオットとバウだな。
「先に明日のことを聞きたいです。あとは、敵国にいってからやるべき事を教えてください」
「わかった。じゃあ、先に話しておくか」
見回せば、全員いるね。
「じゃあ、明日の予定だけど。朝は八時くらいに起きるつもり。で、冒険者ギルドでクロノスの従魔登録をする。じゃないと入れないからね。その後は、屋台の料理ができてたら回収。昼頃っていってはいたけどね。その間に魔物の肉を受け取ろうか。とりあえず、あるんだけどな」
「あの、今日の獲物ですが、オークとオーガでした。オークを先にと頼みましたので、オークも使ってください」
ありがたいけど、いいのか? と問えば、三人は大きく頷いてくれた。
「じゃあ、ありがたくもらうよ。明日の準備は朝からやればいいよ。アイテムボックス持ってない人、いる?」
見回せば、フィーリアが手を上げる。
「あ、ごめんねフィーリア。ブレスレットを渡そうと思ってたんだけど、忘れてた。ええと、これはどうかな。どれがいい? 新しいものだからどれでも選んでいいよ」
「ホント? じゃあ、このお花の形がいな」
やっぱり女の子だね。
じゃあ、と従魔の首輪にネックレスのペンダントヘッドを外して取り付けてみた。うん、可愛いな。
自分で、そのあたりにあるものを入れてるな。あ、だした。うん、楽しそうだね。時間停止で容量無制限だと伝えておいた。
「じゃあ、それぞれ入れて行きたいものを入れてな。明日、飲み物はそれぞれに持ってた方がいいから。あと、軽食もサンドイッチなど、それぞれに渡すね。夜は、空間に戻ってお風呂に入って食事をして休む。それが基本だよ」
はい! と全員が返事したよ。
その後は、行ってからのこと。
貴族たちで悪事を働いているという噂を集めたいけど、とりあえず、最初に俺がすることは、王宮の魔術塔を殲滅する。
その後、ダンジョンに入るんだけど、クロノスと話してまとまったんだけど。
皆はランクCのダンジョンから攻略してほしい。
ハクとアレックスは一緒にね。フィーリアとニジもお願い。ただ、その間は、ラスは外にでられないよ。知らない国だし、フィーリアとニジがいないから外出禁止。
リカは途中から無理だと思うから、その時はパトリオット、空間に戻してね。そんな風に無理だと感じたら空間に戻ること。絶対に無理はしないで。ランクCもたくさんあるから、次々行くことになる。途中からは、日によって別れてもいいよ。最下層まで行くのはハクとアレックスだと思う。
ダンジョンの核を取ったあと、奥の祭壇を壊してほしい。そのあと、すぐに転移陣で外にでるか空間に入ること。
正面入り口への報告は必要ないよ。
そんな風にランクCを攻略する。全部終わったら、次はランクBを頼みたい。
あまり無理をすると、命がない。階層が深くなるごとに無理になってくるから。それとも、冒険者組は、ランクDをやってもいいよ。そうだな、緊急事態もあるだろうから、フィーリアとニジに一緒に入ってもらうから。基本的に攻撃はしなくていいよ、二人は。ただ、人を殺してドロップ品を奪おうとするやつがいる。そういうやつを頼みたいんだ。
おそらく、かなりの階層までいけると思う。
そう説明した。
「そうですね、俺たちは移動が皆に比べて遅くなりますので、冒険者だけでランクDをやりましょうか。リカの経験にもなりますし。フィーリアとニジが同行してくれるなら、とても心強いです。途中でリカを戻す様な事になっても、罠の探索は頼めますか?」
「いいよ、私がするから。あとは、人間の敵を探して妨害するから」
おお、フィーリアが請け負ってくれたか。
「ありがたいです。バウ、リカ。それでいいか?」
大きく頷いた二人は嬉しそうだ。
「じゃあ、ランクCからはハク、アレックスの二人でお願いね。あ、誰かはいらないとダメなのかな」
「入らないとダメでも、最初だけでしょう。そのまま突っ切ればいいです。どうせ、途中から冒険者たちは付いてこられなくなるから」
まあ、そうだよね。じゃあ、最初は俺が一緒に入るから、と伝えた。
「それで、ボスとクロノスはどうするんですか?」
うん、皆の疑問はわかるよ。
「俺とクロノスはランクSからいくよ。魔法でぶっ飛ばして最速で核を取る。そして祭壇を壊す。もしかしたら、大きな揺れや音が聞こえるかもしれない。そうなったら、魔物のスタンピードが起こるかもだから、そんなときはすぐに空間に入るんだよ。それぞれ、結界は張れるからね、絶対に結界を張ってから入って」
承知しましたと聞こえたので、じゃあ、アレックスとニジのアイテムボックスに皆のドロップ品回収の設定をした。
じゃあ、とりあえず飯だ!
ワイワイと楽しく食事を取る。
セバスがクロノスをのぞきに行ったんだけど、まだ浮かんで楽しんでるらしい。あはは、よほど気持ちいいんだな。
その夜は、わいわいと楽しいひと時を過ごした。
クロノスもよく笑い、よく話してくれた。
そして、皆、気持ちよく眠りについた。
そして早朝。
今は朝食の最中だ。
全員で楽しそうに朝食をとっている。誰一人かけることなく、しっかり食ってる。
今日のことをちゃんと理解してくれているのが嬉しい。
仲間はいいなぁ。
そして、全員で冒険者ギルドに向かった。
セバスは執事の格好をしているのだが、御者の帽子をかぶっているので、周りが驚いている。
そう、全員で馬車のまま転移することになったんだ。クロノスがいるから。
俺はクロノスの眷属登録をするためにカウンターにいる。ギルマスが上がってこいと言うが、全員いるから無理だと答えた。すると、ギルマスが降りてきたぞ。
「タケル、確認できんだろうよ、来てくれないと。で、どいつだ、お前の眷属は」
「我である。主タケルの眷属になった。確認が必要か? では、ここで竜化すれば良いのか?」
「いや、待ってくれ。そのままだと、建物がなくなる。鑑定するから」
そういったギルマスは、鑑定のじいさんを呼んだ。
そして、クロノスを鑑定して腰を抜かした。
「ま、間違いない! クロガネリュウだ!!」
あれ? クロノスは黒竜じゃなくて、クロガネリュウだったのか。そりゃすごいよ。普通に立ってるだけだけど、まるで金属のような光沢と圧倒的な硬度をを誇る「黒鉄」というところか。こいつが仲間でよかったよ……
「わ、わかった。まさか、クロガネリュウとはな。すぐに手続きする。少し待ってくれ!」
おう! と返事をして、クロノスに眷属の首輪を渡す。
「これはな、ミスリルだ。ヒヒイロカネよりかっこいいかと思ってるけど、比べてみるか?」
そう言い、どちらも取り出してみた。
「なるほど、皆揃いなのだな。しかし、我はミルリルの方が良いやもしれぬが、鱗に良くないか? ならば、揃いのヒヒイロカネでもよいが。入らぬぞ、タケル」
「それは大丈夫だ。どっちも伸縮自在をかけてある。だから心配しなくてい。アレックスもデカくなっても大丈夫だったから」
「うむ。人型でもおかしくはないか?」
もちろん! と言えば、嬉しそうだな。
ならば、と今の大きさで首にすっぽり入れたな。うん、案外よく似合う。
ブルーがよく似合うと言ったので、クロノスは嬉しそうだな。
他のみんなは、屋台で爆買い中。果実水や水も頼んであるし、ホットドッグやサンドイッチの新しい店にも大量に頼んである。
揚げ物屋はどんどん揚げてるし、肉串屋のオヤジさんは早朝から焼いてくれて、仕上げをするのが200本あるらしい。
その間に魔物を受け取れと言うクロノスだが、とりあえず解体所に向かう。
なかなか面白いやつがありそうだ。とんでもない高ランクもあったが、ここでは解体できない。そう、比較的個体数がいるアースドラゴンがあった。これは俺がスキルで解体した方が良いと言う。
確かに解体スキルは持ってるが、簡単にできるものかとクロノスに聞いてみたら、血抜きをし筋も取ってから解体するので、肉は上級肉になるらしい。その上、素材は素材として分けてくれると言う。
素材も肉も、かなり高額で売れるしと聞いた。それならやってみるかと考える。ゴミやいらないものはゴミファイルに入るから、削除すれば良いだけだと笑うんだが。ドラゴンだけは、血も素材になるので、確保されると聞いて驚いた。なるほどな、それなら知識がなくても問題ない。
そう考えていれば、魔物が移動してきた。クロノスのファイルができたな。
数が半端ないんだけど。解体に出したのと同じくらい戻ってきたぞ。
「それならば、全てを解体すれば、あちらこちらで待つこともなかろう?」
そう言われて納得した。うん、納得できちゃったのだ。
素材は売ることもあるからギルトには来る。素材だけのものや、肉の食えないものは、ここに出せばいいかも。場長は喜ぶしな。
うん、そうしよう!
そのまま解体所には寄らずに、眷属のタグを取りに行った。
少し早めに出発できるかなと考えているが、他には買い物はないのか?
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【あとがき】
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