第96話 魔導錬成で楽しみ、ストレージの在庫処分整理してみた
もちろん、ブルーのリュックも完成していた。
ニジに話せば、さっそくリュックに入ってみるらしい。ブルーに背負ってもらって中に入った。
これ、空を飛ぶ時にも外れないようにちゃんと革ベルトがあって、パチンと止めるようになってるぞ。長さもぴったりだ。
ニジが入ったリュックをブルーにつけてやれば、翼を動かしているな。
「どう? 動きにくくない?」
「マッタク モンダイアリマセン。トンデミテモ イイデスカ?」
いいよ、と伝えればゆっくりと上に上がった。
ニジはどうしてるんだ? と見れば、立ち上がりの部分が一部クリアになっているので、そこから外を見てるな。
『あるじぃ~、ここ、こうげきしゅるの~?』
『ああ、できるか?』
『やっちみりゅ~』
さて、どうなるかな。
結界は通すけど、あれはアクリルかな。どうなってるんだろうか。
シュン! と地面に氷の弾丸が突き刺さった。同時に青い光がふわりと湧き上がったんだ。このバッグはマジックアイテムとしても完成している気がする。
『やっちゃ、れきるよ~』
『そうか。よかったな。じゃあ、上に強化の魔法をかけてやるから降りて来てくれるか』
は~い、とブルーと話してるみたいだな。
ブルーは、急加速と急降下してから、ゆっくりと降り立った。
ふん、いいじゃないか。
ブルーから外したリュックの入り口からひょこんと出て来たニジを抱きあげ、魔法を使う。
このリュックの外側を全面強化する。ただし、素材の柔らかさや動きやすさは維持したままで。攻撃を防ぐ魔法。例え、ブルーから離れたとしても、重力、炎、冷気、水、土などのあらゆる攻撃から、中の対象の命を守る。離れて行方不明になった場合は、俺に信号を送る、または自動で戻る方が望ましい。マジックアイテムとして製作。
<魔道錬成>
ぶわっと光ったリュックは、すぐに落ち着いた。
入り口は変わりなく柔らかい。鑑定してみるか。
鑑定*****
ランクSマジックアイテム:ブルー用リュック 中にいる対象に対しての酸素供給、自動換気、防水、耐重力、耐熱など全ての事象から、中の対象を守る。ブルーと離れた場合、自動的にタケル・ヤマトの所へ戻る。戻れないときには信号を発する(会話可能) 内部からアクリルを通して外部に攻撃を発することができる。全体強化済(強度ランクS)
*****
アハ? これとんでもないものができたぞ。
「あるじぃ~、れきちゃ~?」
「うん。できたよ。これで大丈夫だ」
ブルーとニジに内容を説明してやると、なぜか、二人は大喜びだったね。さっそくニジがアイテムボックスへ入れたけど。
そうだ、もうひとつ作るか。
フィーリアとニジのコンビも良くあるからな。
ブルーとニジ用のマジックアイテムをフィーリア用にもうひとつ作りたい。フィーリアの滑空や動きを邪魔しないように。安全面はフィーリアも同等に守れるものにしたい。形はお任せで。
<魔道錬成>
ぶわっとわき上がった光の先には、うっすらと何かが見え始めている。まあ、そのうちできあがるだろう。
なんてのんきなことを考えていれば、できちゃったよ、マジックアイテムが。
鑑定*****
ランクSSマジックアイテム:フィーリア用背負い鞄 中にいる対象に対しての酸素供給、自動換気、防水、耐重力、耐熱など全ての事象から中の対象を守る。もし、フィーリアと共に滑落や重力の被害に遭いそうなときは、フィーリアと共に高性能金属(未知の金属)で守られる。フィーリアと離れた場合、自動的にタケル・ヤマトの所へ戻る。戻れないときには信号を発する(会話可能) 内部からアクリルを通して外部に攻撃を発することができる。全体強化済(強度ランクSS)
*****
あはは、もう言うことないね。
戦う時には、ブルーかフィーリアと一緒になることが多いニジ。基本的には俺と一緒だが、時によっては無理なこともあるから。まあ、とりあえず、安心だね。
すぐに俺のストレージに入れたよ。
じゃあ、とりあえず少し休むから、と俺は寝室に向かった。
皆はダイニングでおやつを食うらしい。俺にはセバスが持って来てくれるって。
ニジとブルーも一緒に来たので、浄化してからベッドに転がる。
結局、俺は夕食ができあがるまで眠っていたらしい。
錬金術を使ったから疲れたんだろうな。
起こしてくれたニジとブルーと一緒に食堂に向かう。
そこでは、馬車に出たり入ったりするバウとパトリオットがいた。
なにやってんだ?
「あ、済みません。ハクがかなり軽く動くと言ったので、どこかに魔石があるのかと、探してましたが、ないんですよ」
「そうなの? 魔石は仕込んでないよ。まあ、取り付けはできるけどね。これが軽いのは機械的な装備のせい。それとハクの力もあるよ。それでも無理なときは、魔法で助けるからね。必要ないんだよ、魔石なんて」
「……なるほど。上り坂などの山間部でなければ、馬も楽に引けるということでしょうか」
「そういうことになるかな。あ、そうだ。馬と荷馬車を買い取ってもらいたいんだけど、商人ギルドに相談に行かないとね」
「では、出発日を決めてから参りましょう」
ラスの言葉に頷いた。
そうだ、いつ出発するか決めないとね。
★★★
早朝から俺は風呂に入っている。
昨夜は、ベッドの上でおじいちゃんと話してて、そのまま寝ちゃったから。
湯に浸かりながら考える。
じいちゃんは言ってた。
貴族を調べるのは、冒険者たちに頼めばいい。それとは別に、世界ギルドの情報網を使うのだと。まあ、言われてみればそうだよな。世界中を納めている組織だし。
それが整えば、まずは魔術師団を潰す。これで概ね、魔法使いは使えない。ただ、数名は裏で動いているものがいるので、気が抜けないね。
その間、俺は商人として街に入り、いろいろと価格調査をすればいいらしい。宿は、商人ギルドの使う高級宿に泊まるように。何かあれば見過ごせないほどの宿がいいらしい。まあ、そうだよね、その方が何か起こっても知らん顔はできないだろうし。
常に、ブルーに空から俺たちの周りを探索させるのがいい。裏の人間は屋根の上を自由に使うので、少し高い所から探索するため。ブルーの眼はいいので、すぐに連絡してくれるって。同じ意味で、ハクやアレックスも使えるが目立ち過ぎるんだそうだ。だからアレックスはいつも通りの幼竜、ハクは外では大型犬くらいで、行く先々では猫サイズがいいらしい。ニジは俺の側にいること。何かあれば、すぐに攻撃できるので、皆を守るきっかけになる。
言われてみれば、俺の仲間は優秀だぞ。ありがたい話しだ。全能神であるじいちゃんも俺を見てくれてる。危険はなるべく回避してくれるらしい。だが、他の神が手出しするかも知れんから気をつけろと言われた。面倒だね、他の神も。
まあ、いらないなら処分しろと言ってたからそうするか。
「あるじぃ~、おふりょ~?」
「ああ、そうだ。ニジも入るか?」
う~ん、と聞こえたのでドアを開けてやれば、ポチャンと風呂に飛び込んだぞ。ぷかぷか浮かんでるね。
「おはよ、あるじぃ~。きょは、なにしゅるの~」
「そうだな、商人ギルドに行くかな。あとは、ギルドに行って明日か明後日には出発すると話すか。ヒラリの店にも行きたいな。最終的に、皆の出発準備をする。防具とか剣とか、確認しないとな」
「ふ~ん。ニジは、ほん、ちょか、いれちぇもいいの~」
「ああ、いいぞ。いろいろ持っていってもいい。ただ、いつでも空間は繋がるからな。魔法の本は置いておいてもいいだろう。冒険譚とかの方が面白いぞ」
「そうらね~。まほ、のほん、じぇんぶ、よんらし~」
「ニジは偉いな。最近、少し大きくなったしな」
「そうらよ~、もっちょ、おおちくなる~」
おう、そうだな、と二人で笑った。
朝食後、俺たちは外出することになった。
今日、最後の依頼を受けているというバウとリカ、ハクは出かけていきました。パトリオットは昇級試験があるらしく、ギルドに向かう。
ラスと俺、そしてセバスも一緒に行くことにした。当然、俺のバッグにはニジがいるし、頭の後ろにはアレックスがしがみついてる。フィーリアは綺麗な尻尾を振りながらラスの隣を歩いてるよ。
まず、商人ギルドに向かい、会頭と面会する。
「いらっしゃいませ、ヤマト様。どうぞこちらへ」
いつもの応接室へと向かい、ソファに腰を下ろせば、お茶、ミルク、果実水などと甘いお菓子がおかれる。
ニジはテーブルの上でどれを食おうかと選んでます。ラスも同じだね。面白いよ、この光景は。アレックスとフィーリアはすぐにたべ始めた。
飲み物は、ボウルをだせばセバスがちゃんと注いでくれる。もちろん、フィーリアのお菓子もね。
俺もおはぎを食べながらお茶を飲む。
やってきた会頭さんは、書類を手にしてるな。
「お待たせしました。では、今よろしいですか?」
「いいよ。ごめん、あまりに旨いから止まらなかった。で、金額は出た?」
こちらでいかがでしょう、と差し出された紙。昨日の明細を合わせてみれば、明細は合ってるな。あとは、鑑定っと。
うん、ほぼ、同じ金額だね。これならいいかな。
「これでお願いします」
「ありがとうございます。すぐにご用意いたしましょう。それと、昨日話しておりました、迷宮産のポーションなどですが」
「ああ、どれがどのくらいですか? 宝石などは買ってもらってもいいですよ。あとは、貴金属、毛皮、革、くらいですかね。武器は入り用でしたら、どのようなものがいいか、言ってください」
「ありがとうございます、助かります。まず、ポーションですが、上級、最上級などありますか?」
「どちらもありますけど、本数はどれくらいかな」
「そうですね、できる限りと言いたいところですが、最低でも100本ずつくらいは」
「……かなりの数ですが、大丈夫ですか?」
「ええと、数がありませんか?」
「それは全く問題はありません。千単位で持っています。エリクサーもかなりありますので」
「ええ? そうなんですね、やはりヤマト様は規格外です。金額ですが、こちらの出せる金額は、上級が大金貨一枚、最上級が大金貨十枚ですがいかがでしょう」
ええと、相場はどれくらいかな。鑑定して見るかな。
おお、少し高めだぞ。それならいいかな。
「じゃあ、その金額でいいですよ」
「ありがとうございます! それでは、すぐに用意いたしますので」
視線を入り口に立つ男性に視線を流したあと、男性は静かに出て行った。
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【あとがき】
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