第95話 魔導錬成で魔導馬車を作ってみました!
一番奥に魔道具を出す。冷蔵庫や冷凍庫、蛇口の魔道具、風呂の魔道具、トイレなどを取り出した。それだけで部屋の半分近くになっちゃったけど。あ、トイレは三つ残しましたよ。
その隣りには革製の防具をいろいろ取り出す。金属のものも全て出した。そして貴族の服。あとは短剣類、槍、弓などだ。槍は古道具屋で買ったものは持ってます。
そして、大剣と長剣。
魔剣は出してない。あくまでも普通のミスリル製ですね。
それ以外にも、アイテムボックスやディメンションバッグなど、うちでは使わないものは全部放り出した。その時、ナナに渡してあったアイテムボックスになってる腰鞄をリカに渡した。
大喜びで飛んでたけど、使い古しだぞと言っておくが、気にしていないらしい。ギルドカードを入れると嬉しそうだ。何度も入れたり出したりしているのを見て、面白いと思ってしまった。これは内緒だけどね。
ついでに、パトリオットにアイテムボックスになってる書類鞄を渡しておいた。容量制限はあるけど、時間は止まるからと伝えておく。
ありがとうございます! と大声で叫んだぞ。
結果、その部屋はいっぱいになって、応接室にもはみ出てしまった。
その場にあるものを一斉に鑑定して、イメージで印刷してからストレージの中に保存した。
結果は明日でいいと伝えて、一階に降りる。
そこでみていたが、野菜は今回外れだった。ただ、食パンとロールパンがあったので、バゲット込みで買うことにした。今日納品されたものだけね。
あとは、リカの冒険者服とラスの服だな。
ブルーの背中につけるものをと思ったんだけど、自分で作る事にした。革はたくさんあるからね。
当然、さっき食べた新作ケーキは爆買いしたよ。
買い物を終えた俺たちは冒険者ギルドに向かう。その前にメシを食おうかと、ギルドの食堂に入ることにした。家にいる皆に問えば、来るというので、入れ替わりにブルーが中に入った。大きいから邪魔になると考えたらしい。とてもお利口さんだ。
それぞれが食べたいものを注文する。
できあがるまでに、俺は場長を訪ねることにした。
「こんにちは~」
「おう、やっと来たか。忙しかったらしいな」
「うん、ちょっとね。で、肉はどう?」
「かなりできてるぞ。持って帰るか?」
ラスに聞いてみるが、まだ肉はかなりあるらしい。
じゃあ、持ち帰りは後にして、素材と新しい魔物を預けることにした。肉にはならないけど、素材としては高級な魔物たち。場長に聞きながら、それらを預けた。
まだまだあるといえば、肉を引き取れという。まあ、仕方がないか。
肉を全てまとめてストレージに入れて、素材も入れた。そこにドンドンと魔物を移動して行く。
大きく目を開いた場長は、かなり嬉しそうだ。
じゃあ、急がないから頼むと言えば、先に珍しいやつをやりたいらしいので、任せると伝えておく。うちの誰かが取りに来るかもといえば、皆知ってるから大丈夫だって。
じゃあ、と食堂に戻ってメシを食う。本当に腹が減った、とガツガツ食いまくった。
その後、パトリオットたちとブルーが入れ替わって、俺は素材の買取をしてもらってた。少し肉を分けてほしいというので、オークとかレッドボア、ワイバーン、熊たちならといえば、ありがたい、といろいろ買い取ってくれた。
どうやら、数が揃わなくて困っていたらしい。それぞれかなりの数を売り払った。ダンジョンで手に入れた肉は、かなりあったから気にすることはない。
ギルドの前で肉串屋、フライ屋、つくね屋、果実水屋に、明後日、まとめた数が欲しいと伝えて、食い物はできるだけ多く、果実水も木箱を五個以上頼んだ。とりあえずの金をそれぞれに渡して、昼前に取りに来るからと伝えた。
そのあと、のんびりと街を歩く。
気になるものはないかと言えば、それぞれがキョロキョロしてるな。街が小さいから、それほどでもないか。
じゃあ、戻るか?
そうですね、と皆が言うので、再びのんびりと引き返すことになった。
いい天気で目を覚ましたけれど、今日の俺はのんびりすることに決めた。
どうやって移動するかという話しになり、馬車を使うかということになった。俺は商人、その護衛に皆がつく。馬車はハクが引く。入国門の手前で、バウ、パトリオット、リカは護衛として馬車の周りに立つ。アレックスとニジとフィーリアは俺とラスと一緒に馬車に乗る。アレックスとフィーリアは子供の姿になってね。ブルーは馬車の上に止まり木を作る事にした。
そうと決まれば、馬車を作ろう。
芝生の所へ行って、ミスリルを取り出す。かなりの量があるから問題ないんだけどね。
一応、どんな馬車にするか、絵を描いてみた。
あまり大きな馬車は面倒だから、普通の四人乗りくらいの大きさにするか。中は空間を拡張して、家のある空間に出入りできるようにしよう。それなら、場所を探す必要はないからね。でも、馬車自体もいれないとダメだな。
とりあえず、普通の馬車サイズで書いてあるんだけど、少し長めにした。そして中の空間は皆がくつろげるスペースを作る事にした。
馬車の内張は木製。見せかけの椅子は座り心地のいいソファを置く。ここではセバスも同行することになった。お茶を入れたりお菓子を出したりしてもらう為だけど、侍従兼御者くらいはいた方がいい。豪商でもないからいなくてもいいんだけど、いた方がそれなりだろうからね。
国境門を入ってからの方が距離は長い。
奥の空間は、馬車の二倍はあるくらいか。ソファに座れるようにと思ったが、倉庫として見せかけるために、マットだけ敷くことにした。おそらく、みんなゴロゴロするだろうね。
ラスとフィーリアとセバスには、商人ギルドにいってもらう。俺のカードを持ってね。セバスの服を用意する為だけど、侍従としても使える御者の服が必要だ。
さて、作ってみるかな。
じゃあ、さっきいった条件で、ミスリルの馬車を作る。車輪はノンパンクタイヤで。乗り心地をよくするためにショックアブソーバーとサスペンションをつける。
外観は、それなりに見えるように装飾が必要。屋根の上にはブルーの止まり木が必要。御者台は、上り下りしやすいように。
内装は、馬車二台分以上の広さが必要で、床はマットにする。皆がくつろげるような柔らかさ。最後尾に扉が欲しい。荷物を積んでいると見せかけるため。
馬車を引くのはハク。そのための道具はしっかり作る。不具合がある時、修正可能になればいい。
<魔道錬成>
ぶわっと鋭い光が吹き上がる。
少し待たないとダメかな。
じゃあ、その間にブルーの背中につける鞄か籠を作ろうか。
ブルーが止まり木にいる形になればニジは中に入れる。飛んでいる間は、そこから出てきて、深めの屋根の上で攻撃できる。そんなふうに、考えた俺の結論は。
楕円形の大皿をモチーフに、皿を深めにする。卵の形のリュック型が望ましい。素材はミスリル。背中に背負う事で、攻撃の邪魔にならない。空を飛ぶ時には、紐か網で固定できるようにしたい。方法は任せるが、急な旋回などにも耐えられるもの。取り付けの素材は、金属がこすれて傷まないような素材を選ぶ。ストレージの中の素材使用許可。
さて、やるかな。
<魔道錬成>
ふわりと小さな光が沸き起こる。
ふと見れば、馬車ができあがってるな。
馬を繋ぐ部分は、オークの革を何枚も貼り合わせた上に、オーガの革でしっかり作られている。ハクのサイズにあいそうだ。
馬車の外観は、真っ黒で、入り口と両側に窓がある。右側は横長の窓。景色が見えるようになってるな。でも、これ。ガラスじゃないぞ?
鑑定すれば、超強力アクリル板で厚さは一センチだった。確かにこのガラスの大きさならアクリルの方が強いし軽いな。でも、アクリル板? あ、ホームセンターか。それもプロ用エリアの商品だろうな。内張はヒノキの板になってるな。これは素晴らしいぞ。内部には断熱材もあるらしい。SSランクの馬車だそうだ。
ソファの座り心地もいいし、進行方向を向くソファの間から後ろに行ける。そこは温かいライトで照らされた広い部屋があった。下にはマットが敷き詰められてる。うん、いいね、これ。
御者席には、セバスがこすれないように、布のクッションがあり、ビニールで覆われてた。そして画期的なのが車輪だ。タイヤになってる。そしてショックアブソーバーとサスペンションがあった。すんごいぞ、これは。
ハクがつけてくれと言うので、つけてみたが、どうやら胴回りなども、毛皮や革で丁寧に作られているらしい。幅も、普通の馬車には大きすぎるが、ハクにはちょうどいい。
セバスは二段ほどの階段を上って御者席に乗り込んだ。
俺も、ドアを開いて中に入ってみる。進行方向の左側に座った。ラスは右側だな。前のベンチシートには、アレックス、ニジ、フィーリアが座った。屋根の上にはブルーが乗ってしっかりと止まり木をつかんでいる。
眷属たちの椅子の背中側にもアクリル窓があるんだが、スライドして開く様になってる。これは便利だな。
それどころか、ラスの足下にある板を引き上げてロックすれば、テーブルができた。あはは、キャンピングカーだよ、これ。
周りを見ていた冒険者三人が中を覗いて驚いている。後部を開いて、かなり嬉しそうだ。
ここからも入れるぞといえば、中に入って通り越し、靴を脱いで転がった。
「これは素晴らしいですね、タケル様。貴族に売れますよ、絶対」
「あはは、いったいいくらするんだろうな。俺は皆がゆっくり過ごせるようにと思って作ったから、同じものはできない」
まあ、そうでしょうね、と笑う。
ハクが歩いて見るというのでそのまま外を見ていた。
うん、さすが前世仕様だな。乗り心地が良すぎる~
「主、かなりスムーズに進むのだが、どうしてなのだ?」
「これはね、前世の作り方だから。車輪もタイヤというものだし、クッションがついてるからね。セバスも乗り心地いいだろ?」
「ハイ、スバラシク カイテキデゴザイマス!」
よしよし、と頷いて、ハクも小さくなったら入れるぞ、と伝えれば、大喜びだった。
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【あとがき】
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