第94話 俺、完全復活だー!
皆で移動して、平原に降り立つ。
森に向かって木を切るつもりで刀を振る。すると、水刃、氷刃、風刃と大木が倒れて行く。切り株は土魔法で掘り起こしたが、一瞬で終わった。
ふむ、かなりの威力があるな。発動もかなり早い気がする。なんだか強くなってる気がするんだが。
じゃあ、スキルを使おうか。
【一閃!】
【二天鵠煌!】
とりあえず、そこでやめておく。あとの二つは獲物がいないとね、と笑えば、皆が呆れてたよ。
火魔法だけは使えないから、ダンジョンの中で使うかな。
それ以外に、雷魔法、氷魔法、土魔法、風荒らし魔法など、思いつくままに使ってみる。
「タケル様。あの、雷魔法はすごい威力ですね」
「うん、そうだね。でも、雷の最高ランクじゃないよ」
「はあ? もっと上があるのですか?」
「あるよ。まあ、地上では使う事はないかな。戦争でもするなら便利だと思う。さっき使わなかったスキルもね。あれも、裏ダンジョンでは魔法が使えないから、攻撃方法を模索してたんだよ。もしかして、攻撃のルールを作って、いくつかをストレージに入れておけば連発できるな、と考えたんだ。だから、考案していくつかを入れてたんだけど、スキルになってた」
「もう、なんでもありでしょう、タケル様は」
あはは、バウとパトリオットが呆れてる。一人、ポカンとしてるのはリカだ。
「そうだ、リカ。いつも短剣か?」
「はい。本当は身体が小さいので、ミドルソードと短剣の中間くらいを使いたいんですが、お値段が……」
「なるほどな。じゃあ、これどうだ?」
リカが受け取った二つの剣は、短剣と短めのミドルソードだ。
握って振っているが、嬉しそうだ。
「これ、すごいです。手に吸い付くようで動きも邪魔しないと思います。バウさん、パトリオットさん、どうですか?」
ふむ、とパトリオットが受け取って驚いてる。バウも気づいたようだ。
「タケル様。これはミスリルを纏ったオリハルコンですね。こんな短剣はみたことがない。こちらのミドルソードはミスリルですね。長さは丁度いいと思います」
ええ?! とリカが腰を抜かした。
「短剣はね、古道具屋で見つけた。どうやら店主は鑑定が詳しくできなかったようでさ。セバスを買った店だよ。だから言われるままに買ったんだ。他にもいろいろあるけど、使えそうなら問題ない。ナナには渡す気にならなかったんだよ、なぜかなぁ。まあ、結果正解だったけどね。リカは仲間だし、使えばいい」
「こ、こんな高価なものを。良いのですか?」
「ああ。だが、それなりの働きを頼むな。数日中に次の国に出発する。そこで少し調べ物をしてからダンジョンに入る。全てのダンジョンだ。Sランク迷宮はリカには無理だから空間で留守番だな。Aランクも深くなれば連れて行かれない。その間は、ラスの手伝いだな」
「……それは仕方がないです。私の実力ではご迷惑をかけますので。ですが、できる所は頑張りたいです!」
「もちろんだ。ただ、俺をあのダンジョンに引き込んだ国だから簡単にはいかないと思う。全てのダンジョンを攻略して、核を取る。ダンジョンを使い物にならなくしてやる。けど、世界一の大国だからな、地下は、ほぼダンジョンといってもいい。高ランクになれば、俺と眷属だけで魔法で殲滅するかも知れない」
大きく頷いたのはリカ以外だ。
その後、詳しいことを話した。
あの国の最下層にいた皇帝リッチが裏ダンジョンの唯一のボスだった。でも、あちらの方から話しをしようと言われた。
古竜じゃないのかと聞かれたので、古竜の息子はいると伝えた。でも、俺には古竜神の加護があるし、俺からは古竜の覇気が出てるらしい。
俺からは、なぜ、ダンジョンにいるのかを聞いた。
あのダンジョンは、人が作ったもの。おそらく、王宮魔術師たちの仕業だろうと聞いたので、まず、魔術師団を潰す。
そんなことを思いついたのが、悪事が発覚するのを恐れて俺を殺そうとした貴族たちらしい。それに乗せられたのが国王。その責任を取らせるために、貴族を調べる。そして、ダンジョンの核を全て取ると宣言するつもりだと伝えた。
俺は、自分の敵となるやつ、仲間や眷属たちを狙うやつ、狙ったやつらは許さない。きっちりお返しする人間だ。
改めてそう宣言しておいた。
そして、これは他言無用だけど、と全能神とあったことを伝える。
俺の死んだ祖父と同じ姿だった。
祖父は、身体はいらないから、空でのんびり過ごさせろと空に上がったらしい。じいちゃんらしいと笑った。
それから、俺は全能神の孫になった。だから、じいちゃんと呼ぶ。
これからは、俺の持つ感覚で世界を正してほしいと言われたので引き受けた。そんな面倒なことになったけど、納得できないやつは俺から離れていいぞといえば、一番に声が聞こえる。
「わ、私は、一生タケル様の元で修業させていただきたいです! どうか、見捨てないでください!」
あはは、リカ。見捨てる気なんかないよ。
「俺は当然、タケル様の元で旅をし、戦いたいです!」
「私も同じです。ですが、私の今の立場、それはあった方が動きやすいかと思いますので、利用したいと思っています。本当の仲間にしていただきたい!」
バウとパトリオットの思いは、心から受け入れて礼を伝えた。
「ニジは、あるじぃ~といっちょ。じゅっと、いっちょらよ~」
「当然、私も最初に眷属になったときから気持ちは変わらないよ」
「俺も同じです。古竜がタケル様を息子だというのは理解できます。俺の方が年上ですが、兄だと思っていますので!」
「私も同じです。あのままだったら、おそらく貴族のおもちゃだったでしょう。一生お仕えいたします」
ニジ、ハク、アレックス、フィーリアの思いはしっかり受け取った。
「アルジ、ワタシハ、アノ ダンジョンデ、ウミダサレタ ゴーレムデスガ、トモニタ タカイタイトオモッテオリマス。アルジノツバサトナリマショウ。ニジノ アシニモ ナレルトオモイマス、オツカイクダサイ」
ブルーの気持ちも理解した。ともに戦場を駆け抜けた相棒だからね。
「みんなありがとう。とても心強いよ。ハチャメチャやるけど、俺を助けてほしい。でも、俺の思いに沿わないなら、必要ない。出て行きたいと思えば気にせず言ってくれていいからな。無理に俺にあわせることはないよ」
皆はキラキラした瞳で俺をみてる。リカは何かを決意した表情をそれるんだけど、腹を決めたか。これって、俺はみんなに認められたということか?
「嬉しいよ。そうだ、バウ、ラスに連絡して。今から一度戻るけど、商人ギルドに行くから準備してほしいって伝えて」
了解とすぐに水晶を取り出した。
じゃあ、と辺りを見てくるって、ブルーが翼を広げる。その上にはニジが乗ってるね。鞄でもあった方がいいかと考えた。出入りの簡単な物を考えようか。
一緒に飛び立ったのはフィーリア。いつもは翼を出すことはないけど、今日はのびのびと翼を延ばしてるね。とても気持ち良さそうに飛んでいる。
「タケル様。準備はすぐにできるそうです。街の門前に集まりますか?」
「そうだね。ニジとフィーリアに連絡しよう」
俺が、とアレックスが念話を始めた。
さて、そろそろ行くかな。いや、ここで空間に入るか?
ブツブツ言ってたら、それがいいですよ、とリカがいう。
「アレックス、ここで空間に入るから、戻るように言ってくれるか」
承知、と聞こえれば、空を飛んでいた三人は、ゆっくりと降りてきた。静かに降り立ったあと、空間を開いて一緒に中に入った。
「オカエリナサイマセ、ゴシュジンサマ、ミナサマ」
ただいま~とダイニングテーブルに陣取る。
「さて、俺とラスは商人ギルドに行く。ついてくるのは?」
ニジとフィーリア、リカが行くらしい。ブルーもお使いコースを知るために行くって。
バウ、パトリオット、ハク、アレックスは地図を貸してくれというので渡せば、違和感なく国に入るためのルートを探すという。隣の国ではあるが、門は数カ所しかないので、王都に早く入るためには最短距離を進む必要がある。その検証だって。パトリオットとバウがいるから最善の意見が出るだろう。
空間から出て、ギルドの方へ歩く。
そのまま真っ直ぐ商人ギルドを目指した。
当然の様に、丁寧に迎えられる。応接室に通されて、みたことのないケーキが置かれた。
「これ、新作ですかね」
「だと思うぞ。食って旨かったら買って帰るか」
「ありがとうございます!」
あはは、ラスは甘いの好きだな。
当然のようにリカも嬉しそうに食ってる。ニジはテーブルの上で食べてるよ。フィーリアはボウルに入れてもらってた。ブルーだけは、必要ないのでポケッとしてる。途中から、部屋の中をウロウロし始めたのは以外だったな。
「お待たせ致しました、ヤマト様。お久しぶりでございます」
「うん、久しぶりだね。今日はとりあえず、買取査定を頼みたい。一度整理したくってね」
「それはありがたいです。武器や防具、魔道具などはありますか?」
「うん。いろいろあるよ。武器は一部無理だけど。ダンジョンのものが多いんだ。今日は盗賊の押収品がメインかなぁ」
「なるほど。できれば、ダンジョン産のものも少しおわけいただけたらありがたいのですが」
「うーん、種類もいろいろあるよ。まあ、いいか。数あるし」
「それほどですか?」
「まあ、かなりの量あるね。魔物は解体中のものもあるし。肉屋でもやろうかと思うくらいあるよ」
「え、ええと。肉もよろしいのですか?」
「うん。今回は多すぎる。錬金素材は冒険者ギルドに聞いてみようかと思ってるけどさ。でも、次に行くのが錬金術の盛んな街がある国なんだ。もしかして必要かもしれないしね。ポーションなんかは自分で作りたいけど、いろいろあるから、それらが売れてからになるね」
「ポーションですか! 高ランクのものはありますか?」
「あるよ。高ランク、最高ランク、エリクサーとかいろいろ。普通のは冒険者が欲しがるだろうしね。これ、店やるか、ラス」
「楽しそうですが、それでしたら、別の国でされた方がよいですね、ダンジョンの多い国、冒険者の多い国などがいいでしょう」
「それも面白いね。ふむ、考えてみようか」
それが良いかもと、とラスはいう。それもそうだよね、そういう店に卸してもいいわけだしさ。
「じゃあ、ポーションは一部だけね。毛皮とか肉とかはそこそこ大丈夫だと思う。あとで数を伝えるよ」
嬉しそうな会頭は、とりあえず盗賊の押収品をというので、順番に出すことにした。
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【あとがき】
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