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第80話 元宰相を手に入れた!!

「あ、あの。ご主人様。その、大変申し訳ございません! 一日休んでしまいました! 本当にごめんなさい」

「……お前、もしかして、日本にいるときから、自分で起きられなかったのか。この世界では死ぬぞ。ダンジョンでも森でもな。寝るなら寝るといえよ。半日寝て、半日訓練するくらいじゃないと使えないぞ! 本を読むと言ったな? 嘘をつくな! それほど退屈なら、次の街で討伐に出てもらう。薬草採取でもしてランクを上げろ。修行しないやつには必要ないから防具も最低でいいだろう。だが、お前の防具は誰も使えない! とりあえずアイテムボックスもいらないな。短剣はグレードを下げる。槍も普通の槍でいいはずだ。肩掛けかリュックのディメンションバッグは持たせてやるが、時間は止まらない。森に入る時には、他の冒険者と同様に、干し肉とパンを持っていけ。甘えすぎてるぞ、お前。お前の為に用意した武器もがあるが、それも今のお前には必要ない。アイテムボックスを持って来い、この鞄をやる」

 

 そう言ってやれば、テントに戻って行った。

 そしてアイテムボックス、槍、短剣を置く。それと、リュックがいいといいやがった。どれだけわがままなんだよ! ナナをにらんだままリュックを取りだし鞄は引っ込めた。それと革袋に、銀貨二枚、銅貨百枚を持たせた。

 

「それで昼飯を調達して、薬草採取依頼をこなせ。Fランクなら、それくらいしかない。あとはゴブリンの討伐くらいだが、初めては薬草一択だ。訓練は少し受けたはずだから、薬草を採るときの角ウサギくらいなら狩れる。それはギルドに売ればいい。朝飯と晩飯は戻って食えばいい。それでも普通の冒険者より恵まれているんだぞ!」


 はい、と頭を下げたが、ギルドカードだけは渡しておいた。このまま逃げても問題ない。戻そうとするつもりもないからな。


 そんな中、既にクロノスはメシを食ってる。ガツガツ食ってるが、気に入ったか?


「タケル。このメシは人のメシなのか?」

「そうだ。俺が作ってる。どうだ?」

「旨い……旨いのだ。これはいくらでも食えるぞ。旨い肉を持ち帰れば食わせてくれるのか?」

「ああ。もちろんだ。この後行く、ボルック国ギルドで解体を頼むんだ。その後なら、いくらでも作ってやる。メシをくったら、とりあえず馬を届けて、その後はボルック国だ。そこで引き取って、新たな獲物を預けておく。そこの解体場長は腕がいい。だからそうするんだ」

「なるほど。では、我が旅の途中に戻れば、主に魔物を渡しておけば良いのだな。ふむ、理解した。今は、どのような魔物があるのだ」


 ええとな、とストレージの中を確認する。

 オーク、ワイバーン、コカトリス、サーペント、くらいか。あ、レッドボアがある。あと、亜竜、マナバイソンの肉だな。他にも預けてあるが同じ用なものだ。そう告げれば、「わかった」と嬉しそうだな。何を取ってくるんだろうか。

 旨い肉を持って帰るぞ、と嬉しそうだった。



 空間が開いたと思ったら、パトリオットたちが戻った。

 そうだ、クロノスも登録しとくか。

 

「ただいま戻りました!」

「おかえり」


 おう? とんでもなくボロいリュックを持ってるけど。これだけか?

 まあ、アレックスに任せておくか。


 パトリオットがこちらにやってくる。

 あれ? ナナはどうした。


「セバス、ナナもメシ食ってないんだろ?」

『イエ。チュウショクヲトラレテ、フタタビ、ヤスマレテオリマシタ』


 ははん、そういうことか。


「わかった、ありがとう」

『ドウイタシマシテ』

 

 すると、セバスはハクとパトリオット、バウに飲み物はと問うている。どうやら果実水を飲むらしい。そのあと、文官のところに向かい、同じように聞いている。温かい紅茶はありますか? といえば、オモチイタシマスと返事してたね。


 俺も食事に戻る。

 うまいなぁ、自画自賛だけど。クリームパスタを食ってる俺と、既に食い終わり、今度は肉煮込みとパンを食ってるクロノス。大食いがまた増えたな、とクスッと笑った。


 先に食事を終えた俺は、まだ食ってるクロノスを残して、ハクに転移してもらうことにした。アレックスはバウとあれこれ選んで、試着してみたりしてるからな。


 外に出て、ハクの背に乗り、王宮の庭に転移する。

 宰相に連絡しておいたので、馬番がすぐに引き取りに来た。宰相も、ふうふうと息を切らしてやってくる。コケるなよ?


「タケル殿。自らお持ちいただいたとは、ありがとうございます」

「まあ、いいけど。どう、あれから。貴族たちは何か言ってきた?」

「いろいろと連絡はありました。ですが、私も忙しく、そこそこで放っております。すぐに代官と文官を送るので、そのために動いております」

「国王は?」

「ご自宅に戻られました」

「はあ? 何言ってんの? 今の状態わかってるのか?」

「……それはないでしょう。今までと変わりません。これ以上私も敵視されるのは辛いのです。独り身で、家族も既におりません。何処かへ流れようかと思っております」


 うーん、それはもったいないな。

 

「国王には伝えたのか?」

「はい。なんとか自覚してもらおうと話しましたが、それならば陛下が学園で共に学んだ人に役目を変われと言われました。情けなくて、どうすれば良いのかと。ですが、元宰相など、今は荷物にしかなりませんので」

「なるほどな。少し見せてもらうよ」


 は? と宰相は固まったが、今は無視だな。


 魔眼――!

  ドンドラス・フリップ

  文才があり、交渉能力が高い。お人好し。 

  数々スキルを持ち、最高位文官。料理スキル高ランク。ひとり暮らしが長いので、動くことは苦にならない人。

  計算ができ、商人としても問題ない。レベルは高くないが、鑑定もできる。

  ただ、優しすぎる。動物が大好き、もふもふ好き。

  冒険者には不向きだが、戦略には長けている。国王はその能力を知らない。

 ーーーーー


 なるほどね。

 これはもったいないな。

 こいつがいれば、俺はかなり楽になる。いろんな交渉を任せられるから。

 誘ってみるかな。これは大事おおごとだぞ。

 やはり屋敷を使うか。ふむ、それしかないかもな。ただ、アレックスやクロノスが大きいまま寝たいというなら、もっと広い空間を作り、別棟を作るか。

 うーん、その辺りは後で考えようか。


「なあ、宰相。いや、ドンドラス。もうやめた方がいいぞ、宰相職。その気はあるんだよな?」

「当然です。すぐにでも王宮を出たい。家もありませんので、荷物だけですから」

「じゃあ、うちに来るか? うちも人が増えた。問題児もいる。今はテント暮らしだが、空間に出せる魔道具の屋敷があるんだ。それを使えば皆が暮らせる。どうだ?」

「え、あ、あの。よろしいのですか?」

「ああ、問題ない。お前の能力は見た。お前の才能はとても有用だ。来てくれれば俺が楽になる。どうだ、給料は決めてないが、メシは食える。というか、食材は切らさない。料理は俺が作ってたが、お前にも手伝ってほしい。どうだ、やってくれるか?」

「え、え゛いいの、でしゅか?」

「ああ、何度言わせる?」

「あ、あじがどう、ごじゃびまじゅ~」

「あはは、きったない顔で泣くな。じゃあ、これ、アイテムボックスだ。容量は無制限だ。時間も止まる。すぐに荷物を入れてこい。お前が戻ったら、国王に話す。知人に頼めとな。お前は辞職を水晶越しで伝えろ。それで問題ないだろ。国王の希望なんだから」


 あ゛い゛! と指輪を受け取って左手の人差し指につけたドンドラスは駆けていった。


 はあ、とハクがこちらを見てる。

「これで俺は少し楽になるな。あいつは戦略に優れているらしい。料理スキルも高いし、最高位文官だ。喧嘩はからっきしだが」

「それは問題ないよ。私たちは強いから、彼が得意なことで頑張ればいいと思う。だてに宰相職にはなってなかっただろうしね」


 そうだな、と待っていれば、ふうふうと宰相が戻ってきた。

 じゃあ、と国王へ水晶で連絡する。


「陛下。タケルだ。今、馬を連れてきた。馬番に引き渡したぞ。あと、宰相の代わりに陛下の知人が引き受けるらしいな。宰相は辞任するそうだ。まて、変わるから」

「国王陛下。お役に立てず、申し訳ございませんでした。陛下のご友人なれば、きっと上手くいくと思いますので、ただいまをもって辞職させていただきます。自分の荷物のみ持ち出します。国のものは、羊皮紙一枚、持ち出しておりません。では、失礼致します!」

『ちょ、ちょっと待つのだ。お前はどこに行くのだ? 身内もおらず、一人であろう? ならば、ここに家がある。その方がよかろう。元宰相など、誰も拾わぬぞ?』

「それは問題ない、俺が拾ったから。じゃあ、頑張れよ。優秀な宰相がいるらしいから大丈夫だろう。じゃあ、失礼する」


 待ってくれ! と慌ててたな、国王。今になって何言ってんだよ、と水晶通信をブチッと切ってやった。

 

 「ハクに触れろ」そういって転移で戻った。空間に入って、ロックする。


「あれ? 宰相じゃない?」

「そうだ。今日からうちのメンバーだな。国王が捨てたんだよ、こいつを。だから俺が拾った。とりあえず、ボルック国へ向かうぞ。クロノス、お前はどうする?」

「ふむ。ならば、ここから向かおう。主の居場所はすぐにわかる。例えダンジョンであってもな。では、悪いが、先に出る」


 「いってらっしゃい~」あはは、皆、満面の笑みでクロノスを送り出したぞ。

 ギルドの馬場で空に上がったクロノス。不思議と心配はない。まあ、黒竜だしね。


 じゃあ、パトリオットはギルマスに国を出ることを話に行くらしい。その後、次の予定を決めてないので、一度文官を帰すつもりだときいた。

 さっそくギルドに向かったのでしばらく待つことにする。

 その間、俺たちがやらなきゃならないことは……


 住むところを確保する事。そう、家だ。

 さて。

 この広さでどこに家を置くか。やっぱり正面の一番奥かな。いや、中央より少し後ろにしよう。光は全体に降り注ぐから気にしなくていい。あまり奥になると、遠い。あはは、移動が大変だし。

 プール風呂と俺の外風呂はそのままで、外部トイレもそのままでいいかな。それなら、デデーン! と置けばいいか。

 じゃあ、とりあえず、今は馬がいるけど、そこはそのままで残りが八割というところだから、適正な場所がわかればいいけど。

 正面から見てみれば、外風呂もあるので、その分を計算してっと。うん、この辺りだな。じゃあ、とりあえず、線を引いてっと……



********************

【あとがき】

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!

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