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第75話 ドラゴンの住処に眷属たちを引き連れて訪問した

 希望通り中を見せた。幌は新しくしっかりしている。中は浄化したから綺麗だ。

 床下の収納のことも話した。驚いていたが、小物を入れるのにいいと嬉しそうだ。

 文官たちは中に乗って座ってるけど、どうやらあまり心地よさそうじゃないな。まあ、当然だろうけど。

 

 何かないかな、とホームセンターで探せば、形状記憶の厚めのクッションがあった。車用みたいで背もたれもある。あとは細長いテーブルも出した。


「これ、どうだ。分厚い方が下、薄いのが背もたれだ」

「これは……押しても戻って来ます!」

「元の形に戻るように作られてるクッションだ。すぐには戻らないけど、座りやすいぞ。年月がたてば弱くなるが。こっちも両側に置いてみろ」

 いそいそと文官たちが嬉しそうだ。

 ミニバンのリアシート用なので、三人ずつが座れる。合計、六人分。

 

「御者は誰がやる?」

「私ですね。あと、護衛を雇うなら、冒険者でしたらできるでしょう」

「なるほど。じゃあ、これ。一人掛け用のクッションだ。紐がついてるだろ、それで何処かに縛れ。濡れたら座るところがないから、寝るときは馬車に移動した方がいいぞ」

「ありがとうございます! ですが、これは特殊なものですよね?」

「まあな。馬車は盗賊から押収したものだけど、これは違う。後ろは六人用のクッションは置いたけど。それでいいか?」

「もちろんです! ですが、お高いのでしょう?」

「いらないぞ、盗賊様々だろうよ。そのかわり、馬もちゃんと世話して可愛がってやれよ。世話なら文官でもできるだろ? あと、これ。水桶と飼い葉の桶。残りの飼い葉は一番後ろにでも置けばいいよ」

「本当に、感謝しかありません。タケルさんは、敵に対しては冷たい威圧を放ちますが、本当は優しい人ですよね。私たちにまで。ありがとうございます」


 揃って頭を下げられて、照れるな。


 ナナが馬を確保していたので、パトリオットが繋いでる。文官たちもやり方を覚えておけと伝える。緊急時には馬を外したり付けたりが必要になる事もある。

 そういえば、五人はやり方をみていた。頭はいいのかもしれないが、体力がなぁ。

 他の二台の馬車は荷馬車だったので、問題ない。馬も、一番若い馬をパトリオットに渡したのだが、二頭引きで大丈夫か? まあ、あれほどの荷を引いてたんだから大丈夫か。

 

 俺は荷馬車の荷物を下ろさないとならない。

 ついでに、パトリオットに聞いてみる。他の馬と荷馬車は使う人はいないかと。あとで荷は下ろすからと言えば、ギルドがほしいと言うかもしれませんが、商人ギルドで売った方がいいと思いますよ、と聞いたので、そうしようかな。


 

 お前ら、宿に馬たちはおけるかと問えば、どうやら大丈夫らしい。無理ならギルドに置くからと聞いて爆笑した。じゃあ、今夜はここに置いておけと伝える。

 明日は、国王との謁見だし。

 「いいのですか」と問うので、飼い葉と水は、朝、出かける前に来いと言っておく。

 

 とりあえずメシ食って帰れと馬の空間を閉じ、住まいの空間を開いた。

 文官たちは知らなかったので、驚いてるけどな。


 ええと、テーブルと椅子が足りないな。

 少し離れた所に、もうワンセット取り出した。というか、今のをコピーした。

 こっちへ、と言えば素直に座ったぞ。

 

「あるじぃ~、おちゃくちゃま~?」

「そうだ。パトリオットは知ってるだろ。この人たちは文官だな」

「ぶんかんちゃん~、いらっちゃい~」


 おじゃまします、と笑顔だな。可愛いとよろこんでる。


「セバス。お客様だ。食事を一緒に食べるから頼む」

『ショウチシマシタ、ゴシュジンサマ』


 眷属たちはどうやら待ちくたびれているらしい。

 ナナに風呂に入れと伝えて、今日のメニューはなんだっけ、と思い出す。あ、そうだ。あそこに書いてあるんだよ。

 手伝え、といえば、アレックスが少し大きくなって歩いてくる。

 俺はセバスが用意してくれたお茶を持ってワゴンを押す。


 先に皆に食わせてくれと頼んで、セバスに任せることにした。フィーリアは? とみれば、ニジの隣で中型犬くらいになり嬉しそうに待ってる。あはは、ニジの保護者か!


「とりあえず、お茶でもどうぞ。うちの侍従は旨いお茶を入れるんだ」

「あの。ゴーレムですか、あの侍従は」

「そうだ。優秀だぞ。記憶力もいいし、丁寧だし。洗濯も得意だな」

 

 すごい、と呟いたのが聞こえた。

 私が、とひとりの文官が請け負ってくれる。


「それで、タケルさん。明日の午前中は?」

「森の山頂付近にいるドラゴンに会いにいく。森を再生してくれと頼まれたからな。木を間引くだけなんだが、日差しが入らなくなってたから、適当な木々を整理した。俺は素人だからスキルでチェックしてからな。今は風通しのいい日の入る森になったぞ」

「ドラゴン、ですか。依頼、ではないですよね?」

「まあ、そうだな。礼はすると言ってたが、本来は国の仕事。だから、ドラゴンも愛想を尽かせば、この国を出るといってた。どこでも住めるし、ドラゴンを歓迎する国もある。ダメなら、住むところは俺がどうとでもするよ」

「あ、あははは。あまりにすごすぎて、想像もつきません。ですが、守り神であるドラゴンがいなくなれば、この国は?」

「間違いなく終わるな。数年後には地上には人が住めないかもしれん」


 そんな……

 文官の呟きが聞こえたが、それは仕方がないだろうと話した。

 森の中腹だけでいいと言われて、今回は木を切った。だが、下のほうなら、護衛をつければ樵が入れる。山頂付近は、寒さもあって限られた木しか育たないし岩場が多い。そのチャンスもくれたんだぞ、と話してやる。

 なるほど、と文官たちは納得した。

 今回のことで、森の比較的安全な所くらい整備するかどうか。それをみるつもりだろう。


 まあ、一応、国王には話すけど。

 ダンジョンについてもいろいろ聞いたけど、それは言わない。最終手段になるから。

 どうやらパトリオットは察したようだ。


 うん、その通りだぞと小さく頷いて視線を送った。

 

 明日はドラゴンと話をする。今も魔法で木を切ってるので、朝には終わってると思うから。その木を回収してから戻る。そのまま王宮に行くかもしれない。

 その辺りは連絡する事にした。

 

 その夜は、パトリオットたちにはワインを出して、飲んでもらう。スーパーにあった安いワインだけど、すごく美味しいし高級なのだろうと感謝されたが、正直、恥ずかしかった。




 翌朝、目を覚ました俺たち。

 朝食を終えて、ナナは今日は休日とした。フィーリアをもふもふして満足したナナは、セバスに本を借りて読書三昧だと息まいていた。結果は、寝てただけだったらしいが、俺は突っ込まないぞ。


 朝からハクの転移で森に向かった俺たちは、最初に森を確認する。

 当然、魔法は終わってた。

 木材がおっそろしい量、積み上げられてたけどね。

 森の中は明るい日差しが降り注ぎ、風がながれて、昨日までのじっとりとした湿気は既にない。

 こういう所なら、魔物もだけど、植物や獣も暮らしやすくなるだろう。

 じゃあ、とアレックスが木材を回収してくれる。

 次の場所でも同じだな。

 その間に、俺は魔物の探索をしている。今の所、問題なさそうだ。

 

 最後の場所で木材を回収した俺たちは、ドラゴンの住処に向かう。

 岩場に降りたって、念話する。


『タケルだ。入っていいか?』

『うむ。他にもいるな、眷属たちか』

『ああ。みんな連れてきた。入るぞ』


 歩いて入って行くんだけど、あまり洞窟は大きくない。もしかして、身体の大きさを変えられるのか?

 

 ぞろぞろと入っていけば、中はかなり広い。アレックスでも余裕で元の大きさになれるだろう。


『よく来た。皆、楽にしてくれ』

「眷属一同を連れてきた。木材の間引きを手伝ってもらったからな。紹介するよ」


 ハクから順番に紹介した。

 フィーリアは昨日眷属になったといえば、今までみたことがない種類らしい。鑑定では特殊個体だったと告げれば、ならば、フォクシアとでも呼ぶか。そう、ドラゴンが知恵をくれた。

 ふむ、いい名前だな。

 じゃあ、フォクシアのフィーリアだと言えば、「嬉しいです!」とフィーリアは大喜びだった。

 

 全員が特殊個体だとドラゴンが笑う。怖いから笑うな、ブレスが来るかと思うだろうよ。


 そして、アレックスとはしばらく話していた。

 古竜とは面識があるらしい。かなり世話になったと言ってた。若い頃にはいろいろと指導してもらったそうだ。あの素晴らしい古竜様の息子か、と感慨にふけっている。

 

 とりあえず、今日国王と謁見するから、森のことを話すつもりだと伝える。今はとても綺麗な森になったと言えば大喜びだった。木材も数万本あるが、必要か? と問えば、いらないそうだ。あはは、やっぱりな。

 木材は俺がもらうことにした。

 それ以外にも何か受け取れというのだが、今の所困っていることはないんだと言えば、欲がないなと呆れていた。なんでいろいろ持ってるのかと問えば、結構落ちてるというので、爆笑した。

 鉱石などはゴロゴロ転がっているらしい。

 ほんとか? と問えば、鉱山もあるけど、人間が取りに来ない。だから、何かの拍子にぼろっとと欠けたりするらしい。ほしい鉱石があれば、ここに来いと行ってくれた。盗賊たちからもいろいろ手に入れてるんだけど、使い方がわからないと呟いた。


『錬金すれば良いのだ。タケル、錬金魔法が使えるようになっておるぞ。他にも様々ある。確認してみればよい』

 

 そうなの?


 じゃあ、ステータス! 

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆(ドラゴンの住処訪問時)

 タケル・ヤマト

 種族:人間? 十六歳

 職業:魔法剣士[隠蔽]魔道錬成師

 レベル:500

 生命力:――(測定不能)

 攻撃力:――(測定不能)

 防御力:――(測定不能)

 魔力:無限

 従魔:ハク:パンサー??(特殊個体)

    ニジ:レインボウスライム(特殊個体)

    アレックス:古代竜(幼体・特殊個体)

    フィーリア:フォクシア(特殊個体)

 特殊装備:蒼竜刀:古代竜の作った刀

      蒼伴刀:神器蒼竜刀の双刀となった(蒼竜刀の配下)

 スキル:居合道術Lvel.MAX/剣術Lvel.MAX/算術Lvel.20/交渉術Lvel.20/気配察知Lvel.MAX

 エクストラスキル:言語理解/世界眼Lvel.MAX/治療・回復Lvel.MAX/結界Lvel.MAX/鑑定Lvel.MAX/上級五属性魔法Lvel.MAX/無属性魔法Lvel.MAX/時空間魔法Lvel.MAX/錬金魔法(NEW)/再生Lvel.60/料理Lvel.72

[隠蔽]ユニークスキル:ホームセンター・スーパーマーケット(近藤 透より譲渡)Lvel.60

 [隠蔽]特殊スキル:タケルの空間、ストレージ

          第二空間 馬場

          第十空間 牢獄

 [隠蔽]特殊スキル:竜魔法・古代竜魔法(NEW)

 [隠蔽]特殊スキル:魔眼(NEW)

 [隠蔽]特殊スキル:物質錬成:金属・鉱石・その他物質加工錬成・物理的錬成品作成ゴーレムなど

 [隠蔽]スキル作成

 [隠蔽]魔法作成

 ーーーーーーーーーー

 竜神の加護

 大天使の加護   

  ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


 なんじゃこれは!

 俺、人だよな。



********************

【あとがき】

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!

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― 新着の感想 ―
おりょ!? 尊が人以外になりつつあるニャァ…… 一体何になるんだか?笑 楽しみだわぁ(^∇^)ノ♪ 眷属ちゃんは増えるし……笑 だけどまだ色々と増えそうな予感がしてます (人*´∀`)。*゜…
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