第74話 盗賊の押収品を検証してみた
ブラッシングはニジが担当してくれてる。だから、ニジが装着しやすそうなもので大きいものが必要なのだが。
ここにはいろいろあるんですよ、異世界仕様が。
それにしても、これって、ホームセンターだよな。案内図があって、いろいろと部門がある。生き物だけは売ってないけど、兎のエサとか魚のエサなんかも売ってます。
それよりランクが上がって、店内が少しグレードアップした。そう、馬車とかも売ってる。あと、魔道馬車、魔道車? なんかもある。魔道車ってなんだろうとみてみれば、本当に車だよ。各メーカーの車があった。これ、すごすぎるんだけど。電気で動くみたいに魔力で動く。軽自動車からワンボックス、トラックやダンプなどもある。面白すぎるね。まあ、トラックやダンプは余り必要がないけど。だって、人がいないしな。
いつか、俺たちだけの村でもできたらいいな。でも、邪魔にしかならないか。いや、あったら楽しいな。海か湖でもあって、周りに草原がある。適度な魔物もいてもおっけ。家の周りにだけ結界を張ればいいんだし。釣りとかやってみたいなぁ。動画配信サービスでみたことがあった。面白そうだった。魚が釣れるまで待つ時間も楽しそうだ。
キャンプもいいけど、空間があるしな。寝泊まりはここでできるから、バーベキューとか野外料理とか。時々テント、は無理か。
まあ、夢は夢。今も同じようなものだしね。どうせなら、この空間を広くして、湖とか作れるといいかも。まあ、いつか、ということだけどね。そう、自分の村なら、みんな自由に過ごせる。それがいいよ。
何処かの国に属すれば、税とか領地とか。とても面倒だから、実質的には無理だな。じゃあ、空間をグレードアップすることを考えよう。
あ、忘れてた、馬たちのこと。
飼い葉を買おうか。待てよ、ホームセンターにないかな。馬車があるくらいだし、あるかも。
ええと、馬関係は……
あった!
飼い葉、野菜、果物、ミックス飼料だって。じゃあ、とりあえず、ミックス飼料ってどんなの? ひとつ出してみれば、入れ物がない。
当然、あったよ。馬用の桶。
中身を出してみれば、飼い葉をある程度の大きさにカットしたもの、野菜、果物などが入ってる。あと、ビタミン剤とかだって。これ、ヤバいよね。これになれたら、飼い葉とか食わなくなる。それはダメだね。じゃあ、とりあえず、普通の飼い葉にしておこうか。
じゃあ、向こうに行ってからにするかな。
皆がまだ出て来そうにないので、俺だけ行ってくるか。
セバスに盗賊から押収した馬がいるから、見に行ってくると外に出で二番の空間に入る。
馬たちは大喜びで駆けて来た。
ヨシヨシ、と顔を撫でてやる。
「パトリオット、今、いいか?」
『はい。何かありましたか? 訓練はやっていますが』
「あのな、お前、馬車持ってたよな」
『はい。馬車はありますが、馬も馬車も、現地で借りるんです。決まった場所に返せばいいので』
「ふうん。でな。今日、盗賊を討伐したんだが、その時に、商人から馬車を奪ってきたんだろう、少しいい幌馬車と馬が二頭、若くて元気な馬だが、使うか? 馬たちも優しくていい子たちだぞ」
『よ、よろしいのですか!』
「ああ、問題ない。それなら経費もかからないだろう?」
『そうですね。飼い葉とか水だけで大丈夫ですし。私たちも、馬車や馬までは用意してくれないのです。文官を連れて移動するのにはどうしても。人も乗れますか?』
「一応、馬車の前半分には両端に椅子はある。でも、疲れるかもな。後ろには荷物が積める。それほど大型、ってわけじゃないけど、馬が二頭繋いであるということは、そういうことだろうよ」
『それは。見せていただけますか?』
「ああ、いつでもいい。文官たちも連れて来いよ。それまでに荷物は下ろしておく」
ありがとうございます! と大喜びだな。
さて、とりあえず、飼い葉の桶と飼い葉を出して。それと、水桶だな。
うん、これでいいか。
飼い葉を半分ほど入れてやった。そして水は魔法で出す。
「ゆっくり食べろ~」
そういえば、嬉しそうに長い尾が揺れてる。ふふ、かわいいな。
じゃあ、馬車をみてみるか。
とりあえず、荷物を下ろしてっと。
上の方はなんだろうか。
これ絨毯か? どうやらそうらしい。まあ、これは確保。次はなんだ? 食器か。いろいろあるなぁ。デカいのはないか。食器だけじゃなくて、ナイフやフォークなんかも出て来た。
でも、これはいいな。所謂、茶碗になりそうなボウル、深鉢くらいのボウルなど、すごく細かいサイズがある。うちにとってはありがたいな。
次はなんだろうか。
米だ! 鑑定すれば、精米済で原産地はヤパニューラ国。これなら食えるかな。
中を見てみれば、前世でみた米に似てる。少しふっくら丸っこい米で、粒が大きい。うん、これはいいじゃないか! それも、荷台にいっぱい敷き詰めてる。じゃあ、これも確保だな。これはかなりの重さがあっただろう、この馬じゃないと引けなかっただろうな。
後はなにかな。
あれ? 全て引き出しになってる?
引っぱってもとれないということは、床と一体になってるって事か。
どうやって開けるのかな。
お、この窪みに指を入れて押せばずれた。そうか、床板の下に収納するのか。
面白いな。まるでキャンピングカーだよ。
さて、何が出てくるかな。
あはは、これはどういうことだ?
小さな箱がならべてあるので、開けてみれば。マジックアイテムだな。でも、アイテムボックスなんかじゃない。なんだろうこれ。
鑑定してみれば、どうやらダンジョンのドロップアイテムらしい。魔力アップとか回復が早くなるとか。魔法補助とかだな。指輪とブレスレット、そしてネックレスか。こういうの、簡単に売るんだな、みんな。まあ、それなりに強いやつらなんだろうけど。
売ったらいくらになるんだよ、これは。おそらくとんでもない金額だろうな。まあ、誰か使うか。ニジとかハク。フィーリアなら魔力アップがいいかもな。回復はフィーリアか。まあこれが数が一番多いから、いいけど。アレックスにはつかないか? 試してみた方がいいかな。魔法補助は皆に渡したい。形は違うけど、四個あるから。
他の箱にも同じ用なものがあった。別の箱には単純にドロップした宝石、貴金属だな。これは売りだろうよ。
それらを回収して、次の床板をめくる。
でたな、ドロップアイテム!
もう、いい加減にしろ。
箱に入っているのは魔剣、魔剣、魔剣。
あとは長い槍だけど、これもいろいろとある。とんでもないものがあるけど、ナナには持たせない。あいつはまだ完全に信用していないからだ。
脱皮したいと思ってるんだ、最初から。だからいついなくなっても仕方がないと思ってる。男よりも女の方が流されやすいと俺は思ってる。ギルドでも何度かみた、女の取り合い、男の取り合いを。奴隷でも、そういう感情はあるからな。訓練中の目は真っ直ぐだが、俺はまだその奥にあるものを見極められていない。……まあ、急ぐことはない。裏切るなら、その時に対処するだけだ。
他にもドロップアイテムばかりが出て来た。
俺が気になったのは、魔法使いの杖。これはいいものだ。だが、なんの杖かはわからない。俺が持つ古竜の杖とかの名前がない。だから持っておくつもりはないが、性能がとてもいい。雷魔法が主属性のもの。当然、他の属性にも使える。それに対応する宝石も入ってるし。呪いの類いもない。そんなことがあるのか? と少し疑問に思っているが、まあ、それは後の話だな。
それくらいか。
一応全てを回収して、もう一度床下の収納を確認した。すると、一番前の奥に箱が一個残ってる。
なんだろうか、と手に取れば、カタカタと音がする。鑑定して見れば、ゴーレムだと?
どんなゴーレムなんだろう。
開けてみても、小さな四角があるだけ。詳しく鑑定すれば、戦闘用のゴーレムらしい。この世界の戦闘用ゴーレムはどういうものか、聞いたことがある。まあ、とりあえず、壁だと思えばいいらしい。だが、これは違うようだ。ミスリルとオリハルコンの合金でできたもので、馬があり騎士がある。全て同じゴーレムで、主の命令には忠実。武器は、槍と長剣、大剣らしい。
あ、もしかして、さっきの魔剣と魔槍か。その馬と騎士が三個ずつ。ということは三人の騎士が馬に乗って戦うのか? いや、地上戦もできるらしい。馬も戦うと書いてあるけど、どういうこと? ああ、魔石を利用すれば火を吐くって。怖いわね、これっ!
でも、いいものを手に入れた気がする。
魔石は腐るほど持ってる。これは使えるぞ。相手が魔物でも兵隊でも突っ込んでいけるのはいいだろう。ん? 箱に書いてあるのは作者か? カルルーゴって書いてあるけど。
鑑定を見直してみると、カルルーゴっていう魔道錬成師は、ボンバージにいるらしい。あはは、やっぱり行かないとな。
これは当然確保する。絶対に売らないぞ。
でも、なんでダンジョンからカルルーゴの作品が出てくる? まあ、よくわからないけど、いいか。
他には、と探索して見れば、御者台の下に続く同じ用な作りの板がある。これ、旨いこと作ってるなあ。
そこをコツンと開けてみれば、普通の木箱だ。
何が入ってるのかと開いてみれば、出たよ、金。それも白金貨と大金貨だね。いや、違うぞ。一番下に敷き詰められてるのはドラゴン金貨だ。
この商人、悪いことやってたんじゃないだろうな。それもと、国のお偉いさんに送るのか? まあ、別にいいけど。この金を使って、ドマーニにゴーレムを作ってもらおう。セバスみたいに優秀なやつを。
『タケルさん、訓練は終わりました。文官も来ましたので、お邪魔してよろしいでしょうか?』
「ああ。来てくれ。どこにいる?」
どうやら、ナナも一緒に馬場にいるらしい。
それなら、と辺りを探索して結界を張り空間を開いた。
「お疲れ様です、ご主人様!」
「おう、お疲れ。パトリオット、悪いな。ここに入ってくれ。ナナもとりあえず入れ」
二人が恐る恐る入ってくる。
「ここは……別の空間ですか?」
「ああ、こいつらを見つけたときに作った。で、馬車はあれだ。あと、馬たちは、あそこで駆けてるぞ」
「す、すばらしいですね。タケルさんたちは馬は?」
「うちはいらんだろうよ。眷属だけで移動できるぞ」
「そうでした。では見せてもらっていいですか?」
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【あとがき】
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