第73話 新しい眷属ができたよ
とりあえず鑑定だな。
鑑定*****
未知の幻獣:特殊個体
七歳 ♀
スキル:身体変化 飛行(爆速)地上走行(爆速) 魔法属性:火・風・水・土・氷 無属性
特殊スキル:転移・隠密・気配探知・鑑定
固有スキル:???
ーーーーーーー
大天使の加護
*****
ふうん、大天使の加護がある。なにか関わりがあるのかな。
「あるじぃ~、このひちょ、けいやく、ちて~っちいちぇるよ~」
「契約? まあ、空を飛べるならいいけどな。それに魔法もいろいろ使えるし。お前、話せないのか、人の言葉は」
「話せます。以前から話すことはできていました。盗賊たちは知りませんでしたが」
まあ、とにかくでてこいよ、と鍵を開けてやれば、どう見ても出られる大きさじゃない。どうするか、と思っていれば、するすると小さくなったぞ! そういえばあったな、変化の能力が。
あはは、小さいと可愛いな。
あっちに行こうかと奥へと歩く。隣をピョンピョン進むニジを背に乗せた。小さいとはいえ、ニジが乗っても余裕の大きさだ。中型犬と小型犬の間くらいか?
奥へいけば、広くなってるから、そこで検証してみよう。
元の大きさになってもらうと、そこそこ大きいぞ。翼を広げれば、三メートルくらいか。座れば、俺と同じくらいの高さだから、一メートル六十くらい? 俺、多分、身長伸びてないし。自分で言って泣きたくなるな。
触ってみれば、足腰はしっかりしてるな。尻尾は三本で、もふもふだ~
ニジは大喜びだね。
「契約するのはいいけど、どうやってするんだ? ハクの時は確か、額を会わせて……だっけ? わすれた」
「額を合わせてください。特殊個体なので、問題なくできると思います。主を持ったことがないので、はっきりとはわかりませんが」
じゃあ、やってみるか。
額と額を合わせて、名前をと言われた。
「お前の名前はフィーリア。今日から新しい世界が始まるから名付けた」
そういえば、ふわりと光ったけど、これでできたのか?
鑑定してみれば、眷属になってたぞ?
「おい、俺の眷属になってるぞ?」
「それはありがたいです。うれしいです」
そういうことか。
「この子はニジだ。特殊個体で、レインボウスライムだな。まだ0歳だけど、話せるし、いろいろと魔法も使うぞ。他のメンバーは、戻ったら紹介する」
はい、と頷いたが、ニジは自分のだと言わんばかりだな。背中に乗ってるぞ。そのまま身体を小さくしたが、ニジは全く問題なく乗っかってる。
「フィーリア。腹減ってないか? お前何食うんだ?」
「何でも食べます。しばらく食べてないので、空腹です」
「そりゃ大変だ。ニジ、おやつ出してやれ。お前も食ってていいぞ。俺は回収作業だ」
「あ~い!」
大喜びで、地面にいろいろ出してるけど。地面はダメだろ。
低いテーブルを出してやれば、ニジは上にのっかった。保存容器を取りだし、どうしようかと考えてるが、蓋をひっくり返して何が欲しいかと聞いてるな。
フィーリアは一口食べると、三本の尻尾を扇風機みたいに回して喜んでる。「この世にこのような美味が存在するとは……主様、私は一生ついて参りますわ!」と興奮してるよ。ニジも「にじのおしゅしゅめ(お勧め)らよ~」とドヤ顔だ。……可愛いからいいけど、餌付けは完了したみたいだな。それならそれでいいか。まあ、放っておこう。
さて、とりあえず、探索だな。
ええと、あっちが金か。
ドアを開ければ、おっそろしい程の箱が積み上がってる。その前には、麻袋に入った金貨や白金貨がこぼれんばかりだ。また、金かよ。誰か盗賊討伐すればいいのにな、国でも。騎士団を来させればいいだろうよ。まあ、やらないだろうけどな。
とりあえず、一気に回収。
あとは? 隣のカーテンの奥には武器があった。なかなかいいものがあるな。まあ、俺には必要ないけど。とりあえず売るか。
さて、高ランクで新品だけ回収しよう。後は、新品の鉄の剣、魔鉄の剣もあったので回収。それと中古でミスリルとかもあるな。これ、打ち直しの材料になるか? なるならドワーフのオヤジに持っていってやろうか。
これだけでも百二十六本あった。
他には同じ基準で短剣やミドルソード、槍を回収。
そして防具は新品だけ。
隣りには鉱石が山盛りある。これ、売ればかなりの金額になるだろうな。当然回収だな。あとは、何がある? インゴットもあるな。これは確保。
それから、っと。
あとは貴族の平服の新しいものだけ。それと布があった。おそらくは木綿、あとは、タグがあるのがシルクだな。これは何かに使えそうだな。
他には何がある?
魔道具だな。大型はないけど、キッチンがいくつか。それとトイレが六個あった。これはとてもいいぞ。排水のマジックアイテムがついてるやつだな。
当然回収して、あとはアイテムボックス、ディメンションバッグなど、使えそうなものを回収。
他には?
本? どれどれ……
おお、魔導書か?
鑑定してみれば、ニジに買ってやったものと同じだぞ!
なんの魔法がある?
火、水、風、氷、土、空間など。空間? まあ、後でみてみようか。普通の魔法は二冊ずつある。空間魔法は一冊だけだった。
まあ、これは俺のだな。あとは、ニジに選ばせようか。
冒険譚とかもいろいろあるぞ。
これはとりあえず回収だな。
さて、他にはもうないか。
ん? あれ、なんだろう。
端っこの部屋の扉を開けば、魔石とかポーション、指輪、ネックレスなど。これ、ダンジョンから出たものじゃないか? 革などもちゃんとなめしてあるものだし。それにしても、魔石の数が半端ない。なんだ、これは。そこそこの大きさだけど、高ランク冒険者が売ったのかな。それを運んでた商人が襲われたということか。
なんとも言えない気分だな。
でも、これで終わりだ。じゃなかった。奥には木箱がある。細長い箱だが、もしかして……
やはりそうだ。
これもドロップアイテムだな。魔剣とかミスリルの剣とか。あはは、いろいろあるぞ。面倒だから全てを一気に回収した。
ダンジョンででたものも、こうなれば普通のものだ。俺の感覚はそうだな。
「じゃあ、そろそろ戻るぞ。そうだ、ハクたちはどこまで進んだ?」
ハクに連絡すれば、そこそこ進んだらしい。今夜もやるなら夜の間に終わるだろうということだ。回収もできているらしい。
「じゃあ、とりあえず、そっちに行こうか。俺が魔法を使うよ。それなら大丈夫だろ?」
『じゃあ、こっちから向かえに行くよ』
「いいか。場所わかるか、盗賊のアジトだ」
『問題ないよ、今から行くね~』
外にでるぞ、と進んでいけば、ハクが転移して来た。
「ありがとう、ハク。この子はフィーリア。俺の眷属になった。お前らと同じで特殊個体だ」
「ふうん。私はハク。スピリチュアルビースト・パンサー(特殊個体)だよ」
「フィーリアです。よろしく」
頷いたハクが、皆で背に乗れと言う。それなら、とニジは俺の鞄に入って、俺が椅子に乗りフィーリアはその前にちょこんと座った。
結界張ったぞ、と言えば、一瞬で転移した。
おお、木材は回収できてるな。
じゃあ、とハクが魔法を解除し、俺がやり直す。
<ウッドトルネード!>
シュン! と飛び出したトルネードが木を包み込んでクルクル回る。ふわりと浮き上がって、きちんと指定場所に下ろしてくれた。
おっけ。問題ないな。
じゃあ、反対側も。
<ウッドトルネード!>
おう、しっかりお仕事してくれてるな。
じゃあ、アレックスのところもやっておこう。
さて。
もろもろ、おっけ。
じゃあ、帰るよ~
空間に戻った俺たちは、とりあえず、風呂だ。
ここで問題がひとつ。
フィーリアは、一緒でいいのか?
でも、自分では洗えないから……
「フィーリア、風呂に入ったらとおもうけど。お前も一緒でいいか? ハクたちのためにデカい風呂を作ってるんだが」
「湯浴み、ですか? それは嬉しいです! 久しぶりですわ、湯浴みは」
「う、うん。じゃあ、みんなと一緒でいいんだね?」
「もちろんです!」
わかった、じゃ、風呂に行くぞ。
「セバス、この子はフィーリア。俺の眷族になった。食事も同じものでいいから。詳しいことは風呂から出てからね」
『ショウチシマシタ、ゴシュジンサマ』
さあ、風呂に……って、あれ?
もう誰もいないんだけど。
ああ、もう入ったんだね。まあ、いいけど。
風呂と言えば、ボディーソープを新しいの出しておかないと。経済的な詰め替え用です~
ひとしきり泳いだあと、俺はフィーリアをゴシゴシ。
隣では、ニジが魔法でゴシゴシしてる。
ハクもアレックスも小さめになり、ゴシゴシと魔法で洗ってるね。
これ、ブラシ組が増えたな。でも、毛が綺麗だからしっかりブラシしないと。こんがらがると、ヤバイでしょうよ。
でも、最初は黒い泡になった。まあ、これは皆一緒だ。野生で生きてた子たちだから仕方がない。
それでも三度目で泡は白くなった。よかったぁ~
これをつけて洗うんだと、見せてやれば、コクコク頷いてる。しっかり尻尾も洗うんだといえば、ハクをみて学んでるみたいだね。
手ぐしで梳きながらしっかり洗う。
とても柔らかい毛並みだな。
綺麗に流して、浄化した風呂に入れた。
とても嬉しそうに皆と泳いでる。ここなら普通の姿で過ごせるし、大丈夫だろう。
俺も洗おうっと。
皆を洗って少し疲れた俺はのんびりと浮かんでる。
でも、そろそろ出ないと俺はゆでだこになるぞ。
先に風呂から上がった俺は、ドライをしながら果実水を飲んでいる。いつもの事だが、セバスが用意してくれた。
ダイニングテーブルの席順は、少し変更することにした。なにせ、片方に五人座れるからね。
俺が一つズレて、正面の左から、ナナ、俺、ニジ、フィーリアの順だ。対面は変わらない。フィーリアは、どうやって食べるかな。椅子の上に座って食うか? それとも、このスタイルをやめるかな。
でも、ハクは立ったままの方がいいだろうし、フィーリアはどうするか。それは聞いた方がいいな。まあ、立ったままでも食えるだろうけど。
そうだ、フィーリア用のブラシを用意しておくか。
ホームセンターを除けば、ハクのより柔らかいブラシがあった。うん、これはこれで気持ちいいかもね。
********************
【あとがき】
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
面白いと思ったら、★評価やフォローで応援お願いします。 皆さんの評価とフォローが、タケルの魔力になります!




