第68話 セバス出動!
魔力を軽く通してみれば、半透明のプレートが出て来た。そこには、所有者という欄があって、そこには俺の名前があった。魔力で判断してるみたいだ。
ニジにふれさせると、家族1とでて、ニジって出たぞ。これはすごいな。
ロボットにも名前が付けられるようなので、セバスと決めた。
「セバス、手伝ってくれるか」
『ハイ、ゴシュジンサマ』
どれくらいの重さまで持てるのかと、八合炊きの炊飯器を持たせてみれば、普通に持ってテーブルへと運んでいった。サラダも、今日はそれぞれに分けて入れた。
ワゴンに乗せたサラダボウルを押して行くのだが、ここが俺の場所、ここがニジといえば、言われたボウルを置いて行く。その隣はナナといえばクビをかしげたが、素直に置いた。
反対側の端っこはハク、真ん中がアレックス、左は来客と教えて、大きなサラダボウルをハクの所において、中央にアレックスの分、そして来客のも置いた。
これで席順は覚えたと言ってた。すごいな、と感心する。ハクの水は、このマジックアイテムだと置く場所を指定する。すると、軽々持ち上げてそこに置いた。これ、すごいな。
ワゴンを持って来てといえば、静かに押してくる。そして、これが水、こっちが果実水だと。冷蔵庫に冷やしておく。無くなる前に申告をと頼めば、『ショウチシマシタ、アルジ』といって、頷いた。
これはかなり使えるな。
それに頭がいい。これはいい買い物をした。絶対に作者に会いたい。それが一番の早道だな。面白いものがあるかもしれないし。すごく楽しみだ。
「お先に済みません」
ナナが風呂から上がったようだ。
おう、と返事をして、温風を出してやる。
「ここに温風が出るから髪の毛を乾かせ。ドライだ」
え? と驚いているが、うちじゃいつもの事だぞ。
そういえば驚いている。
「早く乾かして、手伝え。お前は客じゃないぞ」
「はい!」
じゃあ、その間にそれぞれに白米用のボウルを用意する。俺とニジとナナ、パトリオットは同じ大きさ。残り二人は、大型のボウルだ。
そういえば、ワゴンに乗せて押して行くセバス。
その後、きちんとそれぞれの位置に置いていた。素晴らしいな。
パトリオットが風呂から上がってきたので、ナナの方を指さして、あそこで髪の毛を乾かせと言えばありがたいと歩き出した。
入れ替わりにナナが戻り、お手伝いします、と言ってる。
じゃあ、大きなボウルに肉煮込みを盛って、セバスの押すワゴンに乗せろと伝える。
俺は最後の仕上げにかかる。
味噌汁に豆腐を入れてコトコト沸かすだけだ。
味噌汁用のボウルを用意して、デカいのはハクとアレックスのだからと伝えておく。
やっと風呂から上がったハクたちだが、ほぼ渇いているといってもいいくらいだ。
だが、ドライの前で乾かし始めた。
今日のメインは唐揚げにした。大量に準備できるし、食べやすい。だからサラダが多めだ。
パンの籠を用意して、ロールパンを山盛りにする。二つ用意した。バゲットは、スライスして別の籠に用意した。
「セバス、この煮物は皆で食べる。大きなスプーンがそこの食器棚に入ってるから、それを持って行け。取り皿は、ハクがこれ、アレックスがこれだ。他は普通でいい」
『ショウチシマシタ、ゴシュジンサマ』
キュルキュルとワゴンを押して、テーブルの中央に肉煮込みを置く。そして、両側にパンを置いた。バゲットはハクのところ。
すごい、教えればなんでもこなすな。
パトリオットに白米かパンかと問えば、両方というので、白米を盛り付ける。これはナナの仕事になりそうだ。俺は白米、ニジも両方。ナナは白米。ハクとアレックスは両方らしい。
さて、味噌汁も置いて、メインの登場だな。
鶏の唐揚げをデカい大皿に盛ったもの、サーペントの唐揚げも大皿に盛り付けた。
足りない時には出そうか。
先に、とハクとアレックスをセバスに登録する。ナナはもう少し後だ。立ち位置がセバスと同じだからな、といえば、当然ですと頷いたナナ。
じゃあ、いただきます!
たべ始めた皆に、セバスを紹介する。
「こいつは侍従ゴーレムのセバスだ。今日、たまたま見つけて購入した。この準備を手伝ってくれたのはセバスだ。それぞれの席は今の場所。それを覚えてるセバスが配膳してくれるから。他にも少しずつ用事をしてもらおうと思ってる。こいつは一度教えたことは全部覚えてるからな。朝の弁当作りも楽になりそうだ」
「なるほど。セバス、よろしく頼むね」
「俺も迷惑かけると思うけど、頼む」
「にじも~」
「私も共に働きます」
『コチラコソ、ヨロシクオネガイシマス。アルジニヒロッテモライマシタ。シゴト、ガンバリマス』
おー! と皆から拍手が上がる。
それからは、ワイワイと楽しく食事をした。驚いたことに、屋外用の低いテーブルに置いた味噌汁は、セバスが器用にお代わりを入れてくれた。ただし、炊飯ジャーはナナの担当にした。電化製品が理解できないからな。
「タケルさん、この唐揚げというもの、すごく美味しいですね。店に出したら売れますよ」
「そうか。でも、店と同じくらい仕込んでるから、嫌だな。販売するとなると面倒だし。俺と行動するときには珍しいものが食えるぞ。でも、良かったか? 文官たちは?」
「たまには私がいない方が楽でしょう。ひと時の休憩ですよ」
「なるほどな。そんなときに悪いが、俺たちが討伐終了まで、ナナを鍛えてくれ。斥候としてだけじゃなく、普通に魔物狩りもある。それなら、長さの伸び縮みする杖があればいいな。今度作ってもらうか。魔道具というわけじゃないし、今日行ったドワーフでも作れるだろうよ。無理なら、ボンバージで相談してみるか」
「魔道具となるとかなりの金額になりますよ。それなら、手動でいいんじゃないですか? 素材はいろいろあると思いますけど」
「そうだな。じゃあ、聞いてみるか。ナナ、杖のサイズをメモしとけ。メモ用紙はあそこ。それで俺が相談してみるから」
「わかりました」
そんなこんなで、パトリックは宿に戻るという。どこだと問えば、ギルドの側にあるギルド指定の宿らしい。じゃあ、大丈夫だな。
どうやら、厩舎から通り抜けられるらしいので、馬場に空間を開くことにした。
パトリオットを送り出し、俺はデカいプールみたいな風呂を片付ける。残り湯を抜き、綺麗に浄化する。洗面器も椅子も浄化した。次にナナが入った風呂を同じように浄化した。
デザートタイムに突入したんだが、今日からは数を指定した。特にハクとアレックスはバツだ。
思わぬことに項垂れていたが、わりとすんなり受け入れた。追い出されるよりいいらしい。
温めなおした味噌汁をストレージに入れて、唐揚げはラップをして保温魔道具に入れた。これもセバスには説明済だ。
ラップがあることにナナがクビを捻っていたが、聞くことはなかった。
ケーキを食べた俺とニジは風呂に入るから、とテントに入る。そうだ、と振り返って、俺たちのテントの近くにベッドを置いた。
セバスにきけば、意識はあるが、身体を横たえることはすると言ったので、お前のベッドだと言えば、丁寧に頭を下げた。ここは雨も降らないし、温度も湿度も一定だから問題ないだろう。
ニジと一緒に俺の部屋にある風呂に入る。
服を脱いでいる間にお湯を入れてくれてた。魔道具が繋がってるからな。
ニジは先にぷかぷか浮かんでるよ。
俺は身体に湯をかけて、ゆっくりと中に入った。
はぁ~っと身体を緩めてリラックスする。
「あるじぃ~、あしちゃ、なにしゅるの?」
「とりあえず、ドワーフの店にいって、ナナの杖を作れるか、相談する。あとは、弁当の為の料理作りだな」
「じゃあ、ニジ、じょーきゅーのほん、よんで、いい?」
「ああ、いいぞ。セバスがいるから、お菓子とか頼めばいいぞ。そうだ、アイテムボックス持たせるかな、セバスにブレスレットを腕輪みたいにすれば大丈夫だろ」
「しょしちゃら、いちゅも、ちぇーち、あるの~?」
「そうだな。それか、ニジが持つか? いつもの大切なものをいれる所に入れておくか? それならいろいろ入るぞ。本もおもちゃも持って移動できる。魔物も入るけど、俺かアレックスが一緒なら魔物はどっちかに入るし、ダンジョンなら俺のストレージに入る。だから、時間の止まるやつ持つか? それなら、皿とかフォークを用意してもらえばいいだろう?」
「うん、しょしゅぅ~おもちゃ、はいるの、うれち~」
「そうか。じゃあ、後で出してやるから」
う~ん、と嬉しそうに笑ってる。それなら、水晶は一つおいておくか。あいつなら繋がるかな。セバスはかなりいろんな事ができそうだし。これはいい。
『オハヨウゴザイマス、ゴシュジンサマ』
「ん? ああ、セバス。おはよう。起こしに来てくれたのか?」
『ハイ。イマ、ハチコク。クンレンノジカンデス』
「おお、ありがとう。起きるよ」
んーっと身体を伸ばして起き上がる。隣りにある、小さなテントからニジが顔を出した。
「あるじぃ~、あちゃごは、ちゅくる~?」
「ああ、作る。起きるか?」
「あ~い!」
小さなマジックアイテムはニジの部屋になった。本がいろいろ置いてある。アレックスには少し狭かったのだ。それに、座布団が気に入ってるらしい。
だからニジが独り占め。家具はないから、今度本をならべるように作ってやろうか。あとはフリースペースだな。今もおもちゃとぬいぐるみが転がってる。
着替えを済ませた俺は、ニジを肩に乗せてテントを出た。
おはようと声をかければ、おはようございますとナナが頭を下げる。
朝飯作るぞ、と言えば、お手伝いしますとナナがやってきた。セバスは後ろで控えている。
セバスには、大皿をハク以外に。ハクには大きなボウルだから、と調理台の上に用意してもらう。
魔力は? と問えば、まだ大丈夫らしい。じゃあ、夜になと言っておく。
さて。
今朝は何を作ろうか。
なにがいい? とニジに問えば、だし巻きらしい。これは大変だぞ。
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【あとがき】
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