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第42話 最下層で古代竜に頼まれました!

 午前中に八階層まで進み、ボス部屋前の安全エリアで、今朝作ったホットサンドを食べてる。

 ハクも敷物の上に横になり、ボウルからバクバク食べてるね。ニジは低い野営用のテーブルに乗っかって食べてるよ、ミルクをお伴に。

 当然、俺も食べてます。ミルクと果実水をお伴に食ってます。うん、かなり旨い。チーズがとろけるようだ。


「主、ホットサンドは旨いね。中身が気に入った。野菜と肉、それにチーズが旨すぎる」

「そう、ありがとう。ニジはどう?」

「ピッピピィ~ピッピプゥ~」


 あはは、違う言葉がでたね。少し大きくなったからかな。


「以前のホットサンドよりボリュームがあるから、腹持ちが良さそうだよ。これなら食事の代わりとしても最適だよ。悪いけど、果実水がほしい~」


 うん、と別のボウルに果実水の瓶を十本分入れておいてあげれば、バクバク飲む。おもしろいんだけど、本当にバクバクと聞こえる。それくらい果実水が減っていった。

 当然、追加で出すんだけど、ホットサンドも追加だって。ニジも同じだね。ホットサンドと果実水も追加になった。



 そんな風にお腹いっぱい食べて、ゆっくり休んで階層を降りてゆく。

 そのうち、剣では対応しきれなくなり、三人とも魔法一択になった。まあ、想定通りだけど。


 やはりダンジョンは刺激がない。 

 ドロップアイテムはいろいろ出てるけど、そのために潜る人にはいい場所だ。つまり、金目当て。

 だけど、俺はそうじゃない。

 まあ、確かにイイモノはある。あるんだけど、俺の興味をひかない。高級ポーションとかエリクサーはいざと言うとき役に立つけど、それ以外はいくつ持っていても仕方がない。ただ、冒険者用の服。今着ているのは、間違いで召喚した詫びという形でもらったひとつ。マジックアイテムだ。こういうのはあった方がいい。

 あとは、寒くなったり危険防止の為にハクの背中に乗せる布、というか防具かな。それはほしい。ニジのものは少々難しいけど、大きさが変わるしね。

 だけど、何か身につけるもの、例えば従魔の首輪みたいに腹に保存しておけるもので、自分の意思で結界を張れるものなんかがほしいかな。最悪の場合を想定してってこと。家族を守る道具だよ。


 そんなのがあればいいなぁ~と考えながら進む俺たち。

 三十階層からは、俺の魔法だけになった。

 そうでないと対応できなくなってきたから。打ち漏らしがいたときは、二人が同時に同じ攻撃をしている。二人分の攻撃が一気にあたると問題ない。無理な場合は、同じ場所に攻撃を加えるとそれで終わる。そんな風に二人は学んでくれていた。

 

 そんな家族に安堵しながら俺は魔法をぶちかます。

 魔力は大丈夫なんだろうか、と気にはなるが全く疲れない。まあ、疲れるまでやってみようか。


 ダンジョンに潜って二日たって、時計を見れば、そろそろ夕方だ。

 じゃあ、次の安全エリアから空間に入ろうか。

 今日は三十九階層でおしまい。明日からは四十階層になる。今日もゆっくり休んでおこう。



 朝を迎えて、大盛り上がりの朝食後、残りの階層をチェックする。


<探索>


 ふむ。残り二十一階層か。ということは、ここは六十一階層が最下層ということだね。じゃあ、とりあえず、ウイルに連絡しておこう。この中なら繋がると思うから。


「ウイル、今、いいかな」

『あああ! タケルさん。よくご無事で!』

「うん、無傷だよ。今日から四十階層に入る。一応、俺の探索ではこのダンジョンは六十一階層が最下層みたい。まあ、実際に行ってみないとなんとも言えないけどね」

『ええ!? もう四十階層なのですか? 全体で六十一階層……では、本日戻られますか?』

「予定ではそうだよ。六十二階層がなければね」

 

 ケタケタと笑ってしまった。


『そこで笑えるところがタケルさんですね。では、午後になりますね?』

「うん。最下層は昼食を取ってから挑戦しようと思ってるよ。おそらく一番強いやつがいるだろうし。それが終われば戻るから」

『お待ちしております。転移陣で戻られますよね?』

「うん。転移陣で戻るよ。じゃあ、心配しないで待っててね~」


 お気をつけて、と声をもらって、空間から出る。

 ふむ。やっぱりここにもいないよね。

 

 階段を降りた部分、安全エリアで魔物がいたことがない。まあ、強力だから数も少ないんだろうね。さて、行くかな。

 ここは熱いのかな、寒いのかな?


 一応気配察知をしてみるけど、毒とか熱とか冷気とか。別に感じない。

 それなら大丈夫だろうとエリアからでた。

 うん、大丈夫だね。


 少し前の階層で、やたら熱い、やたら冷たい、毒が蔓延しているなど、異質な階層があった。まあ、毒に関しては魔物のせいだったんだけど。ああいうのは嫌だな。普通の冒険者じゃあ進めないと思うけど。


 ハクはいつものように空に上がった。そして気配を探しながら進んで行く。

 いつもの通りの戦いが始まって、俺たち家族は嬉しそうに笑いながら魔物たちを殲滅していった。



 六十一階層にやってきた。ここが最後のボス部屋らしい。

 

 さて、ここでメシだ。

 お昼は何を食べる? と問えば、シチューがいいらしい。ホワイトシチューとビーフシチューを出して、それぞれ別のボウルに注ぎ入れ、籠一杯のパンをそれぞれに置く。当然、サラダも用意した。ニジのリクエストで、葉野菜とトマト、ポテトサラダだ。

 俺も今日はパン。

 

 当然、うまうまだね。

 もっと、いろいろ作って食べさせたいよ。落ち着いたら勉強しよう、新しいメニューを開発だ!



 食事を終えて、デザートは地上でという話になって、俺たちは立ち上がる。

 そして、安全エリアから出て、ボス部屋の前に立ち、大きな石の扉を押した。


 バババッと一気に灯りが灯されて、大きな扉が閉まった。

 目の前に現れたのは、ドラゴンだ。

 うーん、これもお決まりだね。

 

 でも、このドラゴンは少し違う。

 かなりの経験値がある気がするんだけど。どうなんだろうね。

 普通のドラゴンじゃなくて……


『其方、異世界より参りしものか』


 しゃべった!


「そうだ。来たと言うより勇者召喚に巻き込まれただけだ。それがなに?」

『なるほど。そういうことか。だが、其方の方がこの世界の勇者より強い。それも、数であわらせぬほどの差がある。なぜか』

「そんなに差があるのかな。んー、全く身に覚えがない。ただ、俺は勇者じゃなくて良かったと思ってる。巻き込まれてやってきたとステータスには書かれてた。でも、俺はこの世界に来て安堵してる。前の世界での自分は押しつぶされそうだったから。だから、こっちの世界で静かに生きていきたいと思った。家族もできたしね」

『ふむ。なるほどの。其方がともにおる、二人も其方と同じで規格外。この世界にとっては最適の存在であろう。我は古代竜である』


 古代竜って、エンシェントドラゴン?


『その通り。このダンジョンに住まうようになって、早、数百年。だが、我も千年を超えておる故、そろそろ引退をと思うておるのだ。それに協力を頼みたいのだが、どうだ?』


 はあ? 

 俺が協力するの?


 古代竜によれば、引退というのは、ドラゴンの神となることらしい。つまり神の世界に行くのだと言う。それで俺に頼みたいこと。それはいくつかあった。

 

 まず、地上にいる息子を従えてほしい。従えるって? 眷族としてほしいというのだ。眷族って、やり方知らないし。


 どうやら、ハクとニジは従魔契約といっても真名での契約なので、既に眷族になっているらしい。

 衝撃の事実に驚いたけど、それは嬉しい事だ。

 

 で、息子というのは?


 俺たちが助けたリザードマンらしいけど、リザードマンが息子??

 卵の間に、リザードマンの雌に盗まれたらしい。というのも、子ができない身体だったため、盗んで温めた。それを知った古竜は、怒りもあったけど、気持ちもわからなくもなかったらしい。だから親としてリザードマンに見えるように装った。


『我が子は盗まれ、異種の温もりで育った。だが、その姿を遠くから見守るうちに、我が心には怒りよりも愛おしさが勝ったのだ……』


 でも、そろそろドラゴンとしての覚醒が起きる時期らしい。そうなると、地上では生きてゆけない。今でも身体の大きさから、リザードマンだとは言いがたくなっている。大きな姿形は仕方がないが、古代竜になると討伐対象になってしまう。だから、必要な時には古代竜として顕現できるようにするという。

 

 見掛は身体の大きなリザードマンの特殊個体で『リザード・レックス』だけど、実際は古代竜になるんだって。

 

「ということは。戦う時となんかは、古代竜の姿で戦うこともできるってこと?」

『その通りである。だが、我の姿で戦うとなると、国一つ、簡単になくなるほどの力となる。基本的には古代竜である我は住処を持たぬ。以前は持っておったが、討伐対象であると、様々な種族がやってくるのだ。あるものはたどり着く前に死に、あるものはやってきても、腕のひとふり、脚のひと踏み、ブレスの欠片ほどでも死にゆく。故に、我はこのダンジョンに住処を持った』


 こえぇ~!

 でも、基本的に優しいんだな、古代竜って。


「なるほどね。でもさ、俺は人だから寿命がそれほど長くない。だから、この二人にも何かを残してやらないと、と思ってる。だから……」

『心配ないこと。既にここに参った時点で其方には寿命という概念はない。魔法の力、魔力も当然無限である。古代竜は中々にしておらぬのだ。故に、守って行かねばならぬ。ならば、本来かくしておった息子の力を解放すればと考えたのである。それも、其方が息子を助けたとき、感じた魔力によって決めた。息子は既に感じ取っておるのだ。戻り次第、其方に相談するであろう。なんとか受け入れてやってほしい。我は神界から見ることになるが』


 おおっと、どうするよ。これ。


「主。あのドラゴというやつでしょ? だったら、私たちは賛成だよ。古代竜殿の望み、かなえてあげればいいんじゃない。私とニジは歓迎するよ。それに主が死なないなら、私たちはずっと一緒に美味しいものが食べられるね。ドラゴも入れば、もっと賑やかになるよ」


 なるほどね。顔を見合わせて嬉しそうな二人を見て納得はできたが……でも、また食費が増えるぞ、これ。まあ、寝床はテントでできるとしても、あいつには小さいか。まあ、大きくできるならそれでいいし。普段はリザード・レックスでいてもらうか、ドラゴンの姿なら子供の姿じゃないと無理だな。


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