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第41話 ダンジョンって、もしかしてつまらないのかな

 転移陣にのって、そのまま最上階へと戻る。

 数人が出入りする中をのんびりと俺たちは出て行った。

 さて、探索者協会の馬場に戻ろうか。


 俺とニジは飛翔魔法でハクの背に乗る。

 そのままダンジョンの門を出て、空に上がった。


 探索者協会の馬場に降り立ち、空間に入る。

 なんだか気分的に疲れた、というか楽しいと思えない。景色も何もかも、決まった空間の中にあるんだから、それはそうだろうね。

 また、街道をハクと一緒に駆けたい。ニジと一緒に風を感じたい。

 そして、普通に魔物討伐したい。

 そんな風に考えている。

 

 どうやら、二人もそうらしい。

 まだ、夕食まで時間があるので、浄化してから三人とも寝床に転がった。



 

 目を覚ましたのは夕食の時間だ。

 これは大変だ、と二人を起こした。お腹すいてないのかと問えば、ペコペコらしい。じゃあ、何か食べようとテントを出た。


 さて、今日は何を作ろうか。

 とりあえず、肉だね。

 その肉は何を使うかな。唐揚げを食べたから、オークかマナバイソンになるけど。

 オークステーキがいいと言うので、それにしましょうか。

 トンカツ用で分厚くカットしすぎたやつがあるので、それを使いましょう。

 オークをドドンと取り出して、塩とコショーを振っていく。当然、筋切りのカットを入れています。本当は、確かジャガードっていうプロが使う針を刺すような肉たたきみないなのがある。それを上から押せば、下から針が出てくるんだ。それで筋を切ってゆくんだよ。あ、そうだ。ホームセンターで探しておこうか。


 フライパンを二つおいて、少しだけ油を入れる。

 その上にスパイスをかけた肉をおいて焼きます。半分はスパイスを「ほりにし」にしてみた。アウトドア用のスパイスで、何にかけても旨い。


 強火で焼いて軽く焦げ目がついたら、蓋をして酒を少し垂らして蒸し焼きだね。

 何枚も何枚も焼きました。結構疲れたよ、俺。

 

 ざくざく切ったトンテキはハクとニジに山盛り進呈したよ。俺は一枚と半分で白米を中ボウル三杯食べた。もう動けない……


 まだ食べてる二人にサラダも食べてと告げてからお風呂に行くことにした。

 デザートは出してあるから、適当に食べるでしょう。ニジが取り分けてくれるから大丈夫なんだ。本当に助かるよ。


 風呂に入ってのんびり身体の力を抜く。

 さて、一日休むかな。

 とりあえず、さっき確認したら食材は全てあった。どうやらスーパーのものも時間が止まるようで、問題ない。それになくなったら次の日には補充されてるんだからありがたい話だよ。


 この分じゃ、ランクSもつまらない予感がする。この世界で初めて出た魔物とかはいないのかな。まあ、ダンジョンのシステムは未知の魔物を作る事じゃなくて、既にこの世にいる魔物が出てくるだけ。まあ、精霊っぽいのもいるらしいけど。

 数はどうなんだろうか。たくさんいたら面倒だけど、そこそこなら剣を使って進みたいな。ハクも多少は暴れられるだろうし、ニジはできるだけやって、ニジがやりたい時に頑張ってもらいたい。その間は、バッグの中で眠ってもらってもいいからね。

 だって、赤ちゃんだし。寝る子は育つっていうんだから、美味しいもの食べて寝ることが本来の仕事だろうよ。まあ、気を抜くと食われる世界だから、全ての魔物たちに安眠はないのかもしれないね。

 テイムされてた方が、食事にも困らないし寝る事もできる。でも、いざと言うときには、否応なしに戦うことになっちゃうのが悲しい。基本的にテイマーたちは自ら訓練をしない。戦うことは従魔に丸投げだから。それもどうなんだと思うけどね。

 まあ、人それぞれだよ。仕方がないね。




 ゆっくりと目を開ける。

 もう朝だね。

 結局、俺が寝ちゃったから、今日の話はしていない。どうするかな。

 

 とりあえず、ホットサンドが減っているから追加しておこう。

 ゆで卵もあるし、大丈夫だ。


 ホットサンドの中身を作る。

 ベースは葉野菜とキャベツの千切りだね。その上にローストビーフを何枚も置く。あとは、トマトを薄くスライスして、ソースの上から並べてチーズスライスを並べた。

 もう一種類は、あぶったベーコンと卵ソース。ソースなんて言ってるけど、刻んだ卵をマヨネーズで和えて、ブラックペッパーを少々。当然、野菜は入れるが、スライスオニオンを入れてみた。


 その後は、ドンドン挟んでタイマーにお願いする。今はホットサンドメーカーは三台になってます。ホームセンターにあったので増設しました!

 逆に、バターを塗るのが大変で、試しにパンをならべてスキル先生にお願いしたらできました~もう、先生ですよ、俺の。



 二人を起こして浄化してやる。

 それから今日の相談だ。


「ランクSはいつから潜る?」

「私はいつでもいいよ。かなり熟睡できたし。ニジはどう?」

「ピッピピィ~!」

「もうすっかり元気になったって。主はどうなの?」

「俺は、多少疲れてるかな。というか、途中で食べる食事を作っておいた方がダンジョンの中で楽だと思う。まあ、安全エリアからここに戻るなら問題ないけど。どうする?」

「なるほど、いつも食わせてもらうばかりで、気づいてなかった。ごめんなさい。でも、安全エリアからここに戻るのでいいんじゃない? それなら以前聞いたベントウというものがあるんでしょ?」

「うん、それでよければ、だけど」

「私はいいよ。主の作るメシよりは格段に落ちるだろうけど、主がいいなら、その時作ってくれてもいいと思うんだ。パンも旨いものがたくさんあるから、それでいいよ」

「ピィイピィイ!」

「あはは、ニジもいいのか。それなら行くかな。中の様子を見てからにはなるけど、そろそろ剣で戦いたい。もしくは、魔法で一気に最下層までいって、この街を出て旅に戻る。ストレスっていって、ダンジョンの空間ばかりにいると、余計に身体が疲れてくるし、気分も落ち込みそうになる。だから、元の旅に戻りたい。もうダンジョンはいいや」

「なるほどね。主は人種だから繊細なんだと思う。しばらく普通の旅をして、素材や財がほしければダンジョンに潜ればいいよ。そんなときに珍しいものが手に入ることもあるよ」


 なるほど、そういうことか。 

 そうだな、俺も日本刀がドロップされたらと思ってたけど未だにない。期待していた分、気持ちも落ちているのかな。


「わかった。俺は日本刀という、この刀と同じような武器を探してた。でも、未だに出てこない。それで少し気分が落ちていたのかもしれないな。じゃあ、とりあえず、ランクSに行こうか」


 行こう!


 二人の気持ちがありがたかった。

 だから俺も元気になれた気がする。じゃあ行くぞ!



 ここはランクSダンジョン。

 広場があるんだけど、そこで足止めを食らっているところ。


「君はまだ子供だ。従魔がいるとはいえ、一人で入るなんて無茶だ。Sランク冒険者がパーティー組んで入っても進めないんだぞ。だから……」

「でも、規定はありませんよね? もし、何かあるのなら仕方がありませんが。探索者協会のマスター、ウイルに連絡してください。俺はとにかく中に入らせてもらいます」


 ちょっと待て、と肩に手をかけられた。

 思わず振り払ってしまったが、フェンスの端まで吹き飛ばされた騎士は、地面に槍を突いてなんとか耐えた。


「すみません、つい。では、行きます」


 他の騎士たちは、ポカンと口を開いたまま動かない。後で聞いて知ったんだけど、隊長さんだったらしい、ごめんなさい。




 さて。

 中に入ったんだけど、この辺りには魔物はいないね。

 ハクの背に乗って、ニジと一緒にキョロキョロと周りを見ている。久しぶりに駆けてるよ、ハク。楽しそうだなぁ。飛び跳ねながら駆けてる。そんなハクを見て、俺も楽しくなる。ニジもかなり楽しそうだ。結界があるから出られないけど、身体を震わせてルンルンしてる。

 

 このままここは何もないのかなぁ、と思っていれば、出て来たよ、Aランクの魔物。

 えーと、これはなんだっけ? うーん、知らない魔物だね。まあ、何でもいいけど。一応、見てみるか。


 *****鑑定

 暴走獅子ワグルナル 危険度A 暴れることは生きることというほどの暴君。下位の魔物を従えることができる

 *****


 なるほどね。それで、雑魚が周りにたくさんいるのか。まあ、雑魚はBランククラスだろうど。


 ニジが雑魚を魔法で射貫いている。ハクも同じ用に弾丸を放っている。じゃあ、俺はどうしようかな。

 剣に魔法を纏って切り裂くことができるかな。

 やってみるか。


 すらりと刀を抜いて、魔力を込める。


<氷刃>


 シュバッと大きな氷の刃が飛び出した。 

 デカいね、これ。

 

 氷の三日月は、ワグルナルに向かって一直線に飛んで行くと、大きな口を開けたやつの側まで行って、攻撃を繰り出したその太い腕をかわして、縦に九十度回転し真っ二つに切り裂いた。頭から尻尾の先まで綺麗に半分になってしまった。


 あ?

 自分の意思で回った? というか、俺の意思を受け取ったってことかな。俺はこの魔物をやっつけたいと思った。選んだのは氷の刃。それを、この刀が最適な方法で実現してくれたということだね。

 これはすごいことだよ。

 こいつ、俺の所有になってるけど、ここまで忠実に俺に寄り添ってくれているんだ。すごいもの貰ったかも。例え、他の武器が手に入っても、手放すことはないだろう。もし、このダンジョンで刀が手に入ったとして、所有者登録するようなものなら、俺の【一閃】に耐えてくれるものなら、どちらも使う。

 そうなれば、俺は二つの刀を使う双刀の剣士になろう! まあ、見つかれば、の話だけど。

 その時はお願いね。


 キラリと刀が光った気がした。気のせいだろうか……手に伝わってくる振動が、まるで『任せておけ』と答えているようだ。俺はこの世界に一人で飛ばされたと思っていたけど、足下にはハクとニジ、腰にはこの刀。……もう独りじゃないんだな。


 俺たちは臨機応変に魔物と相対しながら進んでいる。とんでもないやつが出てくるし、ボス部屋は全てSランク以上と思われる知らない魔物。ハクも知らないやつらだと言うから、それなりなんだろう。



********************

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