表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

38/103

第38話 追加でパーティを助けた俺たちは、この先の事を相談した

「これ、食っていいのか?」

「うん。俺が作ったんだけど、家族には好評だよ。とりあえず、水を飲んだら食べて。それとミルクは大丈夫?」

「ああ、大好きだ」

「じゃあ、これ、飲んで。身体をできるだけ戻さないとね」


 ありがとう、と言い水を飲み干して、サンドイッチを食べ始めた。

 ひと口噛んで、大きく目を開く。そのままムシャムシャと食べ出した。

 

 よかった、と安堵して、ミルクを注げば、カップを持ってゴクゴク飲む。

 

「主。私たちもデザートを食いたい」

「ピピッ!」

「ああ、わかった。じゃあ、ニジはこっちでね。何がいい? 甘いもの?」

「疲れたときには甘いもの、なんでしょ?」


 そうだね、と饅頭を取り出して並べる。

 いただきます、と言った二人は、饅頭を食べ始めた。ハクはすぐに食べてしまいそうなので、空になったらエクレアかな。

 俺はぼた餅を出しておく。

 

 ハクに水とミルクを。ニジにはミルクを注いで、俺もミルクを入れた。

  

 冒険者を見れば、そろそろ終わりそうだけど、どうするかな。ホットドッグでもいいかな。


「どうする、まだ食べられそう?」

「うむ。悪いがあるか?」

「うん。じゃあ、今度はこれね」


 焼きそばパンとコロッケのホットドックを出した。焼きそばパンは自分の為に作ったんだけど、食べてくれるならいいか。


「これは? 初めて食うものだ。旨いな」

 

 よかった、とハクの器にエクレアをポンポン入れてゆく。ニジの皿にも置いてやった。

 

 さて、やっとぼた餅が食える~

 久しぶりのぼた餅を堪能する。これ、買ってから忘れてた。でも、時間停止型でよかったよ。そうでないと腐ってただろうからね。



 デカいぼた餅を二個食べた俺は、ウイルに連絡を取ることにした。

 

「ウイル、聞こえる?」

『はい、聞こえます! タケルさん、どうでしたか?』

「十四階層で見つけた。でも、助かったのは一人だけだったよ。かなりやられてたから、高度の治療と回復をしたら何とか立ち上がれた。でも、出血が酷くてね。それで今、食事をしてるんだ。次の転移陣はどこかな」

『よかった。確か、十五階層にあると思います。そこから戻られますか?』

「うん、一度戻った方がいいと思う。二人は助けられなかった。もう、ギリギリでダンジョンに取り込まれるところだったし。とりあえず、ギルドカードだけは持って来た。他にも数人いたみたいだけど、姿も形もなかったよ」

『それでも、一人でも助かればよかったです。それにしても、あの時間から、もう十四階層ですか?』

「うん。人だけ探索して、いた人には名前を聞いてから結界を張って魔法で殲滅してきた。数組はいたけど、砂漠にいた人たちは、一人亡くなったって。洞窟に隠れてたけど、どうかな。でっかいサソリは一応殲滅したけど。救助しないとあれじゃ戻れないと思うけど」

『なるほど。それはお願いできませんか?』

「ちょっと待ってよ。俺は救助専門じゃない。まあ、魔物をすっ飛ばしたのは問題ないけど。もともとそのつもりだったし。でも、一度戻らないとでしょ。時間の無駄だなぁ」

『あのですね。タケルさん、今空間ですか?』

「そうだよ」

『おそらくですが、空間の出入り口はどこにでも開くことができると思います。ですので、その人たちを……』

「うーん、ちょっとまって。確認する」


 ストレージの『タケルの空間』をタップしてみる。

 あ、出て来た。

 

 *どこでも出入り自由。出る場所は、きちんとしたイメージがあれば、そこに出られる。無属性魔法・時空魔法の効果*


 ほんとだ。これなら大丈夫かもしれないな。


「ウイル、どうやらできるらしい。戻る時に行ってみる。一応、水や氷などは渡して来たけど、脱水症状があるかもしれないから、治療の準備をしておいてくれ」

『ああ、ありがとうございます。やはりお願いしてよかった。今から治療師を連れて広場まで参りますので』


 うん、と通信を終えた。


「主、あの砂漠の者たち?」

「そう。助けて戻ってほしいって。ほんと、無理ばかり言いやがる、ウイルのやつ。だが、放ってはおけないな」


 命にかかわることだ。冒険者たちが嫌いなわけではない、一部を除いて。ただ、冒険者ギルドは好きになれない、システム的に。


「悪いが少し寄り道する。お前、ええと、名前聞いてなかったな。リザードマンだろ?」

「ああ、名乗ってなかった。俺はドラゴだ。リザードマンのくせにドラゴンみたいだとつけられたらしい。ガキの頃からデカかったし」

「わかった、ドラゴ、俺はタケル、こいつはハク。スライムのニジだ。寄り道するが、お前はあっちの小さい方のテントで横になれ。休んだ方がいい」


 ありがとう、とドラゴは、少しふらつきながらテントに入って行った。

 

 

 気持ちを切り替えた俺は、砂漠のフィールドを思い浮かべる。そして、あの洞窟。その中にいたやつらをイメージして、少し奥に空間を繋げたいと思った。


 オープン!


 ゆっくりと開いてゆく引き戸を見ていれば、確かにあの洞窟だ。

 外を覗いてみれば、どうやら戦っているらしい。じゃあ、と外にでて結界を張った。


「大丈夫か!」

「あ、あの時の。少し待ってくれ、こいつらが……」

「下がれ、俺が対応する!」


 転がるようにこちらに来たのは、さっきいたやつらだ。

 サソリに対して、氷の弾丸を放つことにした。でも、その時に爆発するようにイメージすればどうだろうと、やってみることにする。


<爆裂氷弾!>


 バシュバシュと突き刺さった矢は、かなり深くめり込んだ。

 その瞬間、魔力多めで結界を張る。


 ドン! と聞こえて、結界にサソリの肉が飛び散った。


「大丈夫か。怪我してるな、とりあえず、中に入れ」


 え? と驚いてるやつらを無視して、空間の入り口にかけた結界を解除する。


「ハク! 皆を引きずり込んでくれ!」

「わかった!」

 

 すぐに駆け寄ったハクは、冒険者たちの襟を咥えてそれぞれを引き入れた。

 最後に中に入った俺は、出入り口に結界を張り、洞窟の入り口の結界を解除した。


 中をのぞき込んだサソリたちは、キョロキョロしている。そんな姿を見ながら、引き戸は一気に閉まった。

 おお、こんな速度でも閉まるんだな。気をつけよう。

 このとき、タケルたちは知らなかったが、外にいたサソリたちは、目の前でバタンと閉まった扉に、完全に獲物を見失っていた。


 さて。ロックされたので振り返る。


「助けてくれと泣きが入ったから迎えに来た。詳しいことは後で話す。立てるか?」

 

 ダメだな、しばらく洞窟にいたからだろうな。


「とりあえず、治療するにしても浄化するから。そのままでいて」


<浄化!>


 ブワリとわき上がった光はすぐに落ち着いた。

 あとは、治療だけど。

 

「傷に砂とか入ってないか?」

「ああ、多分入ってると思う。水はあるか?」

「ある。とりあえず、その場にいてくれ。ニジ、水魔法で水を」

「ピィ~」

 

 すぐにニジがやってきて、砂だらけの皆を流してゆく。足下を重点的に洗ってくれてるね。

 その間に、俺は低いテーブルを出して、水を並べてゆく。あとは、冷気を周りに流してやった。

 灼熱の砂漠で死にかけていた男たちにとって、空間から流れてくる清涼な空気は、何よりの福音だった。一人が『ああ、生き返る』と漏らし、憑き物がが落ちたような顔で水をすすった。


 

 一応、見たところ砂はなさそうだ。


<最高度治療・回復>


 再び光った皆は、傷口も治っていた。きちんと傷口の砂は出されたみたいだね。


「あ、ありがとう。すごい魔法だな。お前、魔法使いか?」

「いや、剣士だ。魔法もガンガン使うけどな。とりあえず、そこにあるのは水だ。あと、何か食えそうか? 味噌汁とかならあるけど。熱いのがダメなら、甘いものか。時間があるなら、のどごしのいいものを作ってやるけど、今は、治療師が集まってると思うから、とりあえず、戻る方を優先するけど、いいか?」

「も、もちろんだが。ここはどこなんだ?」

「俺の空間。あ、そうだ。俺は探索者のタケルだ。よろしくな。十四階層で一人助けて今はあの小さいテントで休んでる。ここからならすぐだし、戻るけど。どうする? 何か食うか。ミルクもあるし、俺が作ったサンドイッチもある。あと、甘いものはいろいろあるぞ」

「それはありがたい。あれからまともに食ってないんだ。何かもらえるか?」


 ああ、とまずはミルクの大瓶とカップを取り出す。そして、ローストビーフ入りのサンドイッチ、あとハンバーグサンドなどを取り出した。

 ガツガツと貪るように食ってるけど、大丈夫か?


「トイレは、あの奥にある。魔道具がついてるから、トイレでしろよ。その辺りにしないでくれ。じゃあ、食ってていいから、戻るぞ」


 ふんふん、と食いながら返事をしている。


 再び俺はイメージする。

 このダンジョンの入り口広場に空間を開きたい。治療師たちとウイルがいる近くに。


 オープン!


 急いで薄い結界を張れば、静かに引き戸が開いてゆく。

 えええ!?

 あはは、大騒ぎだな。


「タケル、さん? ああそうだ、タケルさんだ。ご無事で何よりです! ご無理をいって済みません!」


 ゆっくりと結界を通り越して外にでる。


「本当にご無理だよ、ウイル。とりあえず、砂漠は犠牲者がひとりだけだった。なんとか踏ん張ってくれてたよ。一応、浄化して傷口も水であらって、最上級治療と回復をかけたら、皆元気になった。今は腹ごしらえ中だ。あと、十四階層にいたやつは、休ませてる。とりあえず、ウイルだけ入ってくれ。治療師たちは、皆を連れてくるから待機してほしい」


 結界を解除してウイルを中に入れて引き戸を閉める。既に結界が張ってあるので、興味津々な皆の視線がうっとうしい。


 砂漠のやつらは、ウイルが声をかければ、やっと食べるのをやめて、名簿をチェックしていた。


「ドラコ、起きてくれ。戻ったぞ」

「ん? あ、悪い。今、起きる」

「どうだ、身体は」

「うむ。傷などは問題ないが、疲れが残っている。だが、食事を取ったからだろう、かなり力が戻っている」

「じゃあ、探索者協会のトップが来てるから、話してくれ」

 

 わかった、と立ち上がって、大きな身体をかがめて出て来た。

 やっぱりデカいな。


 皆が話している間に、魔道テントの中を浄化しておく。掛け布団などを整えておいた。


「さて。どうする? 十四階層から下に行くか?」

「せっかくだから、最下層までは行きたいよね」

「ピィピィピピィ~!」

「そうだよな。とりあえず、行くか。じゃあ、メシは作り置きだけになるけどいいか?」

「うむ。主の作るメシは旨い。どれほど待ってもいいと思うくらいにね。でもボス部屋だとそうはいかないかな。それとも、安全エリアで空間に入る方がいいかも」

「そうするか。それがいいかもな」


 そうしようと決まった。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます!


面白いと思ったら、★評価やフォローで応援お願いします。 皆さんの評価とフォローが、タケルの魔力になります!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ