第33話 スーパーのおかげで食事の用意もそこそこにダンジョン突入!
「これは……すごいですね、ヤマトさん。私がしっかり確認しておりますので、なんの問題もありません。その上、治療まで。これは冒険者ギルドに抗議しましょう。領主様にも報告をいたしますので」
「まあ、別にいいよ。俺は向けられた殺意に対して抵抗しただけ。家族を守っただけだから。じゃあ、失礼します」
「はい。お気を付けて。何かありましたら、連絡させていただいてよろしいですか?」
「いいですよ。そうだ、ここに馬場はありますか?」
「ございます。厩舎とは別にありますが、ほとんど使う人はいません」
「それならそこを貸してもらえますか? 入り口だけ開け閉めしたいんです。それ以外のときは普通に使えますので」
「どうぞ、お使いください」
ありがとう、と手を振って案内の職員に付いてゆく。当然ハクも一緒だよ。
どうやら裏手みたいだね。
ここ、いいかも。ちゃんとゲートもついてるね。
さて、特別に何か揃えた方がいいのかな。
職員さんに聞いてみたら、すぐに冊子を持って来てくれるって、駆けて行った。
俺はとりあえず、料理の作り置きをしたいと思ってる。途中で空間に入るとしても、作るの大変だし。出すだけなら問題ないしね。
もらった冊子を手に、結界を張り空間を開く。少しの間で結界は消えるから、と伝えて、空間を開く。
オープン!
はい、自動で引き戸が開いてゆく。ハクを浄化してやればゆっくりと中に入った。
職員さんは固まっていたので、手を振って中に入りました。当然、すぐにオートロックが発動して引き戸は閉まりました。
はあ、気分的に疲れた。
自分を浄化して、椅子に座る。
とりあえず、おやつでもと取り出せば、ハクもニジも嬉しそうだ。ミルクを入れてやれば、さっそくたべ始める。
当然、俺も食いまくり~
甘いものは疲れがとれる、と聞いたことがある。
そうだ、エクレアがあったな、と探してみれば、ありました。じゃあ、これも食べてみる?
大喜びのニジが大きな口を開いてひと口で食べちゃった。自分の半分くらいの大きさだよ。すごいね。
ハクも嬉しそうにたべてる。
改めて食ったけど、やっぱりエクレアじゃん。うれしいな、こういうの。あ、そうだ。スーパーにお惣菜ってあるのかな。
スーパーマーケットを見てみれば、熱々のお惣菜がいろいろあるね。天ぷら、フライ、煮物、弁当などなど。熱々ご飯を買えるコーナーもあるらしい。これなら別に作らなくていいかな。
ひとしきり食べた俺たちだけど、いつからダンジョンに潜るかという話になる。
いつでもいいだろうというハクだけど、今日は休んで明日にすると決まった。
それなら風呂だよ!
ハクの風呂に水を入れてくれるのはニジ。それを火魔法でお湯にするのはハク。見事な連携でお湯が沸く。
その間に、俺はダンジョンのことを考える。
この冊子に書いてあるものは、ほとんど問題ない。雨とか嵐とか砂嵐なども結界を張れば問題ない。暑さ寒さも解決できる。それなら、何をすればいいかな。
ドロップアイテムがあるらしいけど、それの回収が一番面倒かもね。
ストレージに自動で回収するような魔法はあるかな。魔法というか、定義づけか。
ストレージの詳細を見てみれば、収納方法は手で触れる、魔法で回収、条件により収納、他。とある。
魔法で回収はできるけど、攻撃しながらっていうのは面倒だね。
それならどうするか。
もっと、細かく設定できないのかな。
あ、ある。ダンジョンと外界があるね。これは両方にしてっと。
あと、討伐メンバーと個人とあるけど、討伐メンバー(従魔含む)にチェックした。内容はドロップアイテム自動収納だね。
うん、これでできるかなぁ。
まあ、明日試してみないとわからないか。じゃあ、それでいいよね。
朝になって、しっかりと朝食を取った俺たちは、探索者協会に向かうことにした。どのダンジョンから入ったらいいかアドバイスを貰うためだ。
「おはようございます、ヤマトさん」
「おはよう。ウイルの手はあいてるかな」
すぐに、と呼んでくれるらしい。
「おはようございます、タケルさん。今日から探索ですか?」
「うん。で、どこから入ればいいかと思ってアドバイスをもらいに来た」
「なるほど。そうですね、ランクBあたりが適当ではないでしょうか」
「そうか? Cランクはどう?」
「おそらく、簡単すぎるかと。階層も浅いですし、強敵といえる魔物はおりません。その分、ドロップアイテムもそれなりで」
「ふうん。じゃあ、Bにするか」
ザワッと探索者協会が揺れたよ。なんでだろうね。
「で、Bはいくつあるんだろう」
「三つございますよ。それ以外なら、ランクAが五つ、ランクSが二つですね」
「わかった。じゃあ、とりあえず、Bに行ってみる。ドロップ品のいらないものはここに持ってくればいいのか?」
「はい。できたら、ボス部屋などのものは、一度見せていただければと思うのですが」
「わかった。とりあえず、行ってみるよ。楽しみだ」
行ってらっしゃいと送り出してくれた。
じゃあ、この地図を見て。
ここにするかな。
世界眼で見てみれば、脳内にナビが出る。うん、これ便利だよ~
じゃあ、行こうか。
ハクに乗って通りをあるく。結構遠いんだけど、どうするかな。空を進むか。
『主。この通りはかなり進みにくいけど、空にしてもいい?』
『そうだね、俺も今思った。じゃあ、どこかで上がるか? ええと、その右に折れる道がある。その三軒目が空き地だ』
承知、といったハクは、すぐに右に曲がる。そして空き地まで進むんだが。後ろを付けてくるやつらがいるな。まあ、空に上がるから関係ないか。
空き地に到着してすぐにハクが空に上がる。
地上では、追ってきたやつらが上を見上げて棒立ちだ。どうやら冒険者らしいね。
一応、ウイルに連絡しておこう。
「ウイル、タケルだ。さっき、冒険者だと思われるやつらにつけられてた。もう空に上がったから問題ないんだけど、そういえば、昨日の冒険者たちは?」
『それは……昨日の輩は、冒険者ギルドに連れていって、事情を話しギルドマスターにも納得してもらいました。その上で、領主様にも報告を致しましたので。おそらくは、件の輩たちの知り合いかと思われます。お気をつけて』
「なるほどね。わかった、ありがとう。まあ、そっちも気をつけて。特にウイルは証言者だからね」
『ありがとうございます。そのことも、領主様に連絡を入れましょう』
何とかなりそうだな。
探索者の落とすもので領内が潤っている。冒険者たちはあくどいことをすることが多いらしく、普通の探索者たちの方が貢献度は高いと聞いた。それで、領主は探索者協会との付き合いを最善に保ちたいらしい。
まあ、金のなる木は仲良くした方がいいよね。
どのみち、俺に関係がなければ問題ない!
ランクBのダンジョンはさほど混み合っていない。
まあ、入れる人も決まってるからかもしれない。
冒険者ランクならB以上、探索者ランクなら、宝石付きでないと入れないらしい。
「お待たせしました。冒険者ですか、探索者ですか?」
「探索者です。これを見せればいいのかな?」
「……あ、あの。し、失礼しました。どうぞ、お通りください。転移の魔方陣がございますので、攻略途中でも最上階に戻れますし、次回もその場所から探索出来ますので」
「それは便利だ。ありがとう」
注意書きをもらった。
どうやら、転移陣は十階層かららしく、五階層ごとに設置されているらしい。ふむ、便利だな。
ダンジョンの入り口では、パーティー募集の人たち、ポーション売り、地図売り、ポーターなどがひしめいている。すごいな、Bでもこれほどか。
そこそこ挑戦者はいるらしい。
俺たちは、ハクとニジだけだけどね。
「なあ、君。それだけで入るのか? 危険だぞ。それなら我らが助けになろう!」
「いや、いいです」
「だが、君は子供だろ? それに、その従魔は優秀だが、全てを通れるわけじゃない。狭い場所もあるからね。悪いことは言わない、俺たちは重戦士、前衛、魔法使い、僧侶といるんだ。安心だぞ?」
「……やっぱりいいです。この子は身体の大きさを変えられるし、俺は前衛、魔法使い、治療、光魔法など全属性使えるし、この子も魔法を使う。それに、この小さいスライムも攻撃します。もし、通れない場所はディメンションエリアを持ってるので、全く問題ありません。ご心配どうも」
それだけ告げてダンジョンに入って行くんだけど、声をかけてた探索者か冒険者か? あはは、固まったままだ。まあ、理解するのは難しいだろうね、知らんけど。
第一階層から第十階層までは一時間くらいで到着した。
今いるのはボス部屋の前。
正直面倒なんだけど、ここを通らないと十一階層には行かれない。
幸いにも待ってる人はいなかったから、そのまま入った。
うーん、この雰囲気はなに?
「ここはブルーオーガだね。主、任せていい?」
「うん、いいよ。少し待っててね」
ここまで到着する間には、様々な雑魚がいた。なんともいえない期待外れだ。
とりあえず、十階層にはオーガがいた。それ以外は、オークとかフォレストウルフとか。正直言って雑魚だったよ。
ここ、本当にランクBか?
まあ、とりあえずボスを倒そうかな。
【一閃】
はい、終わりました。
面倒だからね。たまには使わないと、腕が鈍るし。
俺がオーガを切り捨てた瞬間、その体が光の粒子となって消え、その跡には、残るはずの魔石が素材が吸いこまれるように極右へと消えていく。……よし、設定通りだ。これで腰をかがめて入ろう手間が省けるな。
今の俺たちに必要なものはなかった。ポーションもランクが低いし、探索者協会行きかな。デカい斧みたいなやつは立派なものがあったけど、使わないし。
どうやら、いろいろとストレージに貯まってるみたいだけど、後でいいや。
そんな風に各フィールドを進んで行く。
ミノタウロスやダイヤウルフ、コカトリスなど馴染みの魔物がたくさん出た。
水のある場所でまるで河のように見える場所には、ワニみたいなのがいた。ビックリしたけど、やっぱり日本のとは違う。角が生えてて尻尾にはハサミみたいなのがあった。おっそろしいよね、これ。でも強さは求めちゃダメだった。
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