第31話 ダンジョンに挑戦する為に移動します!
「それで、ここは土地込みの値段ですよね?」
「はい。塀に囲まれているのですが、その外側から敷地です。土地建物込みで白金貨十三枚になります」
「ふうん、いいですね。どうですか、トールさん」
「そうですね……ええと、少しいいですか、タケルさん」
はい、と一度外にでた。
「あの、タケルさんから渡された白金貨なのですが……」
「あれは取引の代金ですよ。だから自由に使ってください。棚とかいろいろ必要でしょう。それもかなり費用がかかります。それと、馬は買ってもらうことになりますが、馬車は進呈しますので使ってください」
「ええっ! そこまでしてもらっては申し訳ないです」
気にしないでといっておきました。誰が持っていたものでも同じお金だから。
あとは、商品で拡張バッグを売るなら、作る前に王都の店を見に行って調査した方がいい。相場を調べてから取りかかること。あとは、業者の選定だけど、できれば商人ギルドで紹介してもらった店の方がいい。トラブルの元はできるだけ少なく。そして相見積もりをとる。まあ、その辺りはホームセンターの店長だったから言わずもがなだけどね。
「本当にありがとうございます。なんとか、ここで頑張ってみます。良い商品ができたら連絡させてもらいますね。あと、水晶とアイテムボックスもありがたいです」
「生き物は入らないので気をつけて。馬も商人ギルドで手配してくれるのかなぁ。まあ、俺も冒険者ギルドに行きますので、魔物の解体によっては数日留まります。一応、この建物は鑑定していますからね。いい業者がいれば、つれて来ますよ」
感謝しかない、と言ってくれた。
でも、俺も仕入れをさせてもらうかもしれないと言えば、是非! と笑顔で言ってくれた。まあ、半年以上準備期間はかかるかもと言っておいたけどね。
それから、商人ギルドに戻って、土地建物の契約をすませた。俺は見届け人として、その場に立ち会ったよ。
まあ、鑑定のこともあったので、いいんだけど。
最終的に話をするとき、書類を見れば、魔道具も冷蔵庫、トイレ、排水、キッチン、洗面所。すべてに揃っていた。これは良い物件だね。
他に上がっていた候補地は、地図を見れば裏手だったり、前の道が狭かったりと、不具合があった。その分安かったけど、ここは大きな買い物でしょう。
契約が終わって、魔道具類も保証期間が一年あるそうだから、気にすることはないね。
今日からゆっくり休んでくれと言っておきました。
二人は、鍵を受け取って、冬の寒い時期にはどうするのかと説明を聞いてました。空調の調節をする魔道具があるので、心配ないんだって。神様の罪滅ぼしかなと思うくらい条件がよかった。まあ、普通の店の倍くらいの金額だからね~
深く頭を下げた二人は、鍵を受け取って戻っていった。あとで荷物を下ろしに行きますと言っておきました。
さて。次は俺の番だね。
副会頭が明細を持って現れた。
一応、さっきもらったものと照らし合わせてみる。うん、大丈夫だ。
金額は、まあ、そこそこだね。俺の鑑定と銀貨数枚くらいしか違わなかった。まあ、これならいいかな。
「いかがでしょうか」
「うん、これくらいならいいですよ」
「ありがとうございます。では、すぐに現金を用意いたしますので」
そう言い、お茶を勧めてくれる。
うん、これもいい香りだね。渋みもないし、旨い。
すぐに用意された白金貨二百二枚と銀貨九枚を受け取って、ストレージに入れる。
商品を見てからいいものがあれば買い物しますね、と立ち上がり、握手をして部屋を出た。
じゃあ、と一階を見てみたんだけど。
あまり珍しいものはなかった。ただ、練り物があったのには驚いた。おでんができるよね。こんにゃくはなかったので、スーパーでゲットしよう。揚げ豆腐も買おう、俺は揚げ豆腐のおでんが大好きなんだ~
練り物もいろいろ山盛り買って、あとは、ストレージを見ながら探して行く。
うーん、やっぱりスパイスかな。
でも、正直言って、スーパーの方が美味しいんですよ、スパイス。
とりあえず、これでいいかな
買い物を済ませて、冒険者ギルドに行くことにした。
「あの、魔物の解体をお願いするのならどれくらいの時間かかりますか?」
「魔物はなんだ?」
「ええと、ワイバーンとかオークとか、サーペント、コカトリス、レッドバードとか、面倒なのもありますけど、それは別に今じゃなくてもいいので」
「おいおい、お前が倒したのか?」
「俺と従魔ですけど」
へえ、とランクを聞かれたので、冒険者じゃないと伝えれば、なんで? と聞かれた。面倒だからと答えれば、一瞬固まったね。
「面倒? なんでた」
「最初にギルドにいったのは数ヶ月前で、Fランクからとか言われて、高ランクの依頼は受けられないから、楽しくないので」
「楽しいって、お前。今までどんなの狩った?」
「そうだね、キマイラとかマンティコア、ひとつ目、亜竜なんかだね」
「……やっぱりもったいない。この国は勇者もたくさん集まる。だから討伐はそこそこやるんだが、なにせ森が広いからな」
「ふーん。でも、勇者がいるならいいよね、別に。だからいいや。どう? 明日くらいにはできる? まあ、肉もまだあるし、別にここじゃなくてもいいんだけど」
「いや、肉が欲しいのか?」
「ワイバーンは肉と皮。レッドバードは肉と首元のふわふわの羽毛。オークは肉、サーペントは肉と皮。それくらいかな」
「マンティコアやキマイラは?」
「買取でいい。別にいらないから。そのうち、ポーションを作り始めたら、素材集めはするけど」
「ふむ。で、どれくらいある?」
「全部は無理だからいくらかでもいいよ。まあ、まだ肉はあるんだけどね。ただ、知り合いがこの近くで店を始めるから、皮が欲しいかなと思ってる。本当なら、ダイヤウルフとかも毛皮が欲しいんだけど、無理でしょ。まあ、俺たちも旅の途中で知り合いをここまで連れて来たから、もう一度、何処かに行こうかと思ってる。だから、無理ならいいよ」
「お前、いったいどれくらい持ってるんだよ、魔物。アイテムボックス持ちか?」
「まあ、そんなとこかな。少しなら取りに来るのが面倒だからいいよ」
「なるほど。そうだな、ワイバーンなら十頭、オークなら二十頭、サーペントなら十三匹、コカトリスとかレッドバードはそれぞれ二十くらいか」
「え? 一度にそれだけやってくれるの?」
「いや、違う。どれか一つならってことだ」
ダメだな、これは。
じゃあ、戻るかな。
「ありがとう。とりあえず、出すのやめるよ。先を急いでそっちでやってもらうことにするから。じゃ、ありがとう」
「おい、おい! 待てよ!」
おじさんがそう言うけど、俺は別の国に行きたい。
ここから先は透さん夫婦のやるべきことだから。俺がいると手出ししちゃうし。だからこの国を出よう。
その後、透さん家に向かい、隣の馬車小屋に馬車をおいて、家具など全てを家の中に出した。
それから、最後の俺の料理を食べて俺たちは帰ることにした。
「行かれるんですか?」
「うん。別の国にも行ってみたいから。ここからは二人で頑張ってね。俺たちも三人で頑張るから。でもいつでも連絡してね。お店の開店日が決まったら連絡がほしいかな。ダンジョンとかに入ってなければ来るよ」
「ありがとうございます。本当にお世話になりました。しっかり下調べをして、二人の店を作って行きます。笑顔で見に来てもらえるように頑張りますので」
「うん。俺たちも頑張るからね。じゃあ、行きます~」
手をひらひらさせて、ハクの背に乗って出発しました。少し進んで後ろを振り返ると、二人がいつまでも手を振っていた。……よし、次に会うときは、あのお店にケイナさんの手作りバッグと、トールさんの魔導具が並んでいるはずだ。それを楽しみに、俺も腕を磨かないとな。
お昼ご飯は、満足いくまで食べたので問題ないし。
あとは、そうだな。少し街道を走るかな。
「ねえ、ハク。このあと、どこに行く?」
「そうだねぇ。私も全ての国に行ったわけではないけど、評判の良い国に向かうか、ダンジョンのある国が良いいんじゃない?」
「うん、そうだよね。ダンジョンは気になるなぁ。ダンジョン探してみようかな」
世界眼を特殊な使い方をする。
ダンジョンのある国または都市はどのあたり?
+++++世界眼
ユーラスト国:ダンジョン都市
ローランリック王国:王都西側に三カ所 ランクA~Cあり
ダルゼニア王国:世界一の大国 王都内に数々のダンジョンあり 王都自体がダンジョン都市
ミッドアス大国:世界二位の大国 両辺境に大型のダンジョンあり
ブルルピア国:竜人族の国 森の奥岩山にダンジョンあり A~初心者ランクまで数カ所
マッカラン国:ローランリック王国の西の国
アスタリア国:ダルゼニア王国の隣国 小型・中型のダンジョンが数カ所ある 唯一ある大型ダンジョンは、そろそろSランクになりそう
※その他にも小さなダンジョンはいろいろな場所にある。この世界は冒険者以外でもダンジョンに挑むことができる。探索者登録をしていれば、どこのダンジョンでも入れる。ただし、未開のダンジョンも多いので、そのあたりは要注意
+++++
ふうん、いろいろあるね。
『ハク、結果がでたよ。俺を召喚した国にもあるらしい。その西の国にもね』
世界眼の探索結果を話してやれば、どこから行くかと問われたので、とりあえず、地図で位置を確認する。そうでないと無駄にあっちこっちと移動するハメになるからね。
今の場所から一番近いのは、ユーラスト国のダンジョン都市。
次は、どこだろう。あとは、世界一の大国ダルゼニア王国、二位のミッドアス大国、ダルゼニア王国隣国のアスタリア国だね。
今の段階ではローランリック王国に戻る気はないんだ。勇者もいるだろうし、余計なことは知られたくないしね。
『じゃあ、ユーラスト国のダンジョン都市に行こう。いろいろ経験できそうだし、ここから一番近いんだ』
『わかった。じゃあ、しばらくこのまま駆けていいの?』
『うん。急ぐ旅じゃないし、駆けてゆくかな。俺も運動不足になりそうだから、魔物や盗賊がいたらやっつけよう。それでいい?』
『うん、それは楽しそう。さっそく速度を上げよう!』
そうだね、と目をとじて気配察知のスキルをつかうことにした。これも訓練だ! といえば、ハクも大賛成してくれた。
さっそく目を閉じると、風の音の向こう側に、小さな羽虫の動きや遠くの森に潜む魔物の鼓動が伝わってくる。ハクの足音と自分の呼吸が重なって世界がどんどん広がっていく感覚だ。
しばらくこのまま進む事になりそうだな。
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