表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

30/103

第30話 ハクが話せるようになったし、透さんにも良い家が見つかりそうし。良いことずくめだ

「ええと、ハク? 今、普通にしゃべってたよね」

「そう、話せるようになったみたい。よかった、うれしい。これで主とも普通に話せるよ」

「ああ、そうだね。俺も嬉しいよ。でも、知らない人の前では念話でね。ニジも大きくなったら話せるといいね」

 

 ピュィ~とニジはガッツポーズをしたよ。 

 えへへ、と頭をかいて俺たちは空間を出た。

 ヤパニューラ国に向かうからね。



 空に上がった俺たちは、結界に身を包み、ハクにお任せだ。


『主、転移するよ~』

『うん、よろしくね~』



 ふわりとした浮遊感のあと、眼下に広がるのは林だ。でも、これって……


 松? 自宅の庭にあった松じゃないのかな。よく知らないけど、多分そうだよね。もしかして? ここでも稀人の匂いがするよ。

 でも、かなり古いみたいだから、ずっと昔の事なのかな。まあ、雰囲気的には懐かしいね。


「主。ここなら馬車を繋いでも街道に出られると思うよ」

「そうだね、ここで馬車を付けよう」


 商人ギルドで教えてもらった通り、馬車を出してハクに着けて行く。

 ええと、ここをこうやって、こうなるから……


 おお、できたぞ!


「どうかな。不具合はない?」

「問題ないよ。商人ギルドの人よりも手際もいいね。そのうえ、楽だし」

「そういってもらえてよかった。ここで出て来てもらうかな」


 そうしようというので、ハクも含めて結界を張って、空間を開いた。

 荷物を持って外にでてくれと言えば、驚いているね。


「もう着いたのですか?」

「うん。ハクがこの辺りに来たことがあったから、転移してくれたんだ。だから、こっちへ出てください」


 はい、と二人は大きなリュックを持って出てきた。家具類は俺のストレージの中だから問題ない。


「あの。これは馬車、ですよね?」

「はい、馬車です。途中で買いました。皆で歩いてっていうのも、こんな服装だと変でしょ。だから、乗ってください。あまり大きくはないけど、二人で使うのにはいいと思うよ。作る商品も小物が多くなるだろうし、これなら荷物を積み込んで運ぶのにも使える。買い物にも、どこかに遊びに行くこともできるよ」

「ええと、これは……私は馬車に乗れないのですが。ケイナが乗れますが。何から何までよろしいのですか?」

「いいよ。気にしないでください。これからもお付き合いしてもらいたいので。いいものができたら俺も仕入れたいし」

「本当に、本当に。これほどお世話になって。かならず良いものを作って連絡しますので!」

「うん、お願いしますね~」


 馬車に乗り込んでもらって、さて、俺はどうしようか。


「主。御者台に乗って。私が進むから主は手綱を持っていればいいよ。それに商人ギルドの人よりも手際がいいね。私の引き心地は世界一だよ。主、しっかり手綱を持って、私の雄姿を街の人に見せつけてやってね』


 ああ、なるほど。そういうことだね、とハクの身体を撫でてやった。


 言われるままに御者台に乗って、手綱を持つ。すぐにリュックから出て来たニジは、膝の上に乗ったよ。だから、一応、結界を張っておきました。




 やっぱり、どこでも並んでるね、王都門は。

 そう、ここは王都門です。転移した場所がこの近くだったので、そのままやってきました。

 ハクを見て驚いている人たちだけど、馬車を繋いでいるから恐怖はないみたいだね。ここも入国審査は早そうだ。



「ようこそ、ヤパニューラ国へいらした。悪いが、身分を証明するものがあるか?」

「はい。私は商人です。後ろの二人は、商人登録をする為に来ました」

「ふむ。行商人タケル・ヤマト殿であるな。馬車を引く魔物はお主の従魔か? なれば、証明を」


 はい、と従魔のタグを首から出して、ハクとニジだといえば、ちゃんとチェックできたらしい。


「では、我が国を楽しんでくだされ」


 ありがとう~

 

 面白いね、時代劇みたい。名前の雰囲気から、日本を想像してたんだけど、当たりみたい。


 街中は長屋みたいなお店があって、大きな店は独立してる。あと、屋根が瓦みたいなんだよ。どこからか出汁の香りが漂ってる。あれ? これは下駄の音なのなか。あー! あれは着物でしょう。というか簡単な着物のようなものだよね。あまりにも馴染みのある風景に、ここは京都か? と思ってしまったくらいだね。異世界だなんて思えないくらいビックリした。

 これほどの環境なら、間違いなくここは日本人が起こした国でしょう。そうとしか思えない。



 とりあえず、ここでの最初の用事は。

 透さんが商人ギルドに登録することだね。

 俺も一緒に行くことになる。まあ、当然だろうけど。あと、買取の査定もしてもらいたいけど、そんなにたくさんないから、別に他所でもいいかな。


「いらっしゃいませ。本日はどういった御用向きでしょうか」

「俺は、行商人のタケル・ヤマトです。こちらの商人登録をお願いしたいんですが、この国では、他国の生まれでも店を持つことができますか?」

「はい。なんの問題もございません。異国からの移住者は多いのですよ。それで、お店をされるのでしょうか?」

「トールさん、それでいいですか?」

「……とりあえず、商人として登録をして、土地建物も探す必要があるので。かまいませんか?」

「はい。問題ございません。それでしたら、登録時に書類の必要な所をご記入いただければよいだけです」


 なるほど、とさっそくトールさんの商人としての登録をお願いすることになったよ。

 じゃあ、ついでに聞いて見るかな。


「あの、商品の買い取り査定はしてもらえますか?」

「もちろんでございます。どのような商品でしょうか?」

「ええと、剣とか魔道具とか洋服とか、いろいろですね」

「なるほど。少しお待ちください」


 うん、トール(透)さんが登録している間に聞いてくれるらしい。


 すぐにやってきたのは、買取担当の副会頭だって。

 応接室で、といわれたんだけど。どうするかな。

 ニジはここにいるからいいんだけど、二人はどうする?


「タケルさん、私たちは、手続きが終わったら馬車に戻っていますので」

「それでいいですか?」

「はい。あの、建物と土地の事なんですが、こちらでも紹介していただけるとのことです」

「そう、じゃあ、鑑定してもらっている間に見に行きますか?」

「いいですか!」

「うん。大丈夫だと思うから。じゃあ、すみませんがお願いします」


 はい、と俺とニジは応接室に向かいます。


『ハク、俺はこれから査定をしてもらうんだけど、少ししたら、透さんたちが先に戻る。馬車の中にいると言ってたから頼めるか?』

『わかった。主も気をつけてね』


 これで大丈夫。ハクに頼んでおけば、何かあれば馬車を進めてくれるから。



「副ギルド長のサーブと申します。どうぞよろしくお願いします」

「こちらこそ。それで今は大したものは持ってないんですが、一応査定をお願いできますか?」

「もちろんです、出していただけますか?」

「ええと、さすがにここでは無理かと」

「では、隣の部屋でお願いします」


 はい、と男の人がメモを持って後をついてきます。うん、ちゃんと書いてね。

 ストレージとアイテムボックスを見ながら、剣とかはその名前を伝えます。俺は知らないけど、ちゃんと出てくるんだよ。まあ、鑑定してもいいんだけどね。


 とりあえず、盗賊から押収した高級そうな剣をいろいろ。飾ってあったものも出しました。

 あとは、拡張鞄をいろいろ。アイテムボックスは容量無制限で時間停止のものはおいておきます。いろいろ使えるしね。あとは、宝石がたくさん! そう、前に出してなかったから。そして、貴金属。あとは、貴族用の食器とか、貴族の服、革鎧、金属の鎧、靴など。

 魔道具はデカいものだけ出しましょう。

 冷蔵と冷凍の魔道具が各五台、あとは、水栓、手洗いなどですね。あとは、ガラス窓、ガラスの入った室内扉、それ以外だと……

 あ、そうだ。肉もあるよね。

 でも、肉はおいておくかな。皮は透さんに聞いてからだね。あとは、魔物の解体をお願いしなくちゃ。


「まあ、今日はとりあえず、これくらいですね。今日商人に登録した知人が、この後、家を見に行くのですが。そこで必要ないなら他にも魔道具がありますよ」

「なるほど、そうですか。ですが、これは全て新品ですね。盗賊討伐の品ですか?」

「まあ、そういうことですね。俺は冒険者じゃないのですが、襲われたら始末します。当然アジトに行きますよね」


 なるほど、って大きく頷いてるんですけど。


 

 とりあえず、明細をもらって確認します。

 鑑定しておいたので、それと照らし合わせて見たら、全て揃っていました。どれくらいの時間がかかるかと問えば、夕方くらいになるらしい。

 まあ、それならいいかな。


「じゃあ、家を見てきますね」

「はい、ごゆっくりどうぞ」


 笑顔で送り出してくれた。

 正直で鑑定能力も高いサーブ。これで、このギルドは安心できるかな。


 

 待たせたね、と馬車に戻れば、どうやら何も問題なかったらしい。

 じゃあ、とギルドの担当者と一緒に進みます。

 ギルドからほど近く、そして冒険者ギルドの少し手前の場所だった。場所としてはいい感じだね。さて、どうかな。


 ハクにこの家の周りを見てもらうことにして、トールさんたちと俺たちは中に入ることになった。

 鑑定しても、結果は問題なさそうだな。

 でも、なんでこの家が売りに出されているんだろう。少し疑問だ。


 家の中は一階が店舗だね。

 広い店内に木の棚がついてる。ふむ、古民家のようだ。いい雰囲気じゃないか。ここは独立しているのだが、両隣には細い空間があるけど、人は通れない。

 

 吹き抜けの二階には、半分がプライベートとLDKだ。もう半分は客間とか、座敷? かな。まあ余裕のあるスペースだね。


「この店はなぜ売りに出ているのですか?」

「こちらは、ご夫婦が経営されていたのですが、お二人ともお歳で。息子さんがいらして、引き取られたんです。隣国の王宮で上位文官をしておられるので、安心されたと思いますよ」


 どうやら本当の事だね。

 これなら条件的にはいいんじゃないかな。

 通り沿いの窓も大きなガラスが入って入るし、引き戸の下三分の一は木製の板で目隠しされている。ここに低い棚を並べれば、外から目を引くだろうね。


 二階を見ていた透さんたちが降りて来た。


「タケルさん、この家、とてもいいですね。二階も空気がすーっと抜けるし、夏のためでしょうか、換気のための隠し窓がありました。どう思いますか?」

「俺も、ここはいいと思いますね。前に馬や馬車も止められるし、売りに出ている理由も納得のいくものでした」


 売りに出た理由を話せば、なるほど、と笑顔だ。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます!


面白いと思ったら、★評価やフォローで応援お願いします。 皆さんの評価とフォローが、タケルの魔力になります!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ