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第28話 ハブ空港みたいな国がありました!

「おはよう。疲れてたんだろ、お前も。今日、大丈夫か?」

『当然だよ。よく食ってよく寝たから問題ないよ。今朝はなんだか旨そうな匂いがするんだけど』

「そうだよ。新作だからね、何飲む?」


 パンならばミルクだって。

 ニジも同意してくれるので、ニジには小瓶を数本出して、ハクには飲み物用のボウルにミルクを大瓶から注ぎ入れる。当然、俺もミルクだね。


 そして、いつものサンドイッチと隣りには保存容器に入れたホットサンドを置いてやる。

 皿にホットサンドとサンドイッチをそれぞれ五個ずつおいて、ニジにも二つずつ置いてやる。


「これは温かいサンドイッチ、ホットサンドだよ。中身はいろいろだ。食べてみて」

『うん! いただきます……主、これは旨いよ! こんな食い物があったんだな。全く知らなかったよ!』

「これはね、俺のいた世界にあったものだよ。だからまた中身を変えて作るからね。チーズも入ってて旨いだろ」

『うん。このとろりとしてるのがチーズだね。ほどよく塩味がきいて最高だよ。これなら、野菜も旨いね』


 あはは、嬉しいね、そういってもらうと。

 ニジもピィピィ言いながらホットサンドを口に入れてる。

 


「遅くなってすみません!」

「タケル君、すまない。余りにぐっすり眠ってしまったよ」

「おはようございます。問題ないですよ。朝食、よかったら食べてください。スープはないですけど、ホットサンドを作ってみました。普通のサンドイッチもあります。飲み物は冷たいミルクとか果実水は冷蔵庫。温かい紅茶は、申し訳ないけどいれてください。食器棚に紅茶用のポットがあります。引き出しには香りのよい紅茶もありますので。ケトルはキチンに。魔力は入れてありますので、どうぞご自由に」


 本当に申し訳ない、と恐縮するんだが。気にしなくていいのにね。


 

 俺たちは、そそくさと、でもガッツリ食って立ち上がる。

 三人の口の中を浄化して、ハクは全体を浄化した。


「もう行けるか?」

『うん。早く移動する方がいいでしょ。出発しよう』

「じゃあ、透さん。俺たちは外にでて進みます。空間から外にはでられませんが、ここでのんびり過ごしてください。お昼ぐらいには戻ります。せっかくの時間なので、ゆっくりしてくださいね。国に到着すれば、いろいろと忙しくなると思うので」

「本当にありがたいよ。では、やっておくことはあるかな?」

「そうですね、昨日デッキも作ってくれたので問題ないと思いますが、何か思いついたら作ってみてください。といっても、木くらいしか材料がないんですけど」


 わかった、と笑顔で送り出してくれるので、結界を張って外にでた俺たちは、空間をクローズしてから出発した。


 しばらく空を駆けていたのだが、昨日思いだした事があるらしい。ヤパニューラ国へ入る二つ前の国のことを。


『私の記憶が確かならば、貿易国があったよ。各国からの拠点があって、それぞれの国に買い付けたものを送り出すという場所だった。たぶん、その国なら馬車も良いものがあるかもね。そこにいってみる?』

『お、それ面白そうだね。貿易の拠点だなんて。各国に送り出す。まるでハブ空港みたいだな』

『ハブクウコーというのはなに?』

『前の世界で、空を飛ぶ乗り物があったんだけど、それが各国から集まって、また別の国へ向かう。まるで同じだろ。そんな感じかと思ってね。いろんなものがありそうでワクワクするよ』

『なるほどね。あそこは私が街を歩いても問題なかったから、一緒に行く!』

『それ、嬉しい。ええと、なんていう国なの?』

『たしか、国の名前は……ボルルネリ国だと思うよ』

『じゃあ、とりあえず、そのボルルネリ国へ行くぞー!』


 ピュイー! と聞こえたのはニジなのか?


 そんな疑問を浮かべている間に、どうやら転移したらしい。ここは? と思えば門がある。ということは、国境門か?


『ごめん主。王都門手前にまで来てしまった。いい?』

『別にいいだろ。だって、途中の街道からこの街道に出てくるやつだっているだろうし。問題ない。この辺りで降りられるか?』

『うん。じゃあ、近くの林に着地するよ』

 

 おお、さすがはハク。気が利いてるよね。それにしても王都門まで一気に来たんだな。すごいよ、ハクは。


 地上に降り立った俺たちは、そのまま街道へと出る。

 商人たちが驚いてこちらを見るのだが、俺はアイテムボックス鞄を提げているから問題ないよね、商人だし。


 王都門は、かなりデカかった。

 いくつもの検問所があり、それぞれに対応するので入国手続きが早い。

 今は、ニジも顔を出して珍しそうに見ている。うん、見たことないでしょ、こんな大きな門は。


「身分証明を確認させてください」

 

 はい、と俺は商人ギルドのギルド証を出す。


「タケル・ヤマトさんですね。この魔物とそのスライムは従魔ですね。一応、確認を」

「これ、従魔のタグです」


 クビからタグを二枚出せば、確認が取れたらしい。


「王都を楽しんでください」


 笑顔で送り出してくれたよ、騎士さん。ありがとね~


『さて。どこに行くかだけど、どうする?』

「とりあえず、いろんな所を見たいかな。でも、何もわからないから、商人ギルドを目指すかな。どうせ、大通りにあるだろうし」

『そうだね。ならば、このまま進もうか』

 

 ハクはゆっくりと歩き出す。俺とニジは、商人ギルドの場所を探しているのだ。そうだ! 脳内マップで確認すればいいじゃん。

 

 脳内マップを頭に浮かべて、世界眼を使う。

 商人ギルドを探したい、とイメージすれば、マップに青い点が出てきた。おお、ここか。で、俺たちが今ここだな。俺たちは緑の点だ。これならわかりやすいぞ。


「ハク、場所がわかった。このまま真っ直ぐいって、フロック中央配送場というのがある。その前だよ、商人ギルドは」

『わかった。じゃあ、このまま進もう!』


 うん、と気配察知を張り巡らせて進んで行く。

 とりあえず、妙な気配はないね。あとは、商店とかが並ぶ場所があるんだろうか。気になるよ、いろいろと。もし、安全そうなら、馬車を買った後、透さんたちを空間から出してあげたい。買い物もできそうだしね。いろいろと楽しいところがあればいいね。


 すぐに現れた大通りには見たこともない異国の民族衣装を着た商人や、珍しい魔物の素材を積んだ荷馬車がひっきりなしに行き交っている。スパイス皮の匂い、それに活気ある呼び声が混じっていて、歩いているだけで異国情緒にワクワクしてくるよ。

 

 商人ギルドに到着すれば、ハクは小さくなってくれたので抱っこだ。

 大きな扉は開かれており、そっと中を覗けば、そこそこの賑わいだね。キョロキョロと中を見回していると、左半分はどうやら商談ルームらしい。右半分は、いろいろ商品が並んで買い物ができそうだ。

 で、正面にはいくつものカウンターがあるんだけど、どうしたもんかな。

 俺の出で立ちは冒険者だと認識されているだろうけど、そうじゃない。とりあえず、馬車が欲しいだけなんだけど。


「いらっしゃいませ。ようこそ、商人ギルドへ。何かお探しでしょうか?」

「あ、はい。商人をしておりますが、この国はかなりの商品があると聞きました。ならば、馬車をと思い、こちらに」

「なるほど。馬車でございますか。もちろん、商人ギルドで販売しているものもございます。別に馬車を売る店もございますが、どのようか形をご希望でしょうか」

「ええと、実際に見ることはできますか? 馬は必要ないです、自分の従魔がいますので」

「なるほど。では、係の者を呼びましょう。馬車専門の者です。しばらくお待ちください」

 

 はい、と大人しく待つことにする。

 ニジは、キョロキョロと辺りを見渡してるね。


「何か欲しいものがあるか?」


 ピュイ? と首をかしげていろいろ見てるよ。

 とにかく商品が多いなぁ。どれほどあるんだろうね。買取とかしないのかな。まあ、別にここじゃなくてもいいんだけど。

 少し移動して、冷蔵保存の魔道具を覗いてみる。

 おおお! これは見たことのない菓子があるぞ。美味しいのかなぁ。エクレアみたいだけど、チョコレートってこの世界にあるのか? 食べてみたいけど、甘くなかったら最悪だ。まあ、エクレアは甘いだろうけど。帰りに見てみようか、丸い形のエクレアを。他にもいろいろあるね。

 どうしても食べ物を中心に見ちゃうんだけど、ニジは別のものがいいらしい。なんだ、あれ。 

 もしかしてハンモックみたいなやつか? いや、違うな。あれ、紐で編んだ手提げ袋だよ。でも、取っ手を広げて何処かに引っかければ、ハンモックになるな。あそこでなら、お昼寝もできるか。空間内は高さがあるけど、ニジでは届かないところがほとんどだしね。それなら、あれば嬉しいよな。

 いっそ、猫の階段みたいなものがあってもいいかもね。


「ヤマト様。大変お待たせいたしました。この者が馬車担当のクリスといいます。どうぞよろしくお願いします」

「こちらこそ。クリスさん、どうぞよろしく」

「お待たせして申し訳ございませんでした。さっそく、あちらから倉庫の方へ出ていただけますか?」


 はい、とニジに「後で買おうね」と伝えてクリスさんの後を追う。


 そのまま外に出たのだが、天井の高い場所だった。そこにはいろいろと馬車が並んでいる。大きいのから、小さいのまで様々あるね。


「どのくらいの大きさがよろしいですか?」

「小型でいいんです。通常は二人で使います。でも、時折、荷物も載せますので、そのあたり、いいものがありますか?」

「そうですね。では、こちらへ」


 案内してくれたのは、小さな馬車。天井は開閉式だという。そして、当然、後ろも開くのだ。ふむ、これならいいかも。作りがしっかりした箱馬車なのが気になるな。


「あの、商売で使うので、もう少し軽い感じのはありますか? あまり形式張ったものはちょっと」

「なるほど。では、こちらではいかがでしょう。こちらは、通常使う幌が、ここで二つに分かれます。雨の日などは付ければ良いでしょうし、最悪は全て取り外すこともできます。寒い時は、大変ですが、中に張るこのようなものもございますので」

 

 ええと、これはキルトか? なるほどね、これなら寒さも最小限で済むかな。


「あの、ヤパニューラ国に行くことになりそうなのですが、あちらは暑さ寒さはどうなんでしょうか」

「あちらは、東の方の北の地方はかなり寒いと聞いております。ですが、王都であれば、ほぼ年中あまりかわらないかと。夏は多少暑いですし、冬は多少寒いですが、我が国と同様、大きな変化はないそうです」

 

 それなら何とかなるかな。


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