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第27話 透さんたちのお風呂とトイレができあがった

 透さんたちのテントを手前に引っぱって、その奥を石張りにします。周りには水が溢れても大丈夫なように縁を立ち上げますよ。そう、ハクの風呂と同じ作りですね。

 その後は、バスタブをとりだし、隣りには石の給水タンクを作りました。かなり大きめですから、二人で入っても大丈夫でしょう。

 そこに給水の魔道具を繋ぎます。当然、お湯にするための魔力は入れますけど。

 そして、バスタブからの排水を引き込む所を作って、排水溝を作ります。端っこには排水用の魔道具ですね。

 あとは、一番奥にトイレの建物をつくりました。俺のトイレよりは少し小さめですが、遜色ありません。そこに、トイレの魔道具をおいて魔力を充填。これで使えるようになります。試しに流してみると、問題ありませんでした。

 そこにトイレットペーパーホルダーを取り付けてくれるのは、透さんです。

 あと、お風呂場は、折り回し壁だけなので、その辺りは告げておきましょう。


 俺たちのエリアも折り回し壁にしました。特に風呂は裸でウロウロするので、広めで高めにしました。そうでないと丸見えになるんですよ、俺のイチモツが。まあ、仕方がないよね、裸でハクを洗うんだから。今日からは、デカい風呂、プールの様な風呂の外側で乾燥できるように、その間にデッキと階段を作ります。

 それは、透さんが引き受けてくれました。

 まあ、ある意味プロだしね。

 

 板を集めて、こんな感じでと話せば、すんなり受け入れてくれる。すごいね、プロは。

 すぐに板を持って来てカットしてくれるって。その間に、土台の木を埋めてほしいって。

 それなら、と石でしっかり巻き込んだよ。水が入らないように継ぎ目のない石です。それでもちゃんと乾燥する様にした方がいいって。

 なるほど、と頭に置いておくことにした。

 じゃあ、と同じように水平器を見ながら高さを揃えて固定していった。

 後は枠を乗せて板を貼るだけらしい。



 俺たちが戻ったときには、既に枠は完成していた。

 それを魔法で持ちあげて移動する。それは、ホームセンターの金物で固定され、その上に板を貼る。丸くて頭の長い釘を器用に打ち込んでいくのは透さんだ。

 すごいね、これは。

 今の俺には難しいけど、教本もいろいろあるらしいので、ホームセンターで確認してみよう。小さな小屋くらいならできるかもしれない。そうなればいいなと思ってるんだけど、テントの寝心地が良すぎて、あまり重きを置かない気がする。

 まあ、そんな風にできあがったデッキに、風呂から一番に降り立ったのは、ハクだ。その場で身体をフリフリしている。慌てた俺は、大きなタオルを手に駆け寄る。まあ、ハクは別にいいんだけどね、裸でも。

 でも水しぶきが飛ぶから、塀をつくっただけなんだ。透さんたちが定住したら、取り壊すつもり。


 そのあと、ドライを発動してやれば、いつものように乾かし始める。ニジはタオルで拭いてやれば、テーブルの上に陣取った。

 当然、果実水と水を飲んでますよ。

 

 時計を見れば、そろそろ夕食の時間だ。

 ケイナさんが夕食をどうするかと相談しにやってきた。

 それなら、と俺の作り置き料理を仕上げましょうと言っておく。かなり興味を持ってくれたみたいで、手伝うと言ってくれた。

 ありがたくお願いすることにして、キャベツと葉野菜、マカロニサラダを取り出して、ひとつ盛り付けてみる。皿は大小いろいろあるけど、ハクの皿は特大。俺とニジは大、透さんたちは普通らしい。

 じゃあ、普通の皿に盛り付けてみた。皿の大きさに比例して、サラダの量も増やしてもらう。


 じゃあ、やりますと請け負ってくれたので、俺は透さんに食事だと告げ、ハクのブラッシングをしてからテーブルに戻った。

 不思議なことにハクは抜け毛がない。なぜかはわからないけど、抜けないんだよ、これが。かなりというか、相当助かるんだ。動物の抜け毛の始末は大変だから。


 炊飯器を持ってきて俺の隣りに折りたたみテーブルを出しておく。味噌汁はボウルに注ぎ分けてもらうよう頼んだ。

 他にはハンバーグソースだね。タマネギソースを作っているから、問題ない。

 サラダの盛り付けができた頃、パンをいろいろ取り出して籠に盛る。ハクは別の籠に三種類のパンを盛り付ける。

 そして、ボウルを様々とりだし、ご飯をつぐ準備をしておこう。


 そこに、ハンバーグを取り出して、皆の分を並べて行く。焼きたてのものだ。ハクはデカいやつを五個。ニジは普通のを二個。俺も同じにした。

 透さんとケイナさんは、普通のを各一個らしい。

 じゃあ、とマヨネーズもスプーンでかけるようにおいておく。ハクはハンバーグソースをかけて食べるからね。

 チーズは今回はなしにした。

 

「これ、ハンバーグじゃないですか! おお、久しぶりだなぁ。これは、タケル君が作ったの?」

「はい。俺は自宅で食事を作ってもらうことがなかったので、いつもコンビニとかファミレスでした。でも、ありがたいことに、料理スキルをもらってるので、それで何とか皆に食事だけは作ってやれます」

「なるほどね。それぞれにスキルと言っても、使えるものや使いやすいものがちゃんとあるんだね。まあ、稀人特典かもしれないけど」

「そうだと思いますよ。ありがたいです、いろいろと。じゃあ、皆はパンですか? 俺はご飯食べますけど」

 ハクはパン、ニジは両方、透さんはご飯、ケイナさんはパンだった。

 「じゃあ、味噌汁はあわないかも」と言っておく。予防線だよね、これ。


 ニジには小さなカップに、俺と透さんは中くらいのボウルにご飯を入れて、「いただきます!」ですよ。


 透さんは涙を流しながら食べてました。

 うん、気持ちわかるよ~



 腹一杯食べた後、明日の朝はどうするのかと聞かれたので、サンドイッチも作り置きがあるんだけど、違うものも作りたいと言えば、わかったと受け入れてくれた。


 しばらく日本の話をした後、「お休みなさい」と挨拶をして、それぞれに別れた。


 俺はとりあえず、今夜はテントの中の風呂に入ることにした。うん、ここもいい感じだね。排水の魔道具もあるし、当然給水もある。ここにもデカいタンクを付けたし。

 

 快適なバスタイムを終えて、身体をタオルで拭き髪の毛だけにドライを施してハクと話をする。


「二人を送っていく国なんだけど、ヤパニューラ国って言うんだ。知ってる?」

『うん、知ってるよ。ここからはかなり遠い国だよね。国に入って何かをしたことはないけど、魔物を狩ったことはある。だから、街の様子はわからないんだ』

「それはいいんだよ。だけど、どれくらいの距離って言うか、時間がかかるのかと思ってね」

『一度の転移で行けるとは思うけど、国の数で言えば、最短距離で五個の国を飛び越えることになる。その辺りなら、途中で別の国に立ち寄ってもいいよ。私の朋友だと自称するドラゴンもいるんだよ。それは問題ないんだけど。私たちが降り立っても、あの人たちは出てくることができないから、空間の中になるね』


 そういうことか。別にいいけどね、お友達なら。俺も会ってみたいよ、ドラゴンには。一度も見たことがないし。でも、無理も言えないな。


「そのあたりは、ハクに任せるしかないんだ。転移でどれくらいの距離進めるのかわからないしね。お任せで大丈夫?」

『それなら問題はないよ。きちんと国に入った方が良いのならば、馬車を手配するほうがいいかな。私が馬車を引くよ。荷馬車でも良いじゃないの。最初だけは入国税が必要になるけど、商人ギルドに登録すれば必要なくなるでしょ?』

「そうだね。じゃあ、どこかで馬車を手に入れるかな。街があればいいけど」

『盗賊を見つけて手に入れるのはどうかな。使えないほどじゃなかったらいいと思うよ。それか何処かの村か街で売ってもらうか、だよね』

「そうだね。じゃあ、何処かの街で見てみようか。どうせ、後で使うだろうし、ホロを外せば荷馬車にもなる程度のものでいいよね」

『高級なものは逆に目を引くから普通でいいと思うよ』

 

 わかった、と世界眼で探すことにした。使い方はいろいろあるんだな、と楽しくなる。

 明日、移動しながら探ってみよう。新しい使い方を知った世界眼。とてもありがたいし、楽しいよ。



 朝になって、時計の目覚ましで目を開ける。

 ふわぁ~と背伸びをすれば、ベッドの足下でニジも目を覚ます。


「おはよう、ニジ」

「ピュィ!」


 おお、元気だね、ニジ。

 そろそろ起きようかと身体を起こして着替えをする。いつもの冒険者装束を身につけた俺は、ニジを肩に乗せてキッチンに向かった。


 さて、今朝はホットサンドメーカーを使う日だ!


 パンにバターを塗り、何枚も重ねて行く。そして、パンの上に葉野菜を置き、ゆで卵のカットしたものを並べて、その上にチーズ。そしてトマトを置いてハムを乗せる。その上からもう一枚のパン。

 そうやって作っていれば、ニジが手伝ってくれるらしい。バターを塗った方が内側だよと言っておく。この機械はテフロン加工してあるので、外側に油を塗る必要がない。それなら簡単だ、と作り始めた。

 

 できあがった二組を機械に挟んで上から押せば、パチンとロックがかかる。とりあえず、タイマーを試さないと、と一分程度でやってみたが、もう少しだね。

 結局、一分半で決まりだ。

 それならば、次々やっていきましょう。

 途中で卵がなくなったので、ベーコンを入れることにした。少し厚めのものを入れるんだけど、これは一度焼いたものなので、問題ない。

 途中から具か変わってしまったけど、問題ないだろう。とりあえず、できる限りの数を作った。当然、俺とニジで味見をしたが、どちらも旨いと絶賛してくれたよ、ニジは。俺も旨いと思う。半分に切ると、中から熱々のチーズがとろりと溢れだした。厚切りベーコンの脂がパンにしみて、噛むたびにジュワッとしたうまみが広がる。これは何個でも行けちゃう奴だ!

 中々良いではないか。ふふふ、ハクも絶対喜んでくれるよね。


 ニヤニヤしていたら、ニジがハクを起こしに行った。

 なおぉ~と聞こえて起きたな、と理解した。

 

 さっそく準備に入りましょう。

 ハクの食器をテーブルの上に取りだしておく。飲み物は何になるのかな。


 おお、やっと起きてきたハクが、遅くなったと挨拶した。


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