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第23話 残りのお宝をフォルダとファイルに整理した

※少しだけ文字数多めです


 ニジと二人で残ったこねこねを終わらせましょうか。


「ニジ、挽肉とタマネギ、卵をむらなく混ぜるの、頼めるか?」

 

 そう問えば、ニジは自信満々で両手を挙げてくれた。見ていれば、ニジはボウルの端に身体を止めつけて、触手でまぜ始めた。それはすごいな。それに早い。あっという間に終わったこねこねは、ちゃんと粘りが出て最上級だよ。


 そして一度ニジを浄化してから成形していきます。ニジのこねこね能力は素晴らしい。大きなお団子状に分けたハンバーグのネタと小さめのニジ用のお団子を二人でパンパンと空気を抜きながら形を整えます。うん、上手だね、ニジ。手のひらだけが大きくなってるから全く問題なく形成されていくんだ。ちゃんと空気を抜きながらパンパンと両手をハンバーグが飛び交う。すごいとしか言いようがないよ。

 それをトレイに綺麗に並べてストレージに順番に保存してゆくよ。大きいハンバーグは全部で四十五個できました。半分くらいの小さいのは、驚くことに四十個あったよ。頑張ったね、ニジ。

 それらも全てストレージに入れてニジを浄化しました。当然、俺も綺麗にしたよ。使った道具も全て綺麗に浄化してから、お宝整理にもどりましょう。


 豪商のはめてた指輪を確認すれば、洋服だ。これは普段着かな。とてもいいものだけど。貴族用みたいに派手じゃない。上質の綿とか麻だ。いろいろたくさんあるよ。綿や麻は高級品があるんだと聞いたことがある。それなら、これは自分で着るかなぁ。とりあえずアイテムボックス鞄だね。


 あとは、革鎧がたくさんある。

 新品だけど、冒険者用だね。お? ドワーフが作ったものらしい。それなら高級品か。裏にはちゃんと刻印が入ってるね。これは高そうだよ。

 このままストレージ行きですね。武器ファイルがあるからね。


 他の指輪には普通の剣がいろいろある。

 長剣、大剣、ショートソード、解体用ナイフなど。どうやらこれも鉄ではあるがドワーフ作らしい。

 その下には魔法鉄で同じような武器がある。その隣は魔法鉄と魔法銀を使ったものらしいね。

 全てドワーフの作った武器みたいだ。 


 つぎに出て来たのは槍? 短めのと長いのがある。鉄の槍と魔法鉄の槍だ。もちろん、ドワーフ作。これは投擲スキルで投げて使えるかな。

 これもとりあえず、ストレージに入れましょうか。

 

 さて、残っていたのは木箱だ。

 何が入ってるのかと蓋を開けるまでに鑑定したら、ミスリル、タンザナイト、オリハルコン、ヒヒイロカネなどの塊でした。

 あはは、これなら何でも作れるじゃん。

 当然、全部の金属をストレージの保存フォルダに入れました。

 盗賊から持ち帰った武器も、武器は武器で分けてくれるから大丈夫。

 その他のものも放り込んだら、それぞれファイルができてました。


 精錬済金属というところに、さっきの塊は入ったみたい。あと、武器防具という独立したフォルダもできてる。それには長剣や短剣、槍、革鎧などの小さなファイルがあったよ。これはすごいね。

 じゃ、次だね。


 豪商の持ってた小さな箱に並ぶアイテムボックスの指輪を確認しましょうか。

 あれ、これは。所有者未設定になってる。ということは国宝級?

 容量無制限・時間停止型アイテムボックスになってるね。今は豪商が死んだから所有者未設定なんだな。

 じゃあ、指輪を握ったままで見てみましょうか。

 

 あはは、さすが豪商だよ。

 これ、金ばかりだね。それも見たことのない金がある。これはなに?

 あ、さっきのドラゴン金貨だって。

 今わかったけど、国同士の取引くらいしか使われないらしい。おっそろしい金額が書いてあるんだけと。数えるのが嫌になるほどだ。とりあえず、中身をストレージに移しておこう。

 同じ指輪で意匠違いのものが五個。全部嵌めるのかよ! まさか、ひとケース丸ごと同じだとは思わなかったよ。どうなってるんだよ、この世界は! 金、余ってるのか?


 

 それ以外では、ブレスレットのアイテムボックス。これがいくつかあったんだけど、全部料理だった。俺と同じように考えるやつがいるんだな。でも、豪華な感じがした。ワンセット出してみたら、貴族が食べるようなものでした。まあ、別にいいけど。参考にさせてもらおう。これは料理の所に入れた。アイテムボックス鞄だね。

 肉串なんかも同じファイルだけどね。これで空いた指輪のアイテムボックスが五個できたよ。時間停止容量無制限だから、使う事もあるでしょう。その時まで保存だな。そう言いながら入れてみれば、あちらこちらから同じような時間停止容量無制限のアイテムボックスが集まったみたいだ。まあ、これは保存だから問題ないでしょう。


 あとは、普通の鞄に財布かと疑うほどのものが入ってた。大金貨、金貨、銀貨。銅貨以下はなかった。


 別にあったのが、魔法鞄というやつで、これには契約書とかなんか、いろいろあった。中身はいらないね、これは。だからゴミのファイルに中身を入れた。魔法鞄は使えるしね。ただ、容量は余り多くないし、小型だけど書類鞄的な感じ。まあ、事務職の人は助かるかな。当然、売りますよ。



 結果として、それでおしまいだった。

 野菜や果物はありがたかったけど、金はどうしたものか。まあ、気に入った国があれば孤児院でもつくるかな。それくらいで考えておこう。



 ゆっくり眠った俺たちが起きたのは、午前八時。

 作り置きの朝食を食べながらハクに問うてみる。


「どうやって行くの、インデルート国まで」

『とりあえず、私の知っている国までは転移で行こうと思うんだ。急ぐんでしょ?」

「まあ、そうだね。とりあえず生死を確認したい。それと望むなら助けたいんだ」

『わかった。では、ここから東へいった三つめの国までは転移するね。大した国々じゃないから、転移してもいと思うよ。気になるなら、戻ればいいだけだし、それでいい?』

「うん。いいけど。その先が目的地?」

『違うと思う。この地図を見る限り、違うみたい。そこから南になるみたいだから、五個の大小の国を飛んで移動する。できるなら、山頂を移動すれば早いんだけど、可能かどうか。魔物の問題もあるからね』


 そういうことか。それなら、地道に行くしかないな。


「それなら、転移してもらって、あとは、地道に進んだ方がいいと思う。とりあえず、直線で飛んでもらいたいんだ。途中で、魔物がいたり盗賊もいるかもしれない。その時はその時で、討伐しながら行ったらいい。肉や他の食材が足りなくなりそうなら、近くの国で買い物するよ。そんな感じでいいかな」

『わかった。じゃあ、主とニジは結界を張ってね。私は自分に張るから』

 

 「了解だよ」と返事をして、食事を終わらせた。

 二人がデザートを食べてる間に、俺は食器などを浄化する。

 ハクのお風呂も湯を抜いて浄化した。自分の風呂は昨日のうちに済ませている。

 あとは、魔道テントの中を整えて、それぞれを浄化し、アイテムボックス鞄に入れた。



 じゃあ、再び椅子を取り付ける。きつくないかと問えば大丈夫らしい。

 ニジは、いつもどおり俺の鞄に入った。前掛けにしているので、前を見ながら準備万端だね。

 ハクの背に乗って、結界を張った。


 

 少し走ってから空に上がったハク。

 一瞬で景色が変わったんだけど。

 頭の中のマップで確認すれば、三つの国を通り越す国境門の上を通過していた。これはすごいね。どれくらいの距離、転移できるんだろうね。


『主。ここからは、次の国に向けて空を進むけどいい? 目視できる場合は転移するから』

『うん。お願いね。途中で人が襲われてたら、助けようか。それくらいかな。あとはハクが狩りたい獲物がいたときとか、盗賊を見つけたとか、任せるよ』

『わかった。じゃあ進むね。ただ、空の魔物もいるから、主も気配を探ってね』

『わかった。気配は探っておくよ。何かあれば念話するから』


 わかった、とハクは速度を上げた。

 とりあえず、今は肉もあるし食べるものもたくさんあるので、気にしなくていいんだよ。だから、ビュンビュン進む速さを楽しんでる。結界のおかげで風は当たらないけど、眼下を流れる雲の速さが異常だ。王都がまるでおもちゃの街みたいに小さくなって行くのをみて、改めてハクのすごさを実感したよ。



 二時間ほど過ぎた頃、ひと休みしないかとハクから話がきた。当然だ、ハクは疲れているだろうしね。

 じゃあ、と湖の側に降りることにした。ちょうど、森の中腹に湖が見えたから。

 そこは、とても綺麗な場所だった。

 あたりには魔物もいないらしい。水もとてもいい水だ。ここならハクもひと息付けるだろう。そのために、屋外で使うテーブルを置いた。椅子も一脚だして、時計を確認して、そろそろ昼食にしようと思い立つ。

 それなら、といろいろ取り出しているのだが、ハクとニジは湖の浅いところで遊んでる。

 どうやら、湖底には魔物がいるらしいが、襲わない限り大丈夫そうだ。


『主、籠はある?』

「籠? あるよ。大きいのがいいの?」

『それなりの大きさがいい。この湖の魚は食べられるみたいだよ。ブラウントラウトだって。少し捕まえたから、籠に入れる』

「そう! それは嬉しいな。じゃあ、これでいいかな」


 うん、と籠を咥えたハクは、ニジの所へ持って行く。その中にポイポイと魚が放り込まれていくのだが。あれ、シャケみたいな感じだな。まあ、トラウトというんだから、それ系か。うれしい、魚が食えるぞー!


 でも、今日の昼飯は、何にするかな。

 じゃあ、トンカツにしようか。うん、それがいい。

 野営の時に使うキッチンを取り出して、揚げ鍋に油を入れて火にかける。ついでに炊飯しておこう。ご飯はどれくらいあっても問題ないからね。

 

 炊飯鍋二個分の準備をしてオーブンに入れる。そして、魔力タイマーだな。


 大騒ぎしながら魚を捕ってる二人だけど、そろそろ籠がいっぱいらしい。

 もうひとつと言われて、籠を渡したんだけど、その処理をするのは俺。まあ、いいか、めったに食べられないからな。


 トンカツを揚げ終わり、キャベツを盛り付けた大皿はハクの分。トンカツ八枚を三つに切ったよ。

 普通の皿にキャベツを置いて、カット済のトンカツをおいてあるのが、ニジと俺の分。俺たちはそれぞれ二枚分だ。

 ローストンカツといっても、オークのロースそのままのサイズなので、かなりデカイ。俺のは皿からはみ出てるし。


 トンカツとパンを食べる二人を見ながらご飯とトンカツを食う俺。どちらもトンカツソースをかけてある。その俺の足下には、三つの籠に入ったブラウントラウトが山盛りだ。

 ため息を付きながらトンカツを食う。

 あとの仕事は大変だが、今はトンカツの旨さに感激中だ。三人のお気に入りになったぞ、絶対。



 早食いした俺は、キッチンでせっせとブラウントラウトのウロコを取り、腹を出してる。卵の時期ではなかったようだが、身はぷっくりと肥えて厚みがある。とりあえず、内臓を出しておけば、あとでどうにでも調理できるから。


 やっと終わった、と息をつけば、二人はごろんと横になってた。ふふふ、お昼寝か。気持ち良さそうでよかった。少し休んでもらえば、ハクの疲れもとれるだろうし。


 魚をそれぞれ保存袋に入れようかと思ったのだが、とりあえず、そのまま入れることにした。

 今は食材はストレージに入れてあるからね。食材フォルダに魚を次々放り込む。

 最後に『魚』ファイルの数を確認すれば、ブラウントラウトは四十一匹いた。あはは、これだけあればしばらくあるな。嬉しいな~

 今度、ソテーで食べたい。ファミレスでしか食べたことないから、作ってみたいな。



 ハクが起きたのは三十分くらい経った時。そろそろ進もうと言われて、ニジはいつも通り、自分の部屋だとでもいうようにバッグに入った。俺もハクの背に乗って準備万端だ。

 結界を張ったハクの背で俺も結界を纏った。

 さて、出発だ。


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