第22話 ハクたちのお風呂作成とお宝確認、そして料理を楽しむ
ええと、これって、どういうこと?
豪商の馬車だと思ったんだけど、それほどでもないね。でも、おかしいよ、これは。
じゃあ、とりあえず、ストレージの中のゴミ箱にいらないものは入れてゆく。上にあったものは、日用品ばかりだった。それにしてもおかしい。
そのままで鑑定してみる。
あ、やっぱりだ。
荷台が二重底になってるね。
荷台の蓋を取って中を見る。なにやら箱がいろいろあるんだけど。それを取り出し並べてゆく。後ろには、深い箱があった。外から見れば、そこだけは下がってるね。
じゃあ、前は?
あ、同じだね。
とりあえず、全ての箱を取り出して、鑑定すれば、ただの馬車の荷台になってた。
じゃあ、これはゴミだね。
それぞれの箱を確認していくんだけど、深い箱を開ければ、鉱石があった。いろいろと混じってるみたいだけど、価値があるのかな。
鑑定してみればそこそこあるね。もうひとつの深い箱はキラキラ光るインゴットがあった。うーん、これは保存案件だな。
そう考えて、新しく作ったフォルダ『保存』に入れた。
さて、他には何がある?
ええと、これは。まあ、一般的に価値があるといわれてるものだな。武器、革鎧、革製品などなど。これは売ってもいいね。他の箱は?
あはっ、これは光り物か。
宝石を鑑定して見れば、それなりにいろいろあるらしい。
ダイヤ、アダマンタイト、ヒヒイロカネ、オリハルコンなどなど。
これは保存だな。
他は貴族のご婦人方がつけるようなきらびやかなものが山盛りあった。これはいらないので、売り決定だ。
他にもいろいろあったけど、まあ、おざなりなものばかりだな。
あと、残りはこの箱だけだな。
これは何?
中身は見たことのない硬貨? なんだろうか。
これ、なんだろう。でも金っぽいから保存しておこうか。
じゃあ、残りはおしまい。いらないものはゴミ箱にいれた。
そうだ、この際だから、ハクを捕らえていた豪商のものも見るか。
『主、土魔法、止まった。どうする?』
「ああ、ごめん。中を浄化するから」
<浄化>
おお、小さな岩の破片もなくなったね。
あとは水を入れても大丈夫かな。
「ハク、水がいい? ぬるめのお湯がいい?」
『うん、少しだけ温かく感じるくらいの水がいい』
わかった、とイメージする。
水だけど、ほんのり温かく感じる水を岩のプールに満タンにする。
<給水>
回りには、ちゃんと水の排水路もできてるね。あ、あっちに貯まるのか。貯まったら外に出せばいいかな。
ここって、最高のロケーションだろうよ。夕日に照らされる雲海を眺めながらの巨大な岩山露天風呂。……ハク、これ最高の贅沢じゃないか。開放感が違うよね。
それをきいたハクは、キョトンとしているんだけど、理解できてないんだろうね。まあ、いいさ。
どんどん風呂の湯が増えている。
さて、俺は続きをやるよ。
「ニジ、この浅いところはニジの場所だよ。ここからこの辺りまでね。ハク、ニジがそっちにおっこちたらすくい上げてね」
『了解だよ~』
「ピィ~ピィ~」
あはは楽しそうだな。
じゃあ、俺はもう一台の馬車を出そうかな。
ででん! と出てきたのは、きらびやかな馬車だ。
そして後ろの荷台だったものも取り出した。
まずは荷台部分からだな。
布を取れば、新鮮な野菜がたくさんある。そうか、あの段階でアイテムボックスに入れたからだな。
種類を確認したが、よく使うものばかりだね。じゃあ、これは回収だよね。
そうだ、食材フォルダに野菜のファイルを作ったら他のも入るのかな
やってみようか。
ええと、ストレージの中に食材フォルダを作って。ファイルを追加して『野菜』としてみた。
そこに見つけた野菜を入れてみる。
すると、どこかから野菜が集まって来た。ああ、これ、商人ギルドで買ったやつだな。
じゃあ、別のファイルを作ってみよう。
『穀物』
どうだよ、これで。
おおお! 米や小麦粉、小豆、片栗粉、米粉、餅米など、いろいろと入ってきたね。
うん、これは便利だよね。
じゃあ、これはメインといってもいいファイルだね
『肉』
魔物肉とは分けてないけど大丈夫かな。
おっと、集まってきたよ。
あれ? 小さいファイルができたけど。あ、『魔物肉』と『畜産肉』『魚』とでたね。それぞれに数字があるんだけど、これは在庫の数なのかな。メールが溜まった時みたいだ。
確認すれば、やはり思った通りだ。これなら、整理できるし大丈夫だな。
あとは『硬貨』フォルダだね。
おお、するすると別れてるけど、また小さなファイルができたぞ。
白金貨、大金貨、金貨、銀貨、銅貨、鉄貨だね。あれ? 違うのがあるけど、これは何?
別ファイルができてるんだけど。ドラゴン金貨?
なんだろう、これは。
鑑定してみれば、おっそろしいことがわかった。
ドラゴン金貨一枚で白金貨千枚らしい。ということは、十億? なんだよ、それ。
ええと、これはどこで手に入ったんだ?
ああ、さっきの盗賊のお宝か。それ以外にもあるんだけど。もう見なくていいや。だって、これ一枚で街が買えるレベルだぞ。不用意にギルドで出したら、国中の暗殺者が飛んできそうだ。……よし、このフォルダには鍵を掛けておこう。一生使わない可能性が高いかな」
銀貨や銅貨はある程度アイテムボックスに入れておこうか。金貨も少しはあった方がいいな。
今のアイテムボックスは空だけど。とりあえず、刀を入れたり冒険者用の靴や服を入れるから必要だね。あとは、買い物をしたものを入れておこう。買い食い用だな。
何かの時には役に立つだろう。ストレージを知られるよりはいいだろうし。
まあ、もったいないし売れないよ。所有者登録してるんだしね。そうだ、テントは入れておくかな。
明日片付けるときに入れよう。
さて。
二人はさっきから楽しそうにしてるね。
あ、ニジが深いところにいるけど、大丈夫なのか? あ、スライムって浮くんだね。
あはは、知らなかったよ。
じゃあ、ここからは料理の下ごしらえだね。
『主、腹がへったー!』
あはは、ハクも会ったときより、随分甘えてくれるようになったね。言葉遣いが変わったよ。
「わかった。じゃあ、気がすんだら上がってきてくれるか?」
嬉しそうに長い尻尾が揺れた。
じゃあ、その間に、コンロを取り出して、オークのバラ肉をカットして、デカい寸胴に放り込む。わき上がったらあく取り作業だ。スキルでできればいいけど。やってみるかな。
トンカツ用のロースは、厚さを均一に切ってもらう。二センチ弱でスキルさんにお願いしました。その後は、筋切りもやってみせれば、すぐに再現してくれるんだ。これはすごいことだね。
とりあえず、わき上がるまでは昼ご飯にしよう。
二人に今日買った肉串や揚げ物、つみれ串などを取り出す。ハクには、ボウルに山盛り入れてやった。ニジは小さなお手々で串をもって食べるんだよ。
パンでいいかといえば、嬉しそうにパンを取って食べている。ハクには、別の籠いっぱいにして隣りに置いた。
嬉しそうに二人が食べてるね。
じゃあ、俺は寸胴を確認して、もう少しだな、と立ち食いだよ。
ふつふつと沸いてきた寸胴のあく取りをする。そうだ、ネギの青いところを入れたらいいんだっけ?
太いネギを取り出して、上の青い部分をカットして放り込む。
肉串を一本食べる間に湧き上がったので、あく取りだ。
何度も繰り返していると、自然にあく取りができはじめた。あ、スキルが学んだね。
じゃあ、火加減を調整して椅子に座る。
野菜サラダを取りだし、マヨネーズをかければ、二人とも大喜びで食べますね。これは俺の手作りマヨだ。市販のものは酸っぱいらしい。
でも嬉しそうにたべる姿をみて幸せを感じる。
ふふふと笑いながら、幸せだと思ってしまった。
二人は、そこそこ遊んだようで、昼寝がしたいというので、浄化して綺麗に乾いたのを確認して、二人用の魔道テントを取り出した。
静かに入っていった二人は、すぐに静かになったね。
俺は仕込みの続きだ。
トンカツとかトンテキに使えるオークをカットする。
ヒレ肉も同じ用にカットして保存容器にいれた。それはアイテムボックスへと入れましょう。
スキルさんが覚えてくれたので、あっという間に、トンカツ用がデカい保存容器三つできました。枚数にして、百枚ほど。
ヒレも同じようにスライスして、こっちは、サイズが小さいので、三百ほどできました。
あとは、次の機会にパン粉づけをしましょう。
スキルさんが煮込みながらあくを綺麗にとってくれました。だから、次は煮込みますよ。茹でた豚バラを浄化した鍋に放り込み、生姜も放り込んだ。その後は大量に味を付けて煮込みます。
そんな感じで、生姜焼き用の肉もスキルさんがスライスしてくれて、保存袋のデカいのに十袋できました。
そして味噌汁が完成した鍋は熱々のままアイテムボックスへ収納。
俺は料理の下ごしらえに戻ります。
とりあえず、牛丼を仕込みます。
タマネギをさささとスライスしてくれるスキルさんから受け取って、大鍋に放り込みます。
少し肉を炒めてから味を付けましょ。
甘めの濃いめ、これが俺の好きな味なんだよね~
結界の中に醤油と砂糖が焦げる香ばしい匂いが広がっていく。これはたまらんなぁ。
後は、鶏肉とサーペントの肉をカットして、保存袋に入れて味を付ける。助かります、ジッ○ロック!
当然、それぞれ、ニンニク醤油と塩ダレでつけ込んだので、量は倍になりました。
他になんだっけ、と首を捻るんだけど、思いつかない。
ええと、まあ適当でいいか。途中でまた仕込めばいいしね。
そうだそうだ。思いだした、ハンバーグだよ!
これはかなり簡単~
スキルさんに全てのカットをお任せして、タマネギを炒めている間に、オークとワイバーンのミンチをスキルさんが大量に作ってくれました。
山盛りのタマネギも小さくなったので、こねこねタイム~
その時、ニジが起きてきましたね。
ええと、テーブルの上にあがったけど、何?
もしかして、お手伝いしたいの? と問えばピィピィいうので、間違いないでしょう。じゃあ、浄化しようねと全身を綺麗にしました。
その前に果物をむいて、ニジにあげます。俺も食べたかったから。ミルクと果実水をだせば、ミルクを選択しましたね。
ジューシーな桃みたいなもの、イチゴみたいなものを皿に盛れば、嬉しそうにたべます。途中で小さなミルク瓶を持ってゴクゴク。
本当に可愛いね。
ひとしきり果物をたべて、自分とニジを浄化します。




