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第102話 それぞれの思惑は……

【本当ですか! それはありがたいです。各国で、商人ギルドの宿にお泊まりいただいておりますので、聞いてみますね。……はい、高ランク冒険者であり、商人です。ですから、この先もご利用いただけると思いますので】


 あはは、そういうことか。 

 でも、じいちゃんは高級な宿がいいって言ったよな。それなら、一部屋だけ借りるか。シングルでもいいな。そこなら空間の入り口にできるな。まあ、それもいらないか。じいちゃんに聞いてみようか。


『じいちゃん、タケルだけど、今いい?』


 ――うむ。良いぞ、宿の事か?


『そうなんだよ、なかなか優しい宿はなさそうだね。でも、高級宿がいいんでしょ?』


 ――なるほど、王都を確認した。そこならば、宿は難しかろう。下品な国である。国王は変なやつだと言われておるが、お飾りであろう。宮廷魔術師と宰相が国王を操っているようじゃ。ならば、空で空間に入るがよい。アレックスも空を飛べるようになった。故に、結界を張り、空間に入れば良いのじゃ。飛べない者はそれぞれが連れて上がれば良い。食材やらもたくさん持っておろう? ならば問題ない。侍従や文官も空間でおられる。ひと目を気にせずとも良いのじゃ。冒険者たちがニジとフィーリアと共にダンジョンに入るならば、猫獣人が不安故、ブルーを伴うがよい。ただ、猫獣人が参加できなくなれば、ブルーも空間になろう。タケルのように操ることができぬ故、仕方がない。ニジはブルーのマジックアイテムの中で攻撃すればよい。ブルーが空間に戻れば、フィーリアの背じゃの。それで空を進むのじゃ


『なるほど、そういうことか。それなら、そうするよ。ブルーは俺と裏ダンジョンを攻略してくれたから、乗りこなせれば最高だね。でも、リカは途中で戻すよ。斥候は最初に進むことになるから。ただ、罠があるなら、心配だけどね。ブルーがそういう能力を持ってたらいいんだけど。そう、壁や地面に仕掛けられている罠だけでもわかればいいんだけどね。最初に攻撃能力をつけてなかったから』


 ――それは問題ないであろう。フィーリアがおる。罠のあるなしは、フィーリアに階層ごとに確認させるがよい。もし、罠があるならば、エリアごとに指定すればよい。魔物がいないときには、何か印をつければ良い。冒険者が確認すればよいのだ。もしくは、アレックスを同行させるか、じゃの。その方が安全であろう。ドラゴニュートの能力だけで問題ないレベルである。その間、お前とハク、クロノスで高ランクを進むか?


『うーん、それはどうだろう。Dランク以下は後で考えてもいいかと思ってたんだ。だから、Dランクはおいておくよ。Cランクを冒険者たち、アレックス、ハク、フィーリア、ニジでやっていこうか。初日で変更してもいいからね。Cランクなら、リカは無理かなぁ』


 ――うむ。ではCランク以上を目標にすればよい。まあ、Dランクは攻略しても、さほど意味はない。成長するにしてもすぐには自由になることはない。ただ、魔道錬成師がもったいないの。それは後ほど訪れるのであろう? そこで気に入った錬成師を雇えば良いのじゃ。そのつもりでな。そろそろ、結果が出そうである。足りないものを購入して、戻ればよい。良い話は戻って来ぬであろう。いつもの通り進めれば良いではないか。じゃが、この国がこれほど情けないとは認識しておらんかった。悪かったの、タケル


『ううん、問題ないよ。だって、俺もこれほどだとは思ってなかった。国に入ったとき、空気が悪かったしね。ごめん、心配かけて。ダンジョンはCランク以上を攻略していく。それに、空間にいるなら、ギルドに攻略宣言しても、居残り組の心配をしなくて良くなるから。吹っ切れたよ、じいちゃん。ありがとう。じゃあ、買い物して、空間に入るよ』


 ――うむ。では、貴族どものことはこちらで調べておこう。なれば危険も減る。お前の力になれる故な。遺恨は晴らした方が後が楽になる。リッチにもダンジョンに入ることを伝えてやるがよいぞ。ならば、さっそく貴族どもの調査を進めよう。楽しくなってきたぞ


『あはは、じいちゃん、楽しんでるの? 俺も楽しむよ。じゃあ、またね』


 うむ、と聞こえて会話を終えた。


 目を開ければ皆が俺を見てる。


「あ、ごめん。いろいろ調べてたんだ。で、どうなったの、宿のことは」

「お待たせして申し訳ございません。それで先ほどの宿に話をしましたが、できればギルド経営の宿にお願いできませんか?」

「……ふうん。まあ、いろいろ交渉してくれたみたいだけど、三つの宿は問題外だよ。あんな考え方で、客にサービスされてもね」

 

 あはは、戸惑ってるね、会頭さん。


「悪いけど、聞かせてもらったよ、宿とのやり取りを」

「そ、そのようなことができるのですか?」

「まあ、そうだね。ラス、空室分も支払って最上階を借りる利があるか? それなら空間でいいよ。じいちゃんとも話したから問題ない」

「なるほど、お聞きになったのですね。それならそうしましょう」

「うん。いろいろ話したよ。だから空間にしよう。さっそく入りたいからね」

「ええと、調査は?」

「大丈夫。じいちゃんが引き受けてくれた。楽しそうだったよ」


 なるほど、とラスがにっこり笑ったね。


「会頭、いろいろとご努力感謝いたします。ですが、主は己の空間を持ち、屋敷もありますので、そちらで過ごしましょう。そうでないと、安心できませんので。では、買い物は必要ですか?」


 フルフルと首を振る皆だ。


「では、会頭。失礼いたします。ではタケル様。もどって美味しいお茶をいただきましょう」


 そうだな、と言えば全員が吹き出したぞ。


 

 その後、馬場をお借りしますと断って、裏に向かいます。

 空中で出入りすることを徹底してねと話せば、ハクが大きくなったよ。その後は、フィーリアもかなり大きくなった。いつもよりデカいね。そして、ラスを背に乗せたよ。ハクの背にはパトリオットとバウ、リカが乗った。アレックスが翼を出してセバスを背負ったね。俺の鞄に入ったニジと俺は飛翔で上がる。クロノスもそのまま飛ぶらしい。

 じゃあ、上がるよ~と言えば、ブルーが乗せてくれた。


「ありがとう、ブルー。懐かしいね」

『ソウデスネ。ドノアタリガヨイカ、オモウシツケクダサイ』

「うん、そうだね。少し上がろうか。もうちょっと高い方がいいよ」

『ショウチシマシタ』


 ブルーは気持ち良さそうに空を進む。

 そろそろいいかな、と思っていれば、クロノスが少し先に行って止まる。全員が気配を察知しているけど、誰も文句はなさそうだね。広い認識阻害結界が張られたよ、透明のやつ。

 全員を包み込んだのをみて、ブルーから飛翔した俺は空間を開きます。


 オープン! ぷにっと空を押す。


 するすると大きな引き戸が開いていった。最初に入ったのはクロノス。次に俺とブルー。ハクが入ってきて、アレックスも戻ったね。


「全員入ったね」

 

 皆の顔を確認して、クローズしたら、すごい速さで引き戸が閉まった。あはは、近くに誰もいないと安全優先なんだね。



 はぁ~やっと戻った……

 皆、地面に降りて、浄化し合ってるね。できない子はできる子がしてくれてるよ。

 ニジは浄化してやれば、ピョンピョンとんでダイニングに座ったね。

 セバスはすぐにお茶の準備を始めた。ラスとリカは、台所で何か始めたよ。


「あるじ~、ごはん、たびり~?」

「もうそんな時間か? あ、過ぎてるな。ごめん、ラス、昼飯食える?」

「はい、大丈夫ですよ。最後の仕上げだけですから」


 頼むね~と言えば、皆がそれぞれの席に座ったよ。あ、アレックスの椅子! とみれば、丸太のぶつ切りがあった。

 これいいね、と言えば、バウが持って来てくれたらしい。どうやら、いろいろ作った残骸の中から探してくれたらしいね。

 だから楽そうに座ってるんだ。

 

「普通の大きさに戻っていいよ」

「いえ。このサイズで過ごすようにします。そうでないと、いろいろ破壊しそうなので。できないとダメですから……」


 そうなんだ、考えたんだな。

 クロノスだって、ずっと人型だからね。

 そうだ、今の間に話しておこうか。


「ちょっと聞いて。今日、宿のことを話したとき、じいちゃんがね、ランクDは後でいいって。大したものじゃないらしいから。だから冒険者たちとハク、アレックス、フィーリア、ニジは別れていくか? 全員で一つを進む方がいいけど。その方が攻略が早いだろうしね。ダンジョンごとに、最下層を聞いて、攻略してある所は放っておいていいよ。まあ、それは調べるけど。基本的に浅い階層、例えば五階層にいって、大したことがないならすっ飛ばす。階段にいけば次の階層は探索できるからね。その時、リカは階層をみて戻してもいいよ。あとは、大怪我して、ポーションとか魔法で治らないときには連絡する事。それ以外は、頑張って最下層を目指す。まあ、そこそこあるようなら十階層くらいから、かな」

 

 そんな風に言ってみた。


「それならば、ハクとアレックスでAランクに入りますか?」

 

 パトリオットが聞くんだけど、無理だね。


「それは無理。Aランクだと、下に行くほどボス部屋にはSランクがいる場合が増えてくる。だからダメだよ。それならBランクCランクで別れるか? ただ、俺が心配してるのは、罠だよ。小部屋や狭い通路は、わかると思う。でも、床が問題。俺の時みたいに、裏ダンジョンなんかを仕掛けられたら、おそらく生きて戻れない。それを心配してるんだよ。冒険者たちなら、大丈夫だと思うけど、俺は戦っていたときに、敵がトラップを踏んで飛ばされたからな」

 

 なるほど、と皆が考え始めたよ。どうするかな、これは……


「タケル。おそらくだが、Cランクでも下層に近くなれば危険も増す。それなら、ハクとフィーリア、ニジをBランクに入れるか。アレックスと冒険者たちで、Cランクに向かえば、アレックスが罠やトラップはわかる。どのみち、一日では無理なのだ。夕食に戻った時、話し合えば良い。毎日戻るのだろう? 昼の弁当はわざわざ仕立てなくても、アイテムボックスがある。故に、スープは鍋ごと、米は炊飯鍋ごと、おかずは、大皿、サラダも保存容器に纏めてで良い。それを分けて食べるのも良いこと。今朝のアレックスは見習うなよ」


 あははは、と笑う仲間たちをみてアレックスは頭をかいてるな。

 それなら、間食も副菜も持っているはずだから、それを食ってもいいだろ? というクロノスをみて、なるほど、と皆が頷いてるな。

 

 じゃあ、そうします、と冒険者組は言う。

 アレックスにもいいかと聞けば、「もちろんです」と笑った。リカは悪いが、パトリオットの判断で、階段で空間に戻ること。その時は結界を張って入り口を開いてもらえ。

 そういえば、必ず、と約束してくれた。扉を開くのはアレックスが請け負ってくれた。



********************

【あとがき】

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!

面白いと思ったら、★評価やフォローで応援お願いします。 皆さんの評価とフォローが、タケルの魔力になります!

この後は、少し投稿間隔があくと思いますが、頑張ってお話を書きますので、待っていてくれると嬉しいです(^^)/

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