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第103話 国を攻め、ダンジョンを壊すためのいろいろ

「じゃあ、Bランクはハク、フィーリア、ニジで頼むな」

「そらからのこうげき、でいい?」

「ああ、いいよ。でも相手によって変わるからね。最初は俺が入るよ。人がいないと面倒だろ?」 

「でも、途中でどうやって迷宮から出るのですか?」


 うん、パトリオットの疑問は理解できる。それが大きな問題なんだよね。


「問題ないであろう? タケルのステータスならば全く問題ない。ダンジョンからダンジョンへ移動することも可能だ。それにダンジョン内も自由、その上、ダンジョンから一時外に出ることも可能である。故に、中に入って、途中まで空を移動し確認すれば、我が待つところに戻ればよいのだ」


 すごいです! と冒険者たちが大騒ぎだ。


「それなら、ハクとフィーリア、ニジをBランクに残し転移してもいいってことだろ? 冒険者たちは人がいるから問題ない。入るのは探索者協会で入る手続きをするから、記名したあと、アレックスの名前を入れてもらえばいいよ。ドラゴニュートでね。それとも、バウかパトリオットが一緒に入ってくれる? 途中で連れて戻るからさ。あ、でもダメだね。冒険者組が進めないよ。じゃあ、どうするかな。クロノスは探索者登録できないかな」


 「それは無理だ」と言われちゃったよ。でも、俺はひとりしかいないからね。どうするかな……


 探索者協会はどうやらランク別にあるらしい。Bランクからはそうなってるって。それなら大丈夫だね。じゃあ、俺が移動することにしよう。うん、これで何とかなるかな。

「じゃあ、明日から行くか? どう、それでいいかな」


 はい、決まりましたよ。


「タケル、我はSランクに入ってから、最初は人型で進もう。戻るまではその方が良いだろう。戻り次第、臨機応変であるか、それでよいか?」

「うん、それでいいよ。入る前に、行けるところまで出てこないから、と伝えればいいだろ? それは、冒険者組も、ハクのグループも同じだね。中で空間へ出入りするからさ」

「了解です。では、探索者協会で話しましょう。アイテムボックスを持っているので食事もあるし、規定期間以上滞在するかもしれないと」

「うん、そうしてよ。他もそうするからさ」

 

 了解です、と皆が嬉しそうに笑う。


 話ながら食ってたので、話が終わる頃には俺は満腹だ。皆まだ食ってるけど。

 そんなことは気にしない俺は、美味しいデザートをもらってリビングに移動して食べますよ。

 そうだ、とラスを呼ぶ。


「とりあえず、食材を確認して。足りそうもないのは渡すよ。デザートも今朝買ってきた分、渡すから。ミルクは小瓶は全て渡す。あと大瓶も一箱だけ持っていくけど、それ以外は渡すね。持っていきたいおやつがあるなら、それぞれが早起きして、ラスが渡して。数が足りなくなったり、不足しそうなら言ってね。外に出られないけど、俺が行ってくるからさ」

「わかりました。もし、そうなれば早めに言いますね。あと、ホットサンドとかいろいろ作りますので、大丈夫ですよ。パンケーキなんかもおやつになるでしょ?」

「うん、ありがとうね。助かるよ。お菓子のレシピはわかる限り描いておくから。まだあるんだよね、とっておきが」

「それは是非、おねがいします!」

 

 うん、と伝えていろいろとラスのアイテムボックスに移動した。

 あとは、明日の朝から潜るから、ゆっくり休むように伝えておいたよ。昼寝でもいいし、風呂で遊んでもいい。自由にしてねと言えば、大型組は風呂に入るらしい。どうやら、パトリオットとバウも一緒だって。ほんと好きだね、遊ぶのが。


 俺は昼寝するよ~と言えば、ニジもだという。クロノスは、本を読むらしい。どうやら、ニジから冒険譚を借りているんだって。すごいね、読書熱が上がってるよ。

 リカは、ラスの手伝いをするそうです。明日の食事の準備だそう。休まなくていいのかと言えば、ひと晩寝れば元気になるらしいよ。歳は変わらないのに、元気だよね、リカ。

 俺はいろいろ考えることが多いから疲れるんだって言われちゃったよ。

 じゃあ、先に部屋に行きますよ、と立ち上がる。セバスが、おはぎがいいか、柏餅がいいかと聞いてくれるので、両方と伝えて、日本茶とミルクを頼みました。

「オモチイタシマス」

 そう言ってくれたので、安心して、皆に手を振り部屋に向かったよ。当然、入り口はストッパーを挟んで閉めました。ニジの出入り口ですから。


 

 目を覚ましたのは、セバスが起こしてくれたから。爆睡しちゃってたよ。ニジはもう起きてた。あははは、俺が最後だね。


 ダイニングに向かえば、みんな笑顔だよ。

 テーブルの上には、ラスとリカが頑張ってくれたんだろう、美味しそうな料理が次々におかれる。

 すっごく嬉しいんだよ、俺の好きなものがメインだったから。

 いただきます! と手を合わせると、みんなが続く。

 俺はクリームパスタを取り、チキンのグリルを隣に乗せて、目玉焼きも置いた。そして山盛りの白米だ。サラダはそれぞれに定量が決まってるので、器に入って置かれている。強制だよ、これは。

 ニジは、あれこれとセバスが取り分けてくれてる。これも毎日の事だ。

 みんな、本当に楽しそうに飯を食う。ラスは追加を作ってるみたいだし、リカも何かを作ってるな。


 途中から、リカも食事に加わった。ラスの気遣いだ。明日、ダンジョンに入るからだろう。

 ラスはまだ作ってるけどね。クリームパスタも追加されたみたい。オーブンから出てきたのは、グリルされたチキンだ。

 うまうまな食事は続くんだけど、俺は満腹だ。

 ご馳走様して、ソファに移動すれば、セバスがおはぎとミルクを持ってきてくれる。嬉しいなぁ~


 あっという間に完食して、ミルクを飲み干し目を閉じた。


 △--▽--△--▽--△

 ーータケル、じいちゃんじゃ。今、良いか?


『うん、ご飯が終わったところだよ。何かわかった?』


 ーーうむ。いろいろとな。魔術師会は、明日の早朝、一気に滅せよ。さすれば、王都が揺れる。貴族どもは慌てふためくであろう。その後、知らぬ顔でダンジョンに向かうが良い。予定通り、分けて入れば良い。その間、クロノスは空間で待つようにな。

 同時に魔道錬成師の居場所を特定するように命じよ。できればダンジョンに入る前に、その魔道錬成師を確保したいものである。そのあたりは、人でなければ入れぬ故、街全体に結界を張って、出入りを制限せよ。そうでなければ守れぬぞ。もしくは、お前が本人に念話するが良い。セバスを手に入れた者だと名乗れば良い。

 これからダンジョンを全て破壊するからとな。其奴以外は、余り推薦できぬな。騎士を作った者もおるが、戦争のために武器を作る輩である故、勧めはせぬ。すぐにでも受け入れる用意があると伝えて、考える時間を与えるのだ。よければ、安全のために結界を張るとな。話の流れによって判断すれば良い。

 その後にお前がクロノスと共にSランクに入れば良いのだ。Sランクというても、最初の5階層くらいまでは、冒険者がウロウロしておる。そこを討伐しながら進めば良い。

 その間に、貴族どもは残った魔術師たちと策を練るであろう。残る魔術師たちは貴族どもと結託して、お前を亡き者にしようとした輩である。気にせずとも良い。そのうち、商人ギルドから情報を得るであろう。そしてお前を探すことになる。しかし、お前はダンジョンの中ということである。ひとつ目のSランクを攻略し、祭壇を壊した後、王宮へ向かうが良い。それで、拒否されたら、再びダンジョンである。Sランクはもうひとつある故、そこを潰すが良い。その後は再び王宮である。その繰り返しとなるであろうが、お前とクロノスには容易いこと。魔物だけを始末し、ドロップ品を回収するだけの作業である。そして核を取り祭壇を潰す。

 そのうちに、魔術師たちは、お前の本気を感じるであろう。しかし、貴族はバカばかり故、上から目線で押さえつけようとする。たとえ、この世界最大の国というても、ただそれだけである。勘違いをしておるのだ、奴らは。世界全体で見れば、小さな一粒であると気づいておらぬ。本当に馬鹿者たちである。

 他のメンバー達の討伐もうまく行くであろう。最終的には、貴族と王族を根絶やしにすること。国を統治するものは、処分する前に鑑定して見極めよ。それで問題ない。

 皆に伝えて欲しい、無理はするなと。人生を全うしなければ、良い輪廻の輪に乗ることもできぬ。重要なものならば、延命もしよう。お前のためになるならば、それで良い。世界を正してもらうために力を貸すぞ、タケル。頼むの、民は必死で生きようとしておるのだ。その助けを頼む


『なるほど、そういうことだね。俺も頑張るよ。力を貸してね。できる限りやってみるから。普通の国になればいいのにな、あの国も。欲に塗れた人は大嫌いだ。今からみんなに話してみるよ。ありがとうね、じいちゃん』


 ーーすまぬの、お前に難儀をかける。じゃが、お前に白羽の矢を立てたのは間違いではない。皆も同様である。では、明日から頑張っての


『うん、やってみるよ。見ててね。おやすみ~』


 △--▽--△--▽--△


 あははは、貴族は取るにならないということか。調べるまでもなかったね、いなくなれば同じことだよ。


 さて、そろそろ食事は終わっただろうから話をするか……


「食事は終わったか?」

「はい、もう終わりますけど?」

「悪い、話があるから時間がとれ次第来てくれ」


 了解です~と聞こえて再びベッドに腰を下ろす。

 ぴょんぴょん飛んで戻ってきたのは、ニジだ。

「ただいま、あるじ~」

「うん、お帰り。デザートは食べたか?」

「うん? まだたべてないけど、あとでセバスがもってちてくるっちぇ」

 そうか、それなら問題ないな。

 俺も何か持ってきてくれるかなぁ。さっきおはぎを食べたから、柏餅、ほしいなぁ……


 おっと、ニジの次にやってきたのは、フィーリアとハク、クロノスだ。クロノスは狭いからと俺のベッドに座った。次にやってきたのは、ラスとバウ、リカだ。その後は、セバスとブルーだった。ワゴンを押したセバスは、全員に焼き菓子と果実水を配り、俺にはおはぎと日本茶をお盆にのせて渡してくれた。その後は、出口でブルーとセバスは待機している。ええと、後は?

 はぁ、残ったのはパトリオットとアレックスだ。こいつらは現実が見えてない。本当に困ったものだ……

 はぁ、とため息をつけば、セバスがその場を離れた。おそらく呼びに行ったんだろうね。でも、それじゃダメだろうよ。


「さて。来ない奴らは放っておいていい。さっきおじいちゃんと話したんだけど、明日の朝一には魔術師会をぶっ潰す。同時に何も知らないふりをして、それぞれがダンジョンに潜ってほしい。アレックスは冒険者たちと一緒にランクCに入ってもらうから。ランクBは予定通りハク、フィーリア、ニジと俺が入るよ。ニジはブルーに乗るか?」

「う~ん、ふぃーりあがいるけろ、うごきにくいれしょ。それなら、ぶるー。といっしょいいよ。ぶるーなら、にじのをかんじてくれるし~」

「それでいいか? まあ、その方がハクとフィーリアも動きやすいかもね。じゃあ、それで行こうか。もし、ブルーを戻すなら階段で空間を開いて戻してね。階段なら大丈夫だと思う。結界を張った方がいいから、臨機応変でね」


 了解です、と頷いてくれたので安心だ。まあ、Bランク迷宮なら、そこそこの時間はかかるだろうからね。

「ラスに時間を見てもらうから、戻れと言われたら、次の階段で全員が戻れ。いいな、これだけは守れ」

 はい! と返事が聞こえた。じゃあ、次は冒険者組だな。


「冒険者組はCランクの攻略を目指す。バウ、パトリオット、リカ、ドラゴニュート姿のアレックスで潜ってくれ。バウかパトリオットが書類を書いてくれ。ドラゴニュート姿のアレックスは探索者登録が必要かもしれないから、その時はちゃんと登録な。それなら普通に入れるはずだ。まあ、パトリオットの存在を十分に使えばいい。だが、少々図に乗っているから気をつけろよバウ。リカは十分気をつけろ。罠を解除しながら進むから、時間もかかるし、リカを守るのは他のメンバーだ。心しておけ。夕方になって、ラスが戻れと言えば、階段まで進んで階段から空間に入ること。いいな」


 了解です! と返事をしたが、パトリオットとアレックスは、半分理解できていないようだ。

「あの……」

「うるさい。説明は終わった。お前らは、明日の段取りよりも飯を食う方が優先らしい。甘えるなよ。この国でも働き次第で考えるからな」

 そう言えば、ぶるっと震えた二人がいた。



********************

【あとがき】

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!

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