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人類の罪  作者:
動き出した繋がり
71/89

正樹確保!

稔さんが語り合えると、俺は胸がジーンとした。


これが家族を持つという意味かぁ。


「なぁ、父ちゃん、話終わった?」


いつの間にか近くに来たのか、小学生の兄が稔さんに絡む。

あれ? いつの間にか一人大人が増えてる。


「おうおう〜。話に夢中で子ども放置してたって、双葉ちゃんに言おうかなぁ〜」


アイドル顔で日に焼けた男が声を掛けて来た。


「やめろ。双葉に言ったら、お前の彼女にキャバ行った事言うぞ〜。」


「あー、それ幼馴染に言う事かぁ!」


幼馴染の圭介さんかなぁ? 背中にはあおくんが乗って、笑ってる。


いいなぁ。幼馴染……


グゥー。


俺じゃないよ。


顔を上げると、あおくんが「お腹空いた〜!」と自分の腹を指差す。


グウゥー。


…………。


「今のは僕じゃないよ。」


そう言って、大人二人がこっちを見る。


「はい。俺です。」


「お? じゃ、ご飯食べに来るか?」


俺は手を振って遠慮していると、圭介さんが話す。


「今日、おにぎりの日か?」


「いや、今日は確かラーメンって朝言ってたようなぁ。」


「へぇー、珍しいなぁ。」


「あぁー、なんか客が来るから、手軽にって言ってたぞ。」


二人が話している横で、俺はそっと手を上げる。


「お? どうした??」


「ごちそうになっていいですか?」


俺が聞くと、「おー、来い来い。」と言いながら、皆で歩き出す。


その道中で、圭介さんから聞かされたのは、毎日稔さんからの甘さたっぷりな惚気を聞かされて、最近めいいってるという話だぁ。


甘さたっぷり。


縛好きそうだなぁ。


「そういや、兄ちゃんもイケメンだよな?」


そう言うのは小学生の兄、昴くんだった。


「いや、そんな事はないと思う。」


「いやいや、爽やかな顔をしているよなぁ。稔とは真っ反対。」


「お? 喧嘩かぁ?」


圭介さんのイタズラに、稔さんはニヤッとする。


「あ、見えて来た!」


あおくんが前に見える建物を指差す。


「あそこが家なんですか?」


俺が聞くと、「うん!」と元気よく答えるあおくん。


なんとなく奥さんの名前を聞いて、そうじゃないかなぁとは思ってたけど……まさか旦那さんとお子さんに先に会ってしまった。


塀の入り口に近付いて来ると、稔さんが大声を出す。


「双葉ー! 帰ったぞー!」


そう言うと、双葉さんが走って来る。


「おかえり! それより、大変よ!! 今日来るお客さんが一人、今行方不明になったみたいで!」


「こいつじゃない?」


圭介さんが俺を指差す。


「え? そんな訳……。確かにあの写真の人だわぁ。」


待って、どの写真だぁ?!


「東雲さん〜! いましたよー!」


双葉さんが手を大きく振り上げて、遠くにいる二人を呼ぶ。


近付いて来た二人が、素晴らしい笑顔だぁ。


やばい、怒られる!!!!!


「待って。佐伯の兄ちゃん。」


逃げるより先に、柊木さんの手が伸びて来た。


縛は双葉さん達に頭を下げながら謝ってた。


そして、俺の方を向く。


「病み上がりにどこ行くのですか?!」


「どこって……ここ?」


「………はぁー。」


縛が大きくため息をつく。


「東雲、ちゃんと怒らないとまだやるぞ、こいつ。」


柊木さんの言葉に、縛は頭を振る。


「いえ、もう止めても無駄だと分かったので、GPS付けます。」


「待って待って待って!! 反省するから!!! ねぇ!?」


俺が謝ると、縛がじーっとこっちを見る。


なんとなく居心地が悪く、柊木さんの後ろに隠れようとしたが、柊木さんに前へ押し出される。


裏切り者!


「いえ、きっと口だけですから。決定事項です。」


「そ、そんなぁー。」


俺は膝から崩れて、落ち込む。


「ドンマイ。」


昴くんが慰めてくれる。それを真似するかのように、あおくんが俺の肩を叩く。


「どんまい。」


うぅー、まさか子ども達に慰められる日が来るとは…………


グウゥー。


俺とあおくんのお腹が鳴ると、周りの皆は爆笑する。


「もぅ! わらわないで!」


あおくんが怒ると、俺はうんうんと頷く。


それにより、さらに笑いが起こる。


分からぬ!!!


「ふふ、お腹空いたなら、よかったらご飯食べて行ってください。」


双葉さんの言葉に、俺は足軽やかに進むが、進まない。


肩を柊木さんに掴まされてるからだぁ。


「………ご飯。」


俺が言うと、柊木さんが無言で俺を見る。


はい。静かにします。


「ありがたい誘いですが、流石にご迷惑なので、僕たちはこれで。」


「ん? 食べていけ。迷惑じゃないから。」


稔さんがそう言うと、圭介さんと一緒に縛を押して家に入って行く。


あーー、一番権利がある人を先に見つけるとはやるのぉー。


俺がそう思っていると、柊木さんが俺の肩を離す。


「ラーメンー!!」


俺がスキップして行くのを見て、柊木さんが小声で、


「やっぱりラーメンのせいか。」


と言っていた。


俺は聞こえない。


ふふ、ラーメン楽しみだなぁ。

読んでくださり、ありがとうございます!

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小ネタ


「ねぇ、縛。今、もも食べたのだけどさぁ。」


「はい、食べましたね。」


「唇見て。真っ赤(笑)」


「…………。」


「田中先生。正樹さんがまたやりました。至急お願いします。アレルギー反応です。」

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