魅惑なご当地グルメ
ふぅー、お腹いっぱい〜!
久しぶりのラーメンに俺は3杯も食べてしまった!!
罪な食べ物だぁ〜。
俺は足軽やかに店を出ると、縛からストップが掛かった。
「?」
「ここからは二手に分かれますよ。」
「そうだぞー、お前はこっちだぁ。」
そう言って、俺は柊木さんに首根っこを掴まれた。なんで、俺はあっち行きたい。初めての新潟満喫したいーー!!!!
真美ちゃん達は「お土産買って来るね」と言い、そのまま車に乗り込んで行った。
あー!!置いて行かないでーーーーー!
心の声は虚しく、俺は大人しく乗って来たミニバンに乗った。
座り心地抜群。
そう思っていると、運転が縛に変わっている事に気づいた。そう言えば荷物もない。
「もしかしてなんですけど、一回宿に行きました?」
「お、行ったぞー。何回か起こしたけど、佐伯グースカ寝てたぞ。」
なるほど、さっきまでと何か違うと思った理由が分かった。
どうやら俺は結構寝ていたらしい。
「まぁ、これから行くのはここの町だぁ。」
柊木さんがそう言うと、モニターが降りて来た!すごい!!!
「え?いつの間に作ったのですか?」
柊木さんがケロッと言う。
「昨日の夜。」
「へぇー昨日の夜ですか?………あれ?今日初めて資料見たんじゃなかったでしたっけ?」
そう言うと、縛はバックミラー越しで俺に声を掛ける。
「服見てください。」
どういう意味?
そう思っていると、縛と柊木さんの格好に気付く。
変わってる。昨日と服装変わってる!!
俺は自分の服を見た。変わってる!!俺も変わってる!!
「………まさか………。」
「そのまさか。お前はもう一日寝ていたぞ。そして、今日は新潟の2日目だぁ。」
その言葉に俺はびっくり。
「え!でも体痛くないですよ。」
「そのまま車で寝かす訳ないだろ。東雲と一緒に運び入れたわぁ。」
「そりゃ、すみません。」
「全然大丈夫だぁ。タンカで運び入れたから。」
……え?
今、タンカって言いました?
俺、旅行先でタンカデビューしたの?
「まぁ、そんな事より、こっちの本題に戻るぞ。」
流された……。
そう思いながら、俺はモニターを見る。
モニターに映されたのは、日焼けして、一つ結びをした女性。子どもを抱っこして、幸せそうに笑っている。
「この人は?」
「今回会う、鈴木双葉だぁ。記録によると、事件に関する記憶はないが、自分の育った環境は憶えているらしい。」
「え?記憶があるのですか?」
「あー、全部ではない。」
「どういう事ですか?」
「まぁ、会ったら分かるだろう。」
そう言って柊木さんが次に進める。
「今回は米農家と契約するという事で、視察に来た事になっている。」
柊木さんが言うと、縛が口を出す。
「契約はしますよ。社員食堂で使わせていただきますので。」
あっ、縛はガチの仕事だぁ。
「え?米農家しているの?」
「あー、18の時にデキ婚で米農家に嫁いだらしい。」
「そうなんですか。」
18歳…………俺が施設を離れなければならなかった年齢。その時には、結婚をして、家庭を築いていたのか……
そう思うと、なんとも言えない気持ちになる。
「双子の姉の方だぁ。妹は今東京らしいぞ。」
そりゃ随分遠い事で……。
「姉妹仲は良くない。あんまり連絡は取らないらしいが、まったくない訳でもない。」
へぇー、姉妹仲あんまりなんだ。双子で仲良しなイメージあるけどなぁ。
「まぁ、14時ぐらいには着く予定ですよ。」
縛がそう言うと俺はiPhoneを見る。
11時17分。
行くまでが長いのかなぁ……。
今回あんまりにもバタバタと出てしまったから、道徳や小鳥遊さんに連絡入れてないや。けど、なんで閉まってるのだろう。
絶対縛だなぁ。まぁ、いいか。
俺は窓の外を見る。
どんどん周囲の景色が自然豊かになっていく。
新潟観光できるかなぁ……
俺がそんな事を考えていると、横で柊木さんは何か食べている。
………それなに?
「…………それなんですか?」
俺が言うと、柊木さんが俺に一本渡す。
……美味しい!
「もう一本!!」
俺が言うと、縛が口を出す。
「座席の下にありますよ。」
言われて見てみると、中にはぽっぽ焼きとヤスダヨーグルトが入っていた。
………俺はそれぞれ出すと、無心で食べ始める。
「おいおい、食べ過ぎだろ。」
「ふぁまなかない。おうみしいです。」
「おうおう、パンパンに入れてやがる。リスだなぁリス。」
ん、ヨーグルトも飲まないと。
「…………正樹さん。」
ピクッ。
「こおまへで、おしまいにする。」
最近やたらと縛がご飯の管理をしてくる。その理由は分かってる。病院にいる間に、健康診断もした。そして分かったのは、体脂肪率の高さ。はい。隠れ肥満です。めっちゃ生活指導された。
それから、縛に食事の調整をされている。
うぅー。旅行中ぐらい………。
俺は縛が見てないのを良い事に、もう一本口に入れようとすると。
「……もう一本食ってるぞ。」
柊木さんがチクった。
「正樹さん。新潟出るまでラーメン禁止です。」
ふぇ。
「もう食べないから!」
「いえ、旅行なので食事は楽しまないとですね。でも、ラーメンは禁止です。野菜多めに食べましょ。」
「…………。」
…………恨むぞ、柊木。




