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人類の罪  作者:
動き出した繋がり
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時間は必要だと思う

タイトル 時間は必要だと思う


昨日の衝撃の一言を聞いてから、俺は寝れたかと言われると、寝れなかった。


まだご飯も食べられないから、点滴を変えた後、やっとうとうとし始め、寝れると思った。


…………まだ、朝だよ。見舞いに来れる時間はまだまだ先だよ?なんでいるの?


じとーと目の前の人を見る。


「…………縛。今何時?」


俺が聞くと、縛は当たり前のように俺のiPhoneを取り出した。


「7時ですね。」


うん、そうだね。てか、なんで俺のiPhone持ってるの?


俺はまだじとーと縛を見る。


「はぁー。」


縛はため息を吐きながら、何も言わずに俺に布団を掛ける。


「まだ早いですから、寝てください。」


………寝ようと思った所に来たのは、だ、れ、で、す、か、ね〜!!!


俺は布団の中に潜っていく。なんか言い合っても負ける気がする。俺は負け戦はしない派。


目線なんて感じてないんだからなぁ!!


瞼の重みに負けて俺はぐっすりと眠ってしまった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


眠った正樹さんを見ながら、僕は呼吸を確認する。


生きてる。


これが最近の日課となって来た。


久しぶりの1人に最初はおっさん達が泊まりに来るか?と聞いてきたが、僕はやることがあると言って、遠慮した。


何かを察したおっさんは、手は出すなよだけ言って真美ちゃん達と帰った。


僕は家に帰ると、ニュースから情報を得て、パソコンで調べる。そして、犯人の情報が見つかった。


畑井 文彦 58歳


家族構成:妻と子、そして両親に姉。


穏やかで、友人も多い。様々な賞を取った人形作家であり、家も資産家である。


親戚には、世界的に有名なモデルもいた。僕はそのモデルの写真を見て、思い出す。ここが繋がってるとは……


犯人は昔から異常に人形に対してこだわりがあり、人形が関わると、性格が変わると言われ、家族から心療内科を勧められた事もある。


14年前の事件の後、警察がローラン・希空の家族を探したが、唯一見つかった手掛かりがここだった。


そして、今回の事件に繋がるのもここからだった。


希空は畑井一家に預けられた後、専門の人を雇いお世話を任せていたが、いつの間にか文彦に変わっていた。


毎日付ききりでお世話をするその姿は周囲からは異常な目で見られていた。何せ、44歳の男が10代前半の女の子を世話しているから。


最初は皆親切心でやっていると思っていたから、止めなかった。


でも、妻は目撃してしまった。


自分の夫が希空に口を近づけようとしたのを。


その嫌悪感に妻はすぐさま、ローランを保護し、病院に預ける事を決めた。そして、病院には夫と彼女を2人にしない事を契約し、病気への援助を欠かさず行っていた。


預けた時は、そこまで夫の精神はおかしくなかった。けど、少しずつ少しずつ異常になって、もう8年前には夫は工房で1人暮らしている。


工房の中には、ローランとそっくりな人形があった。


人の醜さをまた見る事になるとは思ってもいなかった。


ローランはやっと逃れたのに、また捕まってしまった。


美貌がいけないのか、それとも彼女の運命だったのか、それを知るのはきっと神しかいないのだろうなぁ。


僕はそっとパソコンを閉め、14年前のファイルを触る。


一番最初のクローン


ローラン・希空


自分では動けず、感情のない失敗作


完璧主義で何でもできた久遠に初めての屈辱を与えた存在。


ハクの記憶からはそう語られていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


少し寝てスッキリした俺は目を覚ます。


…………………また後ろから視線を感じる。


絶対縛だなぁ!


……あっち向いてろ!!


俺は布団を剥ぎ取り、縛に怒ろうと思った。


けど、見えた人に俺は驚いた。


ん?ローランさん?


ローランさんは俺をじっと見つめると、そのまま立ち上がって、病室を出て行く。


なんだ?


そう考えていると、病室の端っこから縛が話す。


「正樹さんが入院してから、毎日あーやって来てますよ。」


「うぉ!縛いたのか。」


「……ずっと居ましたが?」


頭を傾げて言う縛。うん。いつも通りです。


「まぁ、いいや。ローランさん動けるようになったの?」


「少しずつですが、体を動かしているみたいですよ。」


「そうか!そりゃよかった〜。」


そう思う俺に、縛がiPhoneを渡す。俺のだぁ。


「ありがとう〜!」


iPhoneを開くと、たくさんメッセージが溜まっていた。


「あ、道徳からだぁ。」


そういえばあの時道徳はなんで怪我したのを知っているのだろう。


疑問に思って、頭を傾げると、縛が口を開く。


「道徳さんには僕が知らせました。刺されたのですから。会社にはしばらく行けないでしょ?」


そう言われると、確かにと俺は思いながら、改めてiPhoneを見る。


『先輩、明日社長が見舞いに行くと言っていましたよ。理事長も行くみたいなので、心の準備してください。』


…………昨日のメール。


明日…………あれ、今日じゃない。


コンコン


「佐伯さん、会社の人がお見舞いに来ましたよ〜」


そう言うナースさんに、俺は絶望した。

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