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人類の罪  作者:
止まっていた時間
33/89

5分

柊木さんの言葉に全員が顔を見合わせた。合図で一旦車に戻る事にする。


「いや、その数の中で赤外線センサーが付いている防犯カメラをくぐるのは無理だぁ。情報も少ない。」


柊木さんが切り出す。


「……午前中ダムの付近には普通の防犯カメラしかなかったので、油断しましたね。」


縛は少し考え込む。


「じゃ、普通に朝行った道で行けばよくないか?」


俺が話すと、2人が一斉にこっちを見た。


「それだぁ!朝歩いた事がある道であれば、作戦も立てやすい。しかも、縛が調べたダムの警備交代の情報もある。」


柊木さんが俺の頭を乱暴に撫でる。


「電気使用量の話が気になるから、まずはダムの中を調べるのが一番ですね。」


縛も同意する。


「じゃまずは、鈴鳴りダムの管制塔に行こう。そこに行けば、ある程度の事が分かるはずだぁ。」


「どうやって入るのですか?」


俺が聞くと、柊木さんと縛が少し呆れたような表情をする。そして、柊木さんが俺のポケットに手を入れ、カードを出す。


そうだった、あいつからセキュリティカードをもらっていたわぁーー


「………さぁ。行きましょう。」


俺は何事もなかったように振る舞うと、2人は軽く俺の肩を叩く。………気をつけます。


監視カメラに気をつけながら、俺達は柊木さんに続く。時々、見回りの目を避けながら、どうにか交代時間に管制塔に着く事ができた。


中に入るまでに5分の猶予しかない。


縛が調べた情報では、巡回交代のタイミングで監視システムの確認作業が入るらしい。


その数分だけ、外部カメラの一部が点検モードに切り替わる。


額に汗が流れ、扉を見てタイミングを伺う。


扉から職員が出るのを見て、俺らは扉の方に少しずつ近付く。


職員の姿が見えなくなった時には、残り2分となっていた。


俺は焦りながら、セキュリティカードを出すと、


ピッピー


通ったーー!………ん?!何?ダブルキーなの!?4桁の数字入れないと入れないやつ?!


残り60秒


俺は2人の顔を見て焦る、2人も俺を見て、目を見張る。


とりあえず入れよう。


3 、2、7、6


キーボードがチカチカする。


違う!?


やばいやばい!!!もう監視カメラが戻ってしまう!!


7、2、7、6


また、キーボードがチカチカする。


ヤバイ!!残り10秒しかないじゃん!!!!


やばいヤバイ!!!


パサッ


その羽の音を聞いて、俺は


4、6、1、0


と入れた。


キーボードが緑に光り、扉が開く。


俺は扉を開けて、すぐ中に入ると、柊木さんと縛もすぐ駆け込む。


そして、全員が中に入った瞬間だった。


ピッ


外の監視カメラが、ゆっくりと元の位置へ戻っていった。


「ふぅー間に合った。」


俺が額の汗を拭くと、柊木さんが小声で驚きながら言う。


「よく、分かったなぁ。」


「分からないですよ。意外とこういう所って語呂合わせのパスワードが多いんじゃないかなぁと思って、ダム関係2回入れたのですけど、どれも違って焦りました。」


「じゃ、最後は何を入れたんだよ?」


「え?なんか羽の音聞こえたので、しろいで入れました。」


「それで入れたのですから、本当に悪運が強いことで。」


縛は少し呆れながら言った。その手には、小型の機械を持っていた。


「それ何?」


「こういう事もあるかと思って持って来た、解析端末 です。」


「………。」


「俺、余計な事した?」


「ハラハラはしましたね。」


そう答える縛に、俺は思い出す、パスワードを入れる前に目を見張った2人の表情を。


あれ……そういうことだったのかぁ……

――おまけ――

「よく無事に入れたね。」結愛


「ん?無事じゃなかったよ。危なかったんだから。」正樹


「そうなの?ギリギリな所でどんな気持ちだったの?」結愛


「やばい〜!と思ってたけど、やってる事は007みたいだなぁと思って、気分は007だったよ。」正樹


後ろで抹茶ラテを飲んでいた縛が柊木さんに向かって吹き出す。


「………兄ちゃんはある意味ズレてると思うぞ。」柊木


「そんな事ないですよ〜。」正樹


「「「そんな事ありありだぁ!(です!)」」」


………俺別に悪い事してないもん。

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