探し物
下書きデータが消えてしまい、作者が絶望に浸っていました……。
書き直していたため、更新が遅くなりました。
また、現在作者が体調不良のため、しばらく更新時間が遅れる場合があります。
それでも毎日更新は続けていく予定ですので、よかったらこれからも正樹達を見守ってあげてください。
いつも読んでいただき、本当にありがとうございます。
「東雲くん見つけたわよ。」
柊木さんの携帯に届いた一通のメール。送り主は真美ちゃんだった。
画面には、場所を示す地図と一緒に短い文章が送られている。
『ちゃんと仲直りしなさい。』
……全部お見通しだぁ。
「ほら、行ってこい。」
ソファに座っていた柊木さんが俺を立たせる。
「……柊木さんは?」
「夫婦喧嘩は犬も食わないって言うだろ?」
「夫婦じゃないですけど?」
「似たようなもんだろ。」
何がだよ。
そう思ったけど、言い返す元気はなかった。
俺は教えてもらった場所へ向かった。
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縛はホテルの花園に居た。
静かに咲いている紫苑をいつものように澄ました顔でじっと見ていた。
でも……「縛。」
声を掛けると、少しだけ縛の肩が揺れた。
「…………。」
振り返らない。そりゃ……怒ってるよなぁ。
「ごめん。」
最初に出てきた言葉はそれだけだった。
「…………。」
「俺、縛が14年間どんな思いで探してたのか知らない。」
「…………。」
「何を探してるのかも、分からない。」
風が吹き、花が揺れる。
「なのに、あんなこと言ってごめん。」
やっと縛がこっちを振り向くと、目元が少し赤かった。
「……あなたにだけは。」
小さな声だった。
「あなたにだけは、14年間を否定されたくなかったんです。」
胸が痛くなる。
「手掛かりもない中、毎日探しました。」
「…………。」
「朝起きて、調べて、仕事して、また調べて。」
「…………。」
「何も見つからない日ばかりでした。」
縛は左胸のポケットを握る。
「でも、やめられなかった。」
「…………。」
「やっと……やっと見つけたかもしれないんです。」
俺には、縛が背負っているものは分からない。
だったら……一緒に背負う。
「じゃあ、一緒に探そう。」
「……え?」
初めて縛が驚いた顔をした。
「俺には分からないけどさ。」
「…………。」
「分からないなら、これから知っていけばいいだろ?」
今までならきっと、まぁいいかで終わった。でも、今回は違う。
「勝手に1人で行くなよ。」
「…………。」
「俺も一緒に探すから。」
縛は何も言わず、ただ、静かに顔を伏せる。
ポタッ
地面に小さな跡ができる。
「……あなたは、本当に。」
「ん?」
「…………何でもありません。」
縛はそう言って首を振る。
……なんだよ、気になるじゃん。
ぐぅぅぅぅ……
「「………。」」
……マジかぁ。俺の腹よ、もう少しは空気読め。
縛はしばらく固まった後、小さく笑う。
「……味噌ラーメン近くにありますよ?」
「んぇ?」
「ずっとラーメンのチラシを見て、ソワソワしていたでしょ?」
そんな何気ない一言。
「……行く。」
そう答えると、縛は笑い声を上げる。それにつられて俺も笑った。
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「何で2人とも泣いた顔してラーメン食べてるのよ。」
結愛ちゃんが呆れた顔で言う。
「泣いてないよ。」
「泣いてません。」
俺と縛の声が重なる。
「いや、目真っ赤だから。」
結愛ちゃんの冷静なツッコミ。
………恥ずかしい。
目の前には味噌ラーメン。
隣には縛がいる。
正面には呆れながら笑う人達。
不思議だった。
こんな当たり前の時間が。
すごく嬉しかった。
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ホテルに戻ると、瞼が限界だった。
ふぁーねむっ。
三日間ほとんど寝ていない身体。
泣き疲れ。
そして、ラーメンによる満腹。
ベッドに倒れた瞬間、意識が落ちた。
コポッ
…………?
コポッ
水の音がする。
なんだ?………
目を開ける。
でも、体が動かない。
透明な壁。
揺れる水。
向こう側には白い服を着た大人達がいる。
誰?
何を話してるの?
手を伸ばそうとする。
でも動かない。
ここはどこ?
俺は――
誰?
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「――っ!!」
目を開けると、ホテルの天井。
荒い息に嫌な汗が止まらない。
「……夢?」
でも……
夢にしてはリアルだった。
あの水の冷たさだけは、今でもはっきり覚えていた。




