3.満足と午後と新しい服と
「……ふぅ。満足した」
「それは良かった」
結局鶏肉を全て焼いた後はふざけずにそれぞれ好きな物を頼んだ。とは言っても、お互い牛タンを頼みまくったがな。牛タンが頼んだ肉の9割だったのではないだろうかと思う。あと、デザートの方もかなり頼んだぞ。全種類食べて、それを3周するということをした。
「3回も食べたけど、バニラソフトはわざわざやらなくて良かったかもね」
「そうだな。俺は焼き肉のタレかけたから美味しかったけど」
「何それ!?」
委員長は驚く。
何と言われてもそのままなんだがな。
「言ったとおり、バニラソフトに焼き肉のタレをかけたんだぞ。甘口と普通のやつとで味付けが違って、3回でも問題なく美味しく食べれたな」
「何それ!?」
全く同じ驚きの言葉が委員長からはやってくる。今のに何それと言われてしまうと説明は難しいな。
俺が難しい顔をして悩んでいると、
「あ、ああ。ごめん。今のはただの驚きだから説明はしなくて良いよ。……でも、バニラソフトに焼き肉のタレかける人なんて初めて見たよ。変わってるね」
確かに俺は変わっているかもしれない。そんな話は他の人がやってるなんて聞いたことがないからな。
だが、
「委員長には言われたくない。刺身に焼き肉のタレとか何考えてるんだ?」
委員長は焼き肉屋で刺身、というか寿司のような物を頼んで、それに焼き肉のタレをかけたのだ。醤油じゃなくて焼き肉のタレだぞ?
これを変わっていると言わずしてなんと言うんだ。
「うっ!そ、それはちょっとした好奇心だから!べつに谷川と違って毎回やってるわけじゃないの!」
委員長は言い訳を。
「ふぅん?で、試してみてどうだったんだ?おいしかったのか?」
「ま、まあ美味しかったよ」
俺の問いかけに委員長は頷く。
俺はたっぷり時間をかけてから、
「……委員長だって変わり者じゃないか」
「……う、うぅぅぅ」
委員長は俺の言葉で、悔しそうな声を上げた。
まあ、そんなことをした昼食。その後に行くのは、
「いつもの所で良いんだよな?」
「うん。……良いよ」
どこか遠い目をしながら委員長は頷く。
これから行くところは毎回のように遊ぶときに入っているのだが、基本的に俺の欲求を満たすための場所なのだ。勿論委員長も楽しんでないわけでは無いが、俺が楽しむ部分が大きい。
「あら。いらっしゃい2人とも。今日も色々仕入れてあるわよぉ~」
「おう。ありがとよ」
顔なじみの店員に礼を言い、俺たちは店を見て回る。
見つかるのは、メイド服やバニー衣装、忍者服、マイクロ引きに、ビキニアーマーなどなど。コスプレグッズ。大量にあるぞ。
勿論そのほかにも、
「うん。この服似合うんじゃないか?」
「ド、ドクロ?これボクに着せるつもり?」
俺が委員長に差し出すのはドクロの入った黒いT-シャツ。委員長はこんなのを着るのかと不満そうにしているが、
「ちょっと化粧を変えたら似合うと思うんだよなぁ。あと、こういうイヤリングとか付けたりヘアピンもちょっと変えたりすると……」
俺はそう良いなながら、委員長の髪に色々つけたりしていく。結果、
「どうだ?」
俺は委員長に問いかける。委員長は俺の渡したT-シャツに着替えて俺に見せたり鏡で見てみたり。その時に取るポーズがいちいちかわいらしい。
「……うん。本当に化粧を後は変えたら良いだけみたいになってるね。凄い似合ってるのが悔しいよ。……けど」
そこまでいって言葉を途切れさせる委員長。何か言いたげな様子だな。
「どうした?何か問題があったか?」
「問題はないよ。ただ、その化粧のやり方は分からないから、この服着るときには谷川に化粧してもらわなきゃいけないって事だよね」
「……ふむ。そうだな」
化粧に関しては俺が割と得意だからな。何度か委員長の化粧をしたこともある。勿論、他の人の化粧をしたこともあるしな。
委員長をその時のファッションに最適な美少女にする自信があるぞ。
「つまり、最初からこの服を着ておくってのは無理じゃん」
「……確かに」
自分でこの服を選んできていくことは無理であるという話だ。朝の委員長の家に俺はいないからな。
もしやるとするならばそれこそ、
「俺の家に来るか?」
「それって結局夜のそういうことが目的で言ってるよね?駄目に決まってるじゃん」
拒否されてしまった。
男の家に来るというのはつまりそういうのを許可すると言うこと。相変わらず委員長のガードは堅いようだ。
「残念だな。まあ、とりあえずこの服は買うとしよう……おい。これ買う」
「はいはぁい」
俺は店員に声をかけて服とそれに合わせたアクセサリーを買う。その後も何度か服を着させてそれに会わせたコーデをさせてという事をした。数万円が財布から消し飛んだな。
まあ、委員と兪の可愛い姿も見れたし、何1つ問題はないが。
「この服はまた俺のタンスにしまっておくから」
「うん。着たくなったら言うね」
買った服は俺が持っておくことになる。委員長の服を買うに当たっての話し合いでそう決まったのだ。俺としてはメイド服ぐらいあげても良いんだけどな?
「じゃあね。また学校で」
「ああ。気をつけて帰れよ」
夕方になって俺たちは別れる。委員長は期限良さそうに駅へ消えていった。
これが、俺たちの休み。学校の誰も知らない、イケメンと陰キャの休日である。またら刺繍は何を着せようかと考えながら、俺は帰路に就くのだった。
……そういえば、委員長が俺を照れさせるとか言ってたけど何もなかったな。
なんて思った俺は知らなかった。帰った後に送られてくるとある写真を。
「クラスのイケメン委員長が実は美少女だということを俺だけが知っている」《完》
この作品は一旦ここで終了です!
この作品の他にも同じような短さの作品を投稿しているので、作者のページから「長編化予備群」のシリーズを覗いて頂ければ!!
人気があった作品は長編化します。勿論この作品も……チラチラッ(ブックマークや☆をつけて頂ければ、続きが書かれるかも……




