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2.からかいとさかな~と焼き肉と

「……んお。チンアナゴ」


「本当だ。……チンアナゴ好きなの?」


「いや、べつに」


そんな何気ない会話をしながら水族館を歩く。そうしているとだんだん時間も経ってるし、空腹感を感じるようになって、


「昼、刺身でも食べるか?」


「なんで水族館来た後に魚食べようとするの!?」


俺の提案は却下された。そして、俺の奢りで焼き肉に行くことが決まった。……なぜだろうか。まあ、普段からおごってるからおかしいことではないのだが、焼き肉までおごらなければならないとは。


「……仕方ない。委員ちょ。おごってやるから、某アニメでやってた「さかな~」ってやつをやってくれ」


「え?……えぇ」


困り顔をする委員長。流石にさかな~は恥ずかしいようだ。

それに俺真剣な顔をして迫る。


「委員ちょ。さかな~をするだけで焼き肉食べ放題だぞ?やらないのか?」


「うっ!!焼き肉、食べ放題…………くぅぅ。やってあげるよ。沢山食べてやるんだから!」


覚悟を決めた委員長。水槽の前で両手を合わせ、片足を上げ、


「さ、さかな~」


顔を真っ赤にしながらやってくれた。マジで可愛い。写真を連写で撮りまくった。これは永久保存版だな。


「や、やめてよぉ。消してぇ」


顔を赤くした委員長がそう言って菅井R着いてくる。写真は嫌だったようだな。

そこまで言うなら、仕方が無い。


「分かった分かった。じゃあ猫耳メイドやるなら消してやろう」


「それ永久に終わんないじゃん!絶対ループするでしょ!」


俺が要求してその写真を消すためにまた要求に従う。と言うループを作りたかったのだが、あっさりバレてしまった。計画は頓挫したか。


「……むぅぅぅ。消してよぉ」


「なら今夜の帰りは遅くなるって事で」

「それもダメ」


あっさり却下された。ジト目が向けられてるな。俺はその視線に、勝ち誇ったような笑みを浮かべておく。欲望に忠実で何が悪いというのだろうか。


「いじわる」


「写真を残させてくれない委員長もかなり意地悪だと思うけどな」


「私はさかな~したじゃん」


「それは焼き肉に連れて行く条件だろ?」


「……むぅ」


委員長は不満そうな顔をする。頬を膨らませるその顔もキュートだ。これには全く学園の三大イケメンの面影はないな。

俺はそんなことを考えなGら、焼き肉へ向かう。土曜と言うことで混雑してはいたが、30分ほど待てば入ることができた。


「いっぱい食べてやる!!」


「おぉ。食べてくれ。食べ放題だから俺には全く影響はないがな」


「……むぅ」


本日何度目かは分からない不満げな顔だ。その顔も写真に収めておく。


「『焼き肉で頼んだ物が来なくて、早く来いと不満そうにしている委員長ちゃん』ってタイトルで良いかな」


「勝手にねつ造するなぁ!」


俺が写真のタイトルを変えていると、委員長は文句を言って机を叩いた。細い腕からは力の弱そうな振り下ろしが出たな。学校で委員長やってるときはそこそこ力があるように見えるのに……これは演技なのだろうか。


「ほらほら。機嫌直せ。いっぱい頼んだから」


俺がそう言って視線を向ける。そこには肉を大量に載せた皿が。


「はぁ。仕方ないな。沢山食べてやるんだから……って、これ全部鶏肉じゃん!」


「ん?そうだぞ。やっぱり焼き肉と言えば鶏肉だよな」


「なんで!?焼き肉と言えば牛でしょ!?牛タン頼んでよ牛タン!!」


「全く。我が儘なやつだなぁ」


俺はその不満の声を聞きながら、鶏肉を焼いていく。牛の方が単価が……なんて委員長は言っているが、最近は鶏肉だって高いんだぞ。育てるためのコストが上がってるみたいだからな。こういうときに沢山俺は鶏肉も食べておきたい。

俺がそんなことを考えながら鶏肉を焼いて食べていると、今度こそ牛の肉がやってくる。


「ほら。牛が来たぞ。焼いて食べろ」


「うん。……って言いたいところだけど、網の上が鶏肉で覆い尽くされてて焼くところが無いんだけど!」


「じゃあ自分で食べてそのスペース作れよ」


「むぅぅぅ……仕方ない」


委員長は悔しそうにしながら鶏肉を取る。俺はそうしてできた隙間に鶏肉を追加した。


「ちょっ!?谷川!?]


「どうした?」


「どうした?じゃないよ!ひどくない!?自分で食べて牛焼くスペース空けろって言ってきたのにさぁ」


どうやら鶏肉で隙間を埋めたことがご不満らしい。仕方ないので俺は鶏肉を少し取って、そこに牛の肉を1枚置いておく。


「これでいいんだろ?」


「うん……なんか谷川にそういうことされると裏があるんじゃないかって警戒しちゃうんだけど」


俺の行動が信用できないようで、委員長は疑う視線を向けてくる。俺はその視線を、鶏肉を食べることで受け流した。

あぁ。ムネ肉美味しい。


「その平然とした顔ムカつく……」


委員長は取った鶏肉を食べながら、俺を睨み付けてきた。随分と機嫌が悪くなりやすいな。急く原田各地には出さないが、今日はそういう火なのだろうか?

……なんて思ってたら、そろそろだな。

俺は焼けてきた肉を取る。俺が育てた牛肉を。


「あっ!?谷川!牛肉取った!?」


「おお。もらう」


「もらうじゃないよ!折角僕が楽しみにしてた……って、あぁぁ!!!また鶏肉が追加されたああぁぁぁぁ!!!!!」


俺が牛肉を取ってできたスペースに鶏肉を敷き詰めておく。これで頼んだ鶏肉は全て網の上に載ったな。

俺はそれを確認してから、


「どうする?鶏肉、追加するか?」


「しない!!」


俺の問いかけは、当然ではあるが拒否された。

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