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1.陰と陽と逆転と

この作品は今日中に全て投稿し終わる予定です。

「起立、気をつけ、礼」


「「「ありがとうございました」」」


授業が終わる。


「先生。何かお手伝いすることはありますか?」


「ああ。杉浦君ありがとう。それじゃあ、これお願いできるかしら?」


「はい!分かりました!」


号令をかけた委員長は、先生へ駆け寄って何か手伝えることはないかと尋ねているな。このクラスでは見慣れた光景だ。

そんな様子を見ていると、


「委員長まじイケメン!」:

「それなぁ!杉浦君彼女いないって言ってたし、付き合えないかな?」


そんな話が聞こえてくる。

杉浦というのが委員長の名字。本名は杉浦(すぎうら)鈴(りん)。長い黒髪を後ろに束ねている超絶イケメンである。女子からの人気も高く、学園三大イケメンと呼ばれる3人うちの1人だ。

そんな委員長だが、


「谷川~。先生の資料はこぶの手伝って!」


「……えぇ」


俺は不満そうに言いながらも立ち上がる。

そう。谷川とは俺のこと。委員長と俺、谷川(たにかわ)武野(むの)は、仲が良い。

そんな俺たちのやりとりを見て、


「谷川君ってどうして委員長と仲が良いんだろうね?」

「ね?入学したときは知り合いじゃなかったみたいだし、学校で仲良くなったみたいだけど……」

「陰キャと杉浦君の接点がよく分からないよね」


そんなことを好き放題に言う女子達。なぜ委員長と仲が良いのか分からないというのが俺の評価である。

実際、俺は委員長とは真逆みたいな見た目をしているからな。髪は目を隠すくらいあって、性格も暗い。話し方もボソボソしてるし。

だが、そうであろうと俺は気にしない。委員長だって気にしないだろう。


「ねぇ。谷川。今度の土曜日遊びに行かない?」


「……了解」


俺は、荷物を運んでいる最中にされた委員長の提案を了承。今度の土曜日などと言っているが、こう見えても(?)実は毎週遊びに行っていたりするのだ。軽くそこでどこへ行くかも打ち合わせをしておく。

そして、その週の学校を終わらせた俺、約束通りの場所に集まり、


「あっ。谷川~」


こちらへ手を振って走っている委員長。

髪はツーサイドアップで、爪にネイルも入っている。服は上がT-シャツで、下は膝くらいまであるスカートだ。顔も自然に感じる程度のメイクがされていて、目茶苦茶美少女である。


「よっ。委員ちょ」


そんな委員長に少しチャラい感じで答えるのが俺。

髪は金髪で、耳にはピアスを。ゆったりした黒いT-シャツとシーンズを履いている。不良っぽく見える俺と美少女な委員長は、実に似合わない。

が、お互い気にしない。学校でのお互いの姿なんて忘れて、


「んじゃ、行くか」


「うん!レッツゴ~!」


俺の言葉に元気よく腕を突き上げる委員長。それと共に何がとは言わないが、激しく揺れる物が。

学校ではイケメンとして名の通っている委員長だが、実は女子なのである。確認したこともあるが、本当に下は付いていないのだ。因みに大きな2つの固まりも本物である。普段はさらしを巻いて隠してるんだと。

……これを男子と同じように見せるんだから、さらし凄すぎるよな。魔法かよ。


「見て見て!谷川!ペンギンだよ!!」


「おお。良かったな。……ほら、写真撮るからちょっと止まれ」


「はぁ~い!」


俺たちが向かった先は水族館。委員長は楽しそうに騒いでいる。普段の落ち着きのある爽やかな委員長とは違うな。

俺はその楽しそうな様子をスマホで撮影していく。良い目の保養になるぞぉ。


「谷川は写真撮らないの?」


「俺は良いんだよ。この見た目を写真に残しとくのもやめときたいし」


かわいらしく首を傾けて質問してくる委員長に俺は首を振る。学校でもし写真を見られようものなら、確実に面倒なことになるからな。委員長の写真も残してたら面倒かもしれないが、妹だと言い訳できる可能性も……あると思う。


「折角谷川格好良いのに。勿体ない」


「お前が可愛いからそれで十分だよ」


「なっ!?バ、バババ、バカァ」


俺の言葉で顔を赤くし、暴言を吐いてくる委員長。だが、その言葉はかなり弱々しい。照れてるな。

さて、こんな会話をして水族館にまで来ている俺たちだが、付き合ったりはしていない。これは純粋にお互いが自分の中身を共有しているから遊んでいるだけだ。学校の人間にこんな中身を伝えるわけにも行かないからな。


「さてさて。可愛い可愛い委員長の写真も撮れたことだし、次のコーナー行くか。な?可愛い委員長?」


「そ、そうだね。格好良い谷川!」


俺が更に羞恥心を感じるように可愛いを連呼してやると、反撃とばかりに俺へ格好良い解いてKる委員長。だが、さっきも格好猪井は言われたし、それくらいで照れる俺ではない。


「おお。ありがと」


さらっと受け流しておいた。


「くぅ~。ちょっとくらい照れてよぉ」


「じゃあ俺が照れるようなことを言ってくれよ。……あっ、もしかしたら今日は遅くなってもいいとか言われたら照れるかもしれない」


「嘘だよね?それ、ただボクと寝たいだけじゃん」


俺の言葉に委員長はジト目を向けてくる。

付き合ってはいないが、べつに興味が無いわけではないんだよな。だからといってそこまで好意があるわけでもないから告白したりはしないけど。


「じゃあ照れないかもなぁ」


「くぅぅぅ。絶対照れさせてあげるから、覚悟しててね」


そんな宣言をしてくる委員長。つまり、それだけ可愛い委員長が見られるということだろう。俺としては何も悪いことはないな。嬉しい限りだぞ。

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