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誕生日プレゼントは #04

 






 _____あ、アドラオテル様にキス、されてる!?




 私の頭はパニックだった。じ、状況を整理してみよう。



 アドラオテル様が昨日、「朝イチに来るから起きてろ」と言われていた。私もまだハンカチができてなくて、結局寝ずに朝を待っていたら、アドラオテル様が姿を現してくださった。



 やっと完成したハンカチと、チョコブラウニーを渡した。アドラオテル様はぽかん、としていて、怖くなって下を向いてたらがさごそ音がして、………で、今。キスされている。




 ………Why???何故?なぜ?

 いやっ!プレゼント渡してキスは割りとべた!ベタベタのベタ!だけど!されると思ってないじゃん!?やること無くてちゃんと歯磨きも身支度も終えたし!部屋には二人きりだし問題は無いはず!でも!心の準備なんて全くできてない!!!!



 あっ、アドラオテルの匂いがする………て、そうじゃなくて!



 1人で突っ込んでると、唇が離れた。息を止めてたから脳が酸素を欲しがって、大きく息を吐き出した。




 「はあ、はあ、あのっ………「……プレゼント」………?」



 アドラオテル様は顔を逸らして、大事そうに私が渡したものを抱えて小さく言った。




 「今まで貰った中で1番…………嬉しかったから。その、お返し……的な。


 ごめん、無理矢理で」



 「あ、………」



 小さく紡がれる言葉を聞きながら、見てしまった。

 耳も、首まで赤い、アドラオテル様。いつもスマートなアドラオテル様の照れ顔。




 ___また、見蕩れてしまう。



 「………無理矢理でも、嬉しかった…………です」



 「…………え」



 「私、………1番にお祝い、言えました。それに、き、ききき、キスも………アドラオテル様が生まれてくださったから出来たことで、………生まれてくださって、ありがとうございます」




 「ッ、レイチェ____」


 「……………」




 コンコン、とノック音がして、私達二人はびくり、と肩を揺らす。コンコンコンコンコンコンコンコンと物凄いノック音の後、アドラオテル様の従者のヨウ様の声がした。




 「アドラオテル様!もう20分も経っています!予定が遅れてしまいます!至急出てきてください!」



 「~ッ、わかったからお前は俺の部屋に行け!


 れ、レイチェル!また後で来るからな!」


 「あっ、アドラオテル様!?」



 アドラオテル様はそれだけ言ってふ、と消えた。残された私はヘナヘナとその場にへたり込む。




 …………まるで春の嵐だ………。





 そうこうしているうちに、今日の式典を一緒に見よう!と張り切っていたサシャ大おばあちゃんとクラウド大おじいちゃんが来て、あれやこれやと忙しくなった。





 * * *




 ………私、アドラオテル様とキスしちゃった…………。



 「……ちぇ………」




 すごくいい匂いしたし、私臭くなかったかな?大丈夫だったかな?




 「れ………る」




 唇、少し硬かった。初めてのキスはレモンの味、って漫画で読んだことあるけど、どっちかというとミントっぽかった気がする………。




 「レイチェル!」



 「うわっ!」




 大声で名前を呼ばれて、は、と我に返る。目の前には___イカと酒を両手に持ったサシャ大おばあちゃん。大おばあちゃんは私が声を上げると呆れたように言う。




 「なにぼけーっとしてるの、アンタは。折角の祭りなのに」



 「あ、か、考え事してた………」



 「こんなうるさい所で考え事なんて、豪胆な子供だこと」



 大おばあちゃんはちら、と人ごみを見る。その先には___アドラオテル様含めた皇族の方々。豪奢な服を着て、派手な神輿に担がれて悠々と座っている。至る所でシャンパンが吹き出し、「サクリファイス大帝国ばんざーい!」「サクリファイス皇族ばんざーい!」と言う声が上がっている。




 …………か、カオスだぁ………。



 そんなことを思う私に、サシャ大おばあちゃんからげんこつをして酒を奪ったクラウド大おじいちゃんが私の顔を覗き込んだ。





 「目の下のクマが酷いぞ。ちゃんと寝てるのか?チェル」



 「あ、えと、………」




 言葉に詰まる。三日間徹夜したなんて言ったら何を言われるか……ただでさえ大おじいちゃんはこの婚約に反対してるのに…………。




 「お、大おばあちゃんと大おじいちゃんと祭りに行けるの、楽しみすぎて昨日寝れなかったの………」




 「………チェル…………ああっ、俺の曾孫は可愛いっ………!」



 「………本当にクラウドは孫バカねえ」




 そう言って呆れる大おばあちゃんに完全同意した私だった。










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