お正月 #01
「「「「あけましておめでとうございます」」」」
朝起きたら、全員で新年の挨拶をした。
時間が経つのは本当にあっという間だ。家族と過して、仕事をして、偶に孫馬鹿を殴って、……そんな毎日を繰り返してたらあけましておめでとうだもんなぁ。
そんなことをつらつらと考えながら着替えを済ませて子供達と共にキッチンにいく。テーブルには所狭しとおせちとお雑煮が並べられている。皇子をやめた年の頃はレイチェルの失敗作か?なんて思ったけど、おせちとお雑煮は中々に美味いのだ。
「お雑煮だぁーっ!」
「ちょっとユーリ兄、もう11歳になるんだからしっかりしてよ」
「むむっ、俺はしっかりしてるもん!ルークこそ子供らしくなりなよっ!」
「はいはい、喧嘩しないの。喧嘩してると………伊達巻食べちゃうぞ~?」
「「だめっ!」」
子供達は声を揃えてそう言うと、大好きな伊達巻を頬張った。時節俺を睨みながら黙々と食べていて、思わず笑ってしまう。
「2人とも、まだあるから急いで食べなくていいのですよ?」
「だめだよっ、父さん遠慮しないから!」
「本当に大人気ないよね、軽蔑する」
「そういうなって~」
「はんっ、ユーリ、ルークもっと言ってやれ」
タツキが煮豆を食べながらけらけらと馬鹿にするように笑っている。横で「たっちゃん大人気ない」と言いながらコーヒーを飲んでいるイチカ。どちらも見た目が若すぎて、感覚がバグるんだけど。
「アド、お酒を飲みますか?」
「んー、貰おうかな。今日どこか出かける?」
「今日はどこにも行きません。昨日初日の出にも行きましたし」
レイチェルは相変わらず美人で、子供達が居なかったら姫はじめをしているんだろうなぁとぼんやり思う。多分初日の出を見に行ったから眠いんだな。俺。
「そっか。じゃあ遠慮なく飲んじゃおうかな。タツキもどうだ?」
「まあ付き合ってやるよ」
「じゃあ子供達は私とチェルで見てるわ。
羽付きやるひとー!」
「はーいっ!」
「仕方ないからやってあげる」
「ルークは本当に可愛くないなぁ、顔に沢山墨つけてあげるからね?」
「俺負けないし。まっさらな顔で笑ってやるよ」
ルークはそう言って悪い笑みを浮かべる。なんとなく、ルークはタツキに似てきたなぁと思う。ま、それはタツキが『男らしく育てる!』と言って張り切った賜物なんだけど。
そんなことを思いながらちびり、と日本酒を飲んだ。
* * *
「うぷ………飲みすぎた………」
「だ、大丈夫ですか?アド」
次の日、俺は寝込んでいた。話ではタツキも寝込んでいるらしい。原因は二日酔い。羽付きを見ながら飲む酒は美味くて、羽付きで負けたら一気とかやってた。酒は強い方だと思うんだけど、流石に日本酒は一気しちゃだめだな。
「アド、もう30代なのですから無理してはなりませんよ?」
「そーだそーだっ!お酒くさいもん!」
「ダメ人間になるよ?サシャみたいに」
「やめてくれ~現実を知らせないでくれ~」
俺は家族の攻撃に布団を被って防御した。
* * *
「「孫~~~~~~~お年玉だよ~~~~」」
「うわっ、出た」
「おとしだまー!」
「頂戴」
二日酔いが治まった頃、孫馬鹿二人組が来た。例のごとくストッパーのパートナーの姿はない。絶対抜け出してきた。
「正月休みは城でいいんじゃないか?たまには皇子に戻るのもいいだろう」
「俺達は一般人なので」
「そーよねー、それより海でバカンスよねー」
「行くならポーダムの海でいいよ。コスタ・デル・ソルは暑いからやだ」
「「もうっ、どっち!?」」
「どっちも却下。ユーリー、ルークー、貰うもの貰ったらずらかるぞー」
「きゃーっ!」
「わぁっ」
俺は2人を連れてレイチェルの所に行き、ポーダムの海に転移した。




