お正月 #02
お正月休み最終日。
「あーーーー、明日から仕事かーーーー行きたくねーーーーー」
「いいよっ、俺が稼ぐからっ」
「……俺もヒーローになるから、経済的には楽だよ」
「ごめんなさい、嘘です」
夜、家族の時間にぼやいているといい子な子供達が真面目にそう言ってきて震えた。気持ちは嬉しいけど成長が早すぎるんだよなぁ………。
「だって、働けば父さんずーっと家に居てくれるんでしょう?なら、俺は働きたいなぁ~」
「うん。パパがいると飽きない。だから家にいて欲しい」
「ふふっ、アドはモテモテですね」
レイチェルの言葉にじいん、と来る。
俺、まじで幸せ者じゃない?子供達が尊いんだが。なんだか孫馬鹿の気持ちが分かる。こんなにいい子なんだもんバカになるじゃんね。
とはいえ、だ。
「父ちゃんは働いてないと落ち着かないからなぁ。ありがたいけど、ユーリとルークは自分のために時間を使いな」
「んー、わかるなぁ、俺」
「俺はわかんない」
「わかってくれるか、ユーリ。動いてないと落ち着かないよな。
ルークも働けばわかるよ。動きたくて動きたくてうずうずするからなぁ~」
そう言ってやると、2人は顔を合わせて「うんっ!」と元気に返事をした。それを見て、『今年も頑張ろう』と思った俺だった。
* * *
おまけ - ブルーアイズ
「あーーーーーー働きたくないよ~~~~~なんで正月休みって6日までなの?おかしくない?次元バグってるよぅ」
「………」
「………」
「………」
会社に着くと、社長のサシャが机の上で大の字になって寝そべっていた。片手には一升瓶が握られている。愚痴愚痴愚痴愚痴と『今日は休みがいい』と言っているサシャを見て、3人は顔を合わせた。
「いい加減にしろっ!」
「あだっ!」
「給料払えっ!」
「いだっ!」
「酒を飲むなっ!」
「ぎゃんっ!」
サシャの頭を1発ずつ殴ると、酔っぱらいが起き上がる。
「あ~~~~怒っちゃったよ~~~これどうするのかな~~~~おばちゃん本気出しちゃうよ~~~~? 」
「ヨウちゃん!シン!陣形を崩すな!酔っぱらいを力ずくで現場に連れてくぞ!」
「わかった!」
「了解!」
………アドラオテルの新年最初の仕事は中々にハードで、『今年始まったのに早く来年になって欲しい』と思ったのだった。
◇
おまけ - レイチェル × ライラ
「あの………」
「なんでしょうか?」
「この書類の山はなんでしょうか……?」
レイチェルは目の前の書類に怯えていた。ライラはすらりすらりと言葉を紡ぐ。
「来年からルークおぼっちゃまがハイスクールに上がります。それに伴ってお仕事も増えました」
「……えっと、育児を優先したいのですが……」
「ご安心を。全て、日中だけの仕事にございます」
「…………」
「レイチェル様!?」
あまりの仕事の多さにレイチェルはくらり、と眩暈を起こしたのだった。




