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ラピュタ体育祭 #03

 





 「悪いが、勝たせてもらうぞ。ツムギ」

 「あ、えっと、痛そうなんで………お手柔らかに………」

 「サンダードラゴン、ゆけ」


 大きな稲妻がツムギを飲み込む………前に、稲妻がピタリ、とツムギの前で止まった。驚いているマレアスにツムギは近づく。


 「えっと、ごめんなさい、負けられないから………ちょっと意地悪しちゃうね」

 「!?ストーンバレット!ファイアボール!ウインドウカッター!」


 マレアスは何度も高魔法を唱えるが、全部ツムギの前で止まる。ツムギはゆっくり人差し指と中指を前に出して、歌うように言葉を紡いだ。


 「………術式・(ギョ)

 「……………!?」


 そう呟くと小さな青い玉が現れた。それが周りの空気を巻き込んで大きくなると、マレアスを吹き飛ばした。コンクリートで出来ているステージも抉れた。咄嗟に防御壁を作っていたマレアスは無傷だが、場外である。これには全員が唖然とした。全員妖精族の次期王が勝つと思っていたからこそ意外すぎたのだ。


 我に返った先生が大声をあげる。



 「じ、場外!勝者、ツムギ・キョウゴク!」

 「ご、ごめんなさい、……」



 ぺこりとマレアスに謝るツムギを見ながらレイチェルは目を見開いていた。


 「あれは………魔法じゃなくて、呪術です………」

 「ジュジュツ?なにそれ?」

 「えっと、歌姫と役割が似て非なるもの、というか………呪いの籠った魂を排除する力です。でも、これは本当に才能がないと出来ない力で………」

 「………ユーリ………とんでもない子に恋したなぁ」

 「?」




 * * *


 2回戦はユーリVSアメリア。いとこ対決である。

 「ふふんっ、ユーリ!アンタが強いのは知ってるから、最初から本気だもんね!


 グルァァァァァァ!」


 アメリアは服を引き裂いて紅銀の龍になった。11歳というだけあって大きい。アメリアは龍の姿で笑う。


『あははっ、ユーリも龍になったら?龍対決しましょう!観客が盛り上がるわっ!』

 「うーん、龍にはならない!面倒くさいから!」

『な、に、ぉお~~~!!!!痛い目見せてやる~~~~~!!!!』



 アメリアはかぱり、と大きな口を開けて紅銀の光の玉を吐き出そうとする。ドラゴンブレスだ。しかし、ユーリは素早い動きでアメリアの尾を掴むとグルングルンと回し始めた。これにはアメリアも溜まったもんじゃない。


『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ目がァァァァァァまわるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!離しなさいよ~~~~~~~~~~~!!!!』

 「うんっ、離すね!えいっ!」


 ユーリはぱっ、と手を離す。勢いのついたアメリアは思いっきり飛ばされ、観客席のある壁にぶつかって、目を回した。場外である。



 「場外!勝者、ユーリ・ストライク!」

 「……」



 わあっ、と観客から歓声があがるけど、ユーリは暗い顔をしていた。それを見ていたアドラオテルは首を傾げる。



 「?勝ったのに浮かない顔してるなぁ………」

 「どうしたんでしょう?やっぱり、アメリアちゃんと戦いたくなかったんじゃ……」

 「戦いたくない………あー。わかったかも」

 「?何がですか?」

 「……ナイショ」


 アドラオテルは目を細めて未だにウロウロしているユーリを見守っていた。




 * * *



 最終決戦はユーリVSツムギだった。

 試合は開始されているけど、ユーリとツムギは見つめあっているだけだ。


 「……ねえ、ツムギちゃん、俺、ツムギちゃんに酷いことできないよ」

 「……私も、できない……けど、好きな人を言わなきゃいけないのは………」

 「………」

 「………ごめんね、ユーリくん、お願いだから、負けて!」

 「!」




 

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