2 (両親の)実家へGO!!
また、実家
ガタガタガタ…
「ごめんなさいにゃ、クロ…。」
ガタッガタガタ…
「クロ、許してにゃ…。」
ガタガタガタガタ…
翌日、ピコ達は黒ママの運転する4WDで、かれこれ数時間、山道を走っている。
「ピコさん、お母様は大丈夫ですか?」
あの後、ピコ達はピコの実家に泊まったが、白母さんは朝からずっとあの調子である。
「一体どんな調きょ、折檻を受けたにゃ?」
ミーコさん、今調教って言いかけませんでした?
…それはそうと、確かに昨晩は激しかったようだ。
「真面目な話をしているのに、盛大にボケをかますか
らよ。」
黒ママが平坦な声で言う。
「(戦闘直後のピコちゃんみたいにゃ…。)」
ミーコが小声で呟く。
…自覚は無いが気を付けた方がいいだろうか?
「「(そんなピコちゃん(さん)も好きにゃ(です))」」
ミーコとナナの言葉が見事に被る。
…なら気にしない事にしよう。
…………………。
…………。
…。
更に1時間程走ると海が見えてきた。
「そろそろ着くわ。」
…………。
…。
キィッ…
車が止まったのは、小さな漁村を一望する丘に、ひっそりとある社であった。
黒ママは白母さんを担ぎ、社の隣に建つ、一軒家に向かう。
ポーン♪
呼び鈴が鳴らされる。
………ガラッ…
「来たかい、先に社に上がっておきな。」
顔を出したのは、白母さんを初老にしたような雌ケットシー。
(お祖母ちゃんにゃ。)
言われずとも理解した。
…………………。
…………。
…。
社の中に案内され、三人揃って座って待つ事約十分。
何らかの装束を纏った祖母と両親がやって来て、三人の対面に正座する。
「みんなは、そのままでいいにゃ。」
姿勢を直そうとすると、白母さんが言う。
なら、楽な姿勢でいいだろう。
「孫の中の存在について、だったね。」
お祖母ちゃんが話し始める。
「…それにしても。
天虎の巫女に、九尾の神憑き…。
金獅子や森王が居ても驚かないよ。」
ミーコとナナの事だろうか?
「「神招き」の血筋が成せる業かねぇ。」
神招き、つまりミーコの先祖の天虎族のような?
「ピコ、私たちの一族はね。
かつて原初の召神、バステト様を招いた一族な
のさ。」
神話でこの星にケットシーを連れて来たという?
「そうさね…」
お祖母ちゃんの語る話は神招きの一族の話であった。
ー神招きの一族の話ー
平穏は二種族の争いによって破られた。
その種族は金獅子族と二足狼族。
全ての種族の王を主張する金獅子族と、当時、既に幾つかの種族を束ねていた二足狼族の主張争いが原因であった。
両種族に挟まれた妖精猫族は、争いを避けるも、最後には渦中へと引き込まれる。
争いに疲弊した妖精猫族は、かつての平穏を願った。
ある日、一人の雌が種族の願いを一身に込め、高き山から身を投げる。
創造神の力が宿る若い命の力と、種族の一つとなった願いはバステト神となり、妖精猫族を守護した。
バステト神を造り出した雌の一族は、「神招き」の一族として神を宿し、守護の力を振るった。
これ以降、噂は各種族に伝わり、様々な方法で召神が試みられ、成功と失敗を繰り返した。
失敗した召神は願いが薄ければ残滓となり、全ての種族に牙を剥くようになる。
そして、宿る一族を喪った神は暴走し、悪魔となる。
天虎族は残滓に対する力を得る為、妖精猫族に協力を求め、天虎を得る。
これを知った二足狼族は「神招き」の一族の娘を無理矢理拐い、召神を行う。
二足狼族の願いは「敵対するもの全てを殺す」事。
召神は成功するものの、寄り代の娘の願いと違いとなる。
歪んだ神は悪魔となり、娘の一族に紛れ星を渡る。
星を渡り、バステト神の力を失った「神招き」の一族は、役目を失い、市勢に下る。
二足狼族の神に込められた願いは呪いとなり、「神招き」の一族の中に受け継がれていく。
~ピコ視点~
「マルコシアスは天虎に倒されたにゃ。」
ミーコの家がある以上、それは確定の筈だ。
「神は死なないのさ、願いがある限り。
神が死ぬ時は生命が滅び、絶える時さね。」
ということは、だ。
「天虎や金獅子だけでなく、バステト神も生きている
ということですにゃ?」
ミーコも同じ結論に至ったようだ。
「神に生死は無いのさ。
…バステト神は少し特殊だがね。」
しかし、言うだけならどうとでも言えるのだ。
「…三人とも、ついて来なさい。」
お祖母ちゃんに奥へと案内される。
「これは…。」
ナナの言葉は続かなかった。
案内された場所には地面が露出し、石造りの祭壇が存在していた。
この社は、祭壇を囲うように建築されているようだ。
「この下に簡易の儀式陣がある。」
祭壇の下を示すお祖母ちゃん。
どうやって行くのだろう?
「バステト神様、我が一族の声に耳を傾け下さい。
あなた様の守護する我らの前を阻む障害を退ける
力を。
我らを救う力を、この両手に与えて下され。」
ブワッ!
お祖母ちゃんが祝詞を唱えると、何かが集まる気配がする。
「これは、魔法にゃ!?」
ミーコが声をあげる。
ト…ト…ト…
お祖母ちゃんは気配を纏ったまま祭壇に近づき、手を掛ける。
そして…
「ふんっ!」
ガコッ…ズズズ…
祭壇が少し浮き、スライドして地下への階段が現れる。
「「「…………………………。」」」
三人は目の前の現象に絶句する。
ガチリ
「さて、ついて来なさい。」
何事もなかったように階段を下りて行くお祖母ちゃん。
「…すごい。」
ナナに同意する。
しかし、一点だけ言わせて欲しい。
「いや、手動かいっ!!」
作者、その設定知らない!?
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