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21 露見

先に仕上がったのでこちらからどうぞ!

長くなったので二話に分割しました。

19時にも更新です。

主人公達は不在!

~アルファ連隊 司令部戦艦~

 

 時は要塞「マズル」攻略戦が開始された頃に戻る。

 中将率いるアルファ連隊は囮の役割を果たす為、他2連隊が敵軍との交戦開始後に前進を始めた。


 ・本命以外を攻撃し、敵戦力を分散。

 ・後続の主戦力が本命を攻撃する。


 という、キャトラスとドギヘルスの両軍で使い古された基地攻略戦時の戦術をとることで作戦の隠蔽を行ったのだ。(知れ渡った戦術だが、有効ではある)


「MAミサイル、効果絶大。

 敵軍の散布した機雷の掃討が完了。」


 独立部隊であるストライプ隊がもたらした、装甲の発展により有効足り得なくなった核兵器であるMAミサイルはここで過去の栄光を見せつける。


「敵軍、前進して来ました。」


 壁を失ったドギヘルス軍は要塞に張り付けないよう前進し、キャトラス軍を押さえ込みにかかる。

 対するキャトラス軍は万全の正規兵の前衛と促成の志願兵の後衛という陣形で迎え討つ。


「最前列、射撃を開始しました。」


 という事はドギヘルス側も射程範囲に進んだという事だ。

 両軍は激しい射撃戦を行いながらも前進は止めず、遂には両軍入り乱れる大混戦へと推移していく。



~アルファ連隊前衛~


 戦闘が開始されてから二時間は経つであろう頃。

 主戦力を他連隊に振ったアルファ連隊はドギヘルス側の主力の攻撃に劣勢となっていた。

 後衛の志願兵も混戦の最中にあり次々と撃墜されていった。

 アルファ連隊は各員の奮闘と要塞からの砲火が薄い事で何とか持ちこたえている状況だ。


ボンッ


 また「白帯」の機体が撃墜される。


『どうした、毛玉共。

 そんな体たらくで勝てると思うなよ?』


 煽るドギヘルスのパイロット。

 この頃になるとキャトラスが無線を傍受している事はドギヘルス側にもバレて、こうして逆に利用される事も多くなっていた。


『くっそぉ!

 お前ら何か…っ!』


 義憤で立ち上がった志願兵は悔しさを滲ませ悪態をつく。


『「白帯」はなるべく前に出るな!

 死ぬつもりが無いならな…。』

 

 今にも敵機に飛びかかろうとする志願兵を押し留める正規兵。


『作戦はうまく行っているんだ!

 堪えろよ?』


 別の志願兵が宥める。

 しかし、その一言が戦況を変える。


『(作戦だと…?)

 「マズル」司令部、Aフィールドの敵軍は囮だ!』


 どうやらドギヘルス側も無線の傍受を行っていたようで、作戦が露見する。


『しまった!

 奴を撃て!』


タタタタッ!


 慌てて目の前の敵機に集中砲火が加えられる。


『繰り返す、正面の敵は囮…

 「ボッ!」』


 しかし既に情報は渡った。


『「白帯」は下がって固まれ。』


 正規兵は志願兵らに指示を出す。

 

『敵が雪崩込んで来る。

 …生き残れよ。』


『おれも一緒に戦わせて下さい!』


『自分達もついて行きます!』


 覚悟を決めた正規兵に退く気配の無い志願兵ら。


『責任を感じる必要など…。』


 機密保持教育は6ヶ月の促成訓練では不十分であった。

 敵が無線の傍受をしている事を見落とした軍の落ち度である。


『…助かる。

 だが、覚えておけ!』


 問答の時間は無い。

 それに戦力は今以上に必要になる。

 正規兵は志願兵らを率いる事にして注意を飛ばす。


『俺に指揮の経験は無い!』


 正規兵の彼は第六宙域の所属、実務経験はそれなりだが、実戦は今年に初めて経験した。

 

『それでいい奴はついて来い!

 行くぞっ!』


『『『了解!』』』


 突発的に組まれた小隊は前に出る。

 たとえその先に死が待っていても。



~要塞「マズル」司令室~


「…どうしますか、総司令。」


 本命と思っていた敵軍が囮だという報告に総司令官は判断を下す。


「Bフィールド、Cフィールドの部隊をAフィールドに

 合流させろ。」


「待って下さい、合流とは?

 それでは孤立する部隊が出るかと…。」


 副司令は待ったをかける。

 この雄はてっきり一軍の精鋭を援軍に出すものだと考えていた。


「わかっている。

 しかし時間が無いのだ。」


 現在、要塞「マズル」にはキャトラス軍が侵入し、隔壁等防衛設備の展開、防衛隊による室内戦闘が行われている。


「ならば、なおさら…!」


「だからこそなのだよ!」


 現在劣勢のB、Cフィールドに援軍を送って戦線を維持しようと、侵入されている現状では意味が薄い。

 であれば、現在優勢であるAフィールドの敵を完全に叩いてから各フィールドに援軍を送る。

 ある程度戦線を押し返した後に侵入した敵を内と外から挟み込んで殲滅した方が可能性としてはありだ。


「…………。」


 暖簾に腕押しな総司令官に閉口する副司令。


「反論は無いようだ。

 全軍に通達しろ。」

 

 その後、Aフィールドに集まったドギヘルス軍はキャトラス軍のアルファ連隊を蹴散らす事に成功する。



~アルファ連隊 司令部戦艦~


「アルファ連隊の損耗率4割を超えました。」


 戦況分析官の報告。

 作戦が失敗したと判断されるのは全軍の損耗率が5割を超えた時である。


「全軍の損耗率は?」


 聞き落としがあってはならない為中将は分析官に問う。


「………3割に満たないかと。」


 つまり作戦は続行、要塞の制圧にかかっている現在、キャトラス軍が圧倒的優勢と言えるだろう。


「アルファ連隊は現地点で留まれ。

 敵軍を抑えろ。」


 兵士にとって無情な命令。

 ブリッジ内の雰囲気も暗くなる。


「本艦も前に出る。

 敵要塞制圧まで耐えきるぞ。」






 



次回 作戦完了


マルコシアス隊、早く来てくれ!



いつも読んでいただきありがとうございます

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