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19 敵要塞を攻略せよ!

戦闘パート


VS要塞「マズル」、ファイッ!

 要塞「マズル」攻略戦の日がやってきた。

 出撃前の作戦会議では、本隊は先の第二防衛線侵攻作戦と同じように三つに分かれ、同時に異なる方向から攻撃を仕掛ける事が伝えられた。

 詳しい作戦は以下の通りだ。


・三つに分けられた本隊は、それぞれアルファ連隊、ベ

 ータ連隊、ガンマ連隊と異なる指揮系統となる。

 (総指揮官の中将はアルファ連隊の指揮を執る)


・アルファ連隊は要塞正面、ベータ連隊は左回り、ガン

 マ連隊は右回りに攻め込む。

 (要塞後方以外を囲む形になる)


・今回の主力はベータ、ガンマ連隊となる。

 (各独立部隊はこちらを優先して配置)


・アルファ連隊は囮であり、他連隊は要塞の攻撃を優先

 する事。

 (その為補充員はほとんどがアルファ連隊となる)


・要塞の制圧をもって作戦の成功とする事。また、全軍

 の五割が損耗した時点で作戦を失敗とし、各隊の判断

 で撤退する事。

 (全軍の為、連隊が壊滅しても作戦は続行される)


 作戦の要項を見る限り、中将自らが全滅必至の囮を務め、敵軍が餌に喰いついている間に兵の練度の高い連隊が本丸を討つという事だ。

 敵軍は総指揮官の中将を討てばこちらの動きが悪くなる事を予想している事を予想した作戦だ。


 …………………。

 …………。

 …。


 そして、各独立部隊の配置は、


・アルファ連隊→ストライプ隊

・ベータ連隊 →ライトニング隊、

        ケートス隊(スノウ隊含む)

・ガンマ連隊 →マルコシアス隊


 となった。

 頭数に偏りが出たが、これには理由がある。

 要塞「マズル」は惑星ドギヘルスに対し防衛線の左寄りの位置にある。

 つまり、ガンマ連隊の侵攻する側はドギヘルス本星から遠回りであり、防衛網が他方向に比べ薄くなっているのだ。(ナナ情報)

 独立部隊の考えとしてはベテラン部隊の比較的多いベータ連隊を本命に、現キャトラス軍で勢いのあるスノウ隊とマルコシアス隊を分ける事で作戦全体の調整を行うというものだ。


「しかしまぁ…。

 白いやつが増えたもんだ…。」


 親父っさんが呟く。

 親父っさんの言うように、現在のキャトラス軍では機体に白のワンポイントを入れる事がトレンドとなっている。

 戦闘機には主翼や尾翼、機首等の一部を白く塗装。

(スノウ機は全体が白、スノウ隊機は右主翼全体)

 元々白が基調のポッドは黒線二本で白のラインを浮き立たせる工夫がされている。

 戦闘機が様々な箇所になっているのに対して、こちらは横のライン一本に統一されている。

 まるでその全てがマルコシアス隊だとでも言うような徹底ぶりである。


「それで士気が上がるなら、それに越した事は無い

 にゃ。」


 黒線二本を引いた機体はそのほとんどが補充員の機体である為、スポーツの段位から「白帯」と通称された。


「白帯が初の実戦で死地で戦うとはな…。」


 親父っさんは苦い顔で言う。

 補充員の訓練期間は僅か6ヶ月という。

 本来の訓練カリキュラムの半分という期間での実戦だ。(本来ならば訓練修了後も後方支援から入る)


「自ら銃を取ったんだ…。

 訓練期間は関係無い…。」


 イワンが話に加わる。

 一見突き放すような意見だが、実戦経緯という点では第二~第四宙域所属以外は似たようなものである。

 補充員の彼らとて前線に送られるくらいには腕がたつのだろう。

 つまりイワンは彼らを信用しろと言っているのだ。


「それもそうにゃ。

 マルコシアス隊はマルコシアス隊の役割を果たす

 にゃ。」


 国の危機に戦う事を決意した彼らが少しでも多く帰れるように、敵要塞の一刻も早い攻略が求められる。


「………そうだな。

 だが、突っ走らないようにな。」


 勿論、分は弁えて居る。

 事をなすのはベータ連隊、マルコシアス隊はガンマ連隊で敵を引き付けて入れば問題は無いのだ。

 

『作戦開始時刻である。

 目標は敵要塞制圧。

 全隊、前進開始!』


 要塞「マズル」攻略戦の始まりだ。




~ガンマ連隊 ブルーシャーク~


 前進を開始して二時間程、敵要塞「マズル」を視界に捉える。


(大きいな…。)


 プライズ艦長はその威容に素直に感嘆する。

 要塞「マズル」は敵移動式要塞の数倍の規模は軽く凌駕していた。


(作戦程簡単には行かないだろう。)


 広範囲レーダーには前方に、移動式要塞攻略戦以上の敵軍が待ち構えている事を示している。

 正面で無くてもこうである。

 アルファ連隊はこれ以上の敵軍と交戦する事になるだろう。


「艦長、予定の距離になりました。」


 敵軍機はまだ目視出来ていない。

 しかし、無傷で接近させるわけは無い。


「マルコシアス隊、ブルーシャーク。

 M(微細)A()ミサイルを発射する。」


 ガンマ連隊艦に通達を行う。


ガコン…


 大型ミサイルランチャーのハッチが開く。


「MAミサイル、発射します。」


ボシュウゥッ…!


 態々後方から手配した骨董品だ。

 だが、あの時舐めさせられた苦汁の味を思い知らせよう。


ドンッ!


 敵陣形より大分前で炸裂。


パパパパパッ


 炸裂した範囲以上に広く、小さな爆発がカメラのフラッシュのように発生する。

 ドギヘルス軍が散布した機雷である。

 無策に突撃することは勿論の事、処理に手間取っても少なくない被害が出た筈だ。

 他の独立部隊にも一発ずつ渡してある。


(うまく使ってくれると良いが…。)


『総員、マルコシアス隊がやってくれた!

 残った機雷に注意し突撃!』


 ガンマ連隊司令官の号令で艦から次々に艦載機が発艦して行く。


『マルコシアス隊、続くにゃ。

 キマイラ1、フロス大尉。

 出るにゃ。』


 我が隊の若き隊長も出撃した。


「機関全速!

 「マズル」に取り付くぞ!」






今章のメインイベント開始


いつも読んでいただきありがとうございます

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