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18 ナナの加入

狐っ娘入りま~す!


「改めまして、よろしくお願いします。

 諜報部所属のナナ・ファーテイルです。

 これからしばらくこの艦でお世話になります。」


 ナナが集まったマルコシアス隊のメンバーとブルーシャークのクルーに一礼して下がる。


「というわけで、隊に新メンバーが加わるにゃ。

 現場は不慣れかも知れないけど、仲間として助け

 合って欲しいにゃ。」


 メインハンガーに集めた面々に言い、解散させる。

 ドギヘルス軍から保護したナナは本来であれば本部へと送られるところだったが、ここはドギヘルスの領域の直中だ。

 更に、本隊に補充員が到着した事で「マズル」攻略戦を間近に控えている。

 はからずもキャトラス軍のエース部隊になったマルコシアス隊は戦線を離れるわけにはいかなくなってしまった。

 かといって、別部隊に預けようものならば経緯をよく知らないでは「間違い」が起きる可能性が高い。

 以上の点から諜報部長官直々に預かってくれと連絡があり、了承した訳である。


 …………………………。


 …………………。


 …………。


 それから数日間、ナナは積極的に艦のあらゆる仕事(と言っても雑用だが)をこなし、隊の面々と打ち解けていった。

 戦闘がいつ起きてもおかしくない現状、ギクシャクするよりは圧倒的に良い事なのではある。

 しかし、ちょっとした問題も起きていた。

 というのも…


「あの、ピコ隊長…。

 また、これを…。」


 ナナが申し訳なさそうに声をかけ、複数の便箋を渡してくる。


「…、中身は確認したにゃ?」


「………はい、全て…。」


 便箋を開き中身を確認する。


 一通目。(要約)

『あなたの優しさに惚れました。

 好きです。

 付き合って下さい。』


 二通目。(要約)

『この戦いが終わったら君に伝えたい事があります。

 その時まで君に加護がある事を祈ります。』


 三通目。(…。)

『次の戦いは辛く厳しいものになるでしょう。

 もしかしたら僕は戦死するのかも知れない。

 その前に貴女と思い出を作りたいのです。

 今晩、自室の鍵を開けて待っています。』


グシャッ!


 一通目、二通目はまだ許せたが三通目、オメーはダメだ。

 

「すー、はー…。」


 深呼吸をして気分を落ち着かせる。

 ナナがマルコシアス隊に加わった事により生じた問題とはナナに懸想する雄が多い事である。

(一通目の差出人はトムであった。)

 別に隊内で恋愛をするなとは口が裂けても言わない。

(言えない。)

 中には本気でナナの事が好きな者もいるだろう。

 しかし、内容を読む限り、ナナが馴染もうとして行った仕事を自身への好意と勘違いしたり、歩み寄りを装った上から目線であったり、験担ぎ(二通目、それはフラグだ)、果てには一晩のお誘いと、どうかと思う物ばかりなのだ。


「………すみません、私が来たばかりに…………。」


 消え入りそうな声で謝るナナ。


「ナナは一生懸命だっただけにゃ。

 悪いことなんて無いのにゃ。」


 慰め、キッパリと否定する。

 最初は丁寧に断っていたナナもすっかり参ってしまっている。

 これはいくら何でも釘を刺した方がいいと判断する。


 …………………。

 …………。

 …。


 場所は変わり、ブリッジへ。

 プライズ艦長に事情を説明し、協力を仰ぐ。


「………と言う訳で皆をメインハンガーに集める

 にゃ。」


「スタイン小佐から聞いてはいたが…。

 それほどとは…。」


 どうやら艦長の耳にも入っていたらしい。


(タマ、ナイスにゃ。)


 相棒のおかげで話が早そうだ。


「…分かった。

 風紀の乱れ過ぎは良く無い。

 皆を集めよう。」


 プライズ艦長の言葉の一部がピコに刺さるものの、協力は得る事が出来た。


 …………………。

 …………。

 …。


 しばらくして、再びメインハンガーにマルコシアス隊の総員が集まる。


「今回集まって貰ったのは、現在我が隊で起きている

 問題にあるにゃ。」


 ざわつく面々と、白けた、事情を知る一部。


「(要約)

 ちょっと男子!

 ナナちゃん困ってるでしょ!

 止めなよ!

 次同じ事やったら殴るよ!?」


 …………………………。


 …………………。


 …………。


 …。


 次の日、通路を歩いているとナナが駆け寄って来る。


「ピコ隊長、ありがとうございました!

 おかげで今日は一通も渡され無いんです!」


 ラブレターを貰って喜ぶ雌は数知れないが、貰えなくて喜ぶ雌はナナくらいではないだろうか?


(美人なのににゃ…。)


 思っても口には出さない。

 ドギヘルスの価値観の中で今まで過ごしてきたナナにとっては容姿の話は禁句に等しい。

 そこからこのモテようだ。

 受け入れられず困惑するのも無理は無い。

 しかし、いつかは自分の好きな相手と結ばれればいいとも思う。


「いつか受け入れられた時には求めてみるといいにゃ。

 ナナに求められて嫌な気持ちになる雄はいない

 にゃ。」


 もしいたとしたら…


(やべぇ、結構思い当たるにゃ…。)


 ピコ自身が対象が雌である。

 逆もまた、である。(意外と軍には少ない)


「(雌はどうなんでしょう…?)」


 一人で自身の発言にワタワタするピコを見て呟かれた言葉はナナ以外に聞き取られる事無く、その役目を終えた。










 このやり取りから3日後、遂にドギヘルス軍大規模要塞「マズル」攻略戦の火蓋が切って落とされる。

次回 にゃ○こ大戦争


???「缶詰め寄越すにゃ~!」


缶切りすてんばい!



いつも読んでいただきありがとうございます

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