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15 獅子奮迅

後半戦闘入ります

 今年も8月に入り、ドギヘルス侵攻開始から3ヶ月と少しが経過した。

 三つに分かれた本隊の2分隊は2日前にドギヘルスの第二防衛線深部を目指し出撃して行った。

 つまり本日、ピコ率いるマルコシアス隊を含む残りの本隊1分隊が出撃する。


『ホワイトケートスとのレーダーリンク正常。

 本隊、前進を開始しました。』


 レーダーにはマルコシアス隊の機体と母艦、スノウ

隊の機体と母艦、そして中将の座す戦艦が表示されて

いた。

(その他友軍は邪魔になる為除外されている)

 レーダーを見るとスノウ隊は捜査範囲外に表示されていた光点が消失し(表示範囲外だ)、本隊中央の戦艦も徐々に遠ざかって行く。


『ブルーシャーク、隊列の最後尾に付きました。』


 どうやら艦も前進し始めたようだ。


 …………………。


 …………。


 …。







~ドギヘルス第二防衛線深部要塞「マズル」~


「キャトラスの本隊がここに迫っているらしい。」


「まだ中間すら攻略していないだろ?」


「奴ら途中の基地を無視して強引に前進したよう

 だ。」


 要塞内でキャトラス軍侵攻の話が広まる。

 軍が各地から集結し、この要塞を基点に反攻が始まる矢先の強引な侵攻に信じない者も多い。


「途中にある基地の連中によると、敵本隊は三つに分

 かれて向かって来ているんだと。」


「なら、各個撃破で済む話じゃないか?」


「偵察だとそれぞれにエース部隊が同伴しているん 

 だ、それに本隊の三分の一が付いている。」


 仮に一つの分隊を撃破しても、残り2隊にここが落とされてしまう。

 ならば最初からここで戦った方が断然良い。


「それに何もタダで通す訳でも無い。」


「大型機体も完成したしな。」


 艦用のドッグには新システムを採用した拠点攻略兵器が最終調整を受けていた。


「だけど本当に一人でアレを動かせると?」


 その兵器はカテゴリー上はポッドに分類され、一人で運用される。


「コンテナで散々試したらしい。」


コンテナとはドギヘルスの武装ポッドの通称だ。


「ちっ…、頭のおかしい狸め。

 アレを作るのにどれだけ死んだんかね?」


「それでも俺たちはすがるしか無いのさ…。」


 艦船サイズの化け物ポッドはキャトラス軍を地獄に送るべく、今はまだ静かに眠っていた。










~ピコ視点~


 臨時前線本部基地を出撃し一日が経った。

 昨日は敵の偵察が何度かあったものの、すぐに撃退され、順調に前進していた。

 先に出撃した2隊もルート上の拠点をある程度破壊しつつ前進しているらしい。


『各艦に告ぐ。

 我々は今、敵第二防衛線の直中にいる。

 これから敵の抵抗が大きくなると予想される。

 十分警戒して前進するべし。』


 中将自らの勧告だ。

 敵防衛線の直中という事は周りは敵拠点だらけであり、昨日の偵察から攻撃の準備は出来ている筈である。

(無傷の敵拠点基地がほとんどである。)


『こちらケートス独立小隊母艦、「ポセイドン

 Jr」。(普通のパイク型駆逐艦だ)

 敵艦隊を探知。』


 撃退出来ずとも戦力が分散しているうちに削るつもりだろう。

 敵ながら中々の覚悟だと思う。


『ホワイトケートス始め、複数部隊が出撃。

 交戦を開始しました。』


 マルコシアス隊も前に急いだ方がいいだろうか?


『後方より敵艦隊を探知。

 挟まれました。』


 まさかこの分隊を撃破するつもりか!?

 総司令の中将が居る為それを許せば本隊が敵中で総崩れになる可能性がある。

 大量破壊兵器への警戒が仇となった。

 厳しい戦いになる。


「マルコシアス隊、出撃。

 後方の防衛をするにゃ。」


 …………………………。

 …………………。

 …………。

 …。


ドオォッ…

 

 

 戦闘を開始して数十分程が経過しただろうか。

 隊列から押し出された駆逐艦がまた一隻撃沈される。

 挟撃された艦隊は戦闘開始時は多数の艦による砲撃で有利をとっていた。

 しかし、次々と増える敵の増援に対応が不十分となり敵に食い付かれた。

 そして現在、艦隊の前方も後方も敵艦隊に押さえつけられ、身動きが出来ないでいた。

 駆逐艦は機動力を活かす事が難しく、耐久の低さから敵艦砲の餌食となっていた。


『周囲の艦はブルーシャークの影に!

 ミサイルでの援護を求む。』


 そんな中でマルコシアス隊母艦のブルーシャークは駆逐艦級を凌駕する耐久で持って防壁となっていた。


ボボボボッ…


 防壁となっているブルーシャークを撃沈するべく敵艦載機が殺到するも悉くが撃ち落とされて行く。


『艦はやらせないよ!

 あたしらが相手だ。』


ガガガガガッ!


『オーバーヒートに注意して下さい。』


タタタッ!


『次から次へと…。

 どこ撃っても当たるな。』


ダダダダダッ!


 ミケコ副長はいつも通り弾幕を張り、トーマスは艦からガトリングのエネルギー供給と援護射撃。

 ガイウスも今回はマシンガンに装備し直した。


『しつこいっすよ!』


ドンッドンッ!


ドウッ…ゥゥ…


『戦闘機隊何をしている!

 あの機体を近寄らせるな!』


 ディックは敵艦隊後方に回り込み、艦船のエンジンを集中的に破壊し足止めをしている。

(ショットガンが強い!)


『青鮫の「刃持ち」だ!』


『迂闊に近くな!

 下がりながら撃て!』


ゴオッ


『ひっ…!』


『こっちに…』


スパパンッ!


 そしてピコは自機の象徴となったMVブレード(開発部がメタモメタルで2本作り直した)を振るい敵ポッド部隊を食い止めていた。

 しかし艦隊は動けない。

 このままではじり貧である。

 だが、後ろはマルコシアス隊が支える。


(スノウ、前は頼んだにゃ!)


 ピコは頼もしい同期の雄を信じた。


 





 


次回はアニマル

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