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アニマル?ライバル??

??「前回の予告どおり、この話の主役は怪盗

   ホワイトマスクがいただいたにゃ!」

??「何やってるの…。

   あなたの出番は無いのよ。」

??「ちょっ!

   クロ待つにゃ!」

ズルズル…

 ケートス隊第三分隊は欠員していた2機に新しい隊員を迎え、独立小隊として再始動した。

 隊の正式名称は「ケートス独立小隊」。

 しかし、いつの間にか一般的な呼称は「ホワイトケートス」となっていた。

 この自己主張の激しい呼称を広めた犯人の先輩を尋問したところ、

「こっちのがカッコいいし、分かり易いだろ?」

 との事だ。(制裁済み)

 使用機体は新素材のメタモメタルを使用して製造された「ティアマット改」。

 設計はティアマットと同じだが、新素材使用により機体耐久性が大幅に向上した他、軽くなった事により機動性も一~二割向上した。

 製造難易度とコストが低下したことでケートス隊を始めとした戦果を多く上げている部隊に順次配備され始めた。


「ティアマットの性能はどうだ、英雄。」


 先輩が新メンバーに早速絡んでいる。

 新メンバーはスタイン小将も戦死した敵移動式要塞攻略戦で、僅かな戦力で敵要塞を撃滅した際生き残った戦闘機パイロットだ。


「機動性に慣れるのに時間だかかりそうだな。」


 元戦艦「クルーシャン」所属、ロブ・フィッシャーマン大尉。

 右翼端に救援に出ていた為集合が遅れて砲撃を逃れたらしい。

 本物のベテランパイロットだ。


「特に問題は無い。

 (この機体であればどうにか出来ただろうか…)」


 簡潔に応え、何かを呟いたのはグレッグ・アンダーソン小佐。

 前線での戦闘経験は少ないが攻略戦時無傷で戦い抜いた、元部隊長だ。

 隊で一番若いのが隊長の異彩を放つ部隊であるが、全力を尽くしたい。


 …………………………。


 …………………。


 …………。


 …。


ザワザワ…ザワザワ…


 隊の始動から一ヶ月。

 新メンバーの二人が機体に慣れ、連携もある程度完成した頃、白鯨隊は前線本部基地へ整備・補給に訪れていた。


「時間も丁度いい。

 飯食おうぜ。」


 先輩の提案にのりやって来た食堂だが、多くの兵員に囲まれる。


「すげー、本物だ!」


「ファンなんだ、握手してくれ!」


「あの人カッコいい!」


「あの二人は誰だ?」


「新メンバーの英雄だってさ。」


「戦死した二人も安心だな。」


 誰が何を言っているかわからない言葉の氾濫に新メンバーの二人共々目を回す。

(先輩はノリノリで握手等をしている)


「ピコ…………結婚………………にゃ。」


「っ!」


 聞こえた言葉に声を上げそうになる。


「…ん?

 どうした、隊長?」


 先輩が様子がおかしくなった自分に気付き声をかけて来る。


「いや、個人的に少し気になった事が…。」


 大した事では無いと誤魔化す。


(一体誰が…そもそもここにピコが?)


 話の聞こえた場所を目で探す。


「ふむ…。

 あー、皆、済まないが今回は解散してくれ。

 俺たちも腹が減ったんでね。」


「おお、悪い。」


「今後もよろしく頼むな。」


「くそ~、時間切れか。」


 先輩が集まっていた者たちに解散を促すと人垣は徐々に崩れ、食堂は本来の賑わいに戻った。


「ありがとうございます、先輩。」


 これでやっと落ち着ける。

 新メンバーの二人も、どこか安心したように見えた。


「いや、俺がサービスし過ぎたせいだからな。」


 そういえばそれもあったのか…。

 せっかく上がった株も単なるマッチポンプだったということが先輩らしいと感じた。


 …………………。

 …………。

 …。


 それぞれ食事を受け取り席を探す。


「おっ、あそこ一人だけで座ってるぞ。」


 先輩が座れそうな席を見つけたようだ。


「すみません、相席いいですか?」


 近づき相席の許可を求める。


「我が軍のエース部隊の相席は断れ無いにゃぁ。」


 間延びした返答。

 一人で食後のコーヒーを嗜んでいたのはスタイン家の三男、タマ・スタインであった。

 

 …………………。

 …………。

 …。


「…スタイン小佐は何でこんな所に居るんですか?」


 食事を半分程食べたところで気になった事を聞く。

 長男のブルグレイ小将が戦死した事で後継者で揉めているという噂だ。


「普通に軍に居るからいるにゃ。」


 質問が悪かったようだ。

 「生きているから生きる」みたいな返答をされた。


「スタイン家の後継者候補が前線に居ていいのかって

 事じゃないか?」


 先輩がわざと濁した部分をストレートに言い直す。


「家は下の兄さんが継ぐに決まっているにゃ?」


 順序的にはそうだろう。

 だが、スタイン家の次男はキャトラス中央議会議員だった筈、軍閥のスタイン家としては軍にも影響を持っていたい筈である。(ウィング家との婚約騒動は有名だ)


「小佐はそのつもりかも知れませんが、意見が分かれ

 ているのは事実でしょう?」


 軍閥の家として軍人の当主にしたい一派が小佐を推しているらしいが、と聞く。


「今まで放っておいた奴らの都合なんか知らんにゃ。」


 …色々と複雑な事情がありそうだ。


「なら、何故軍に?

 だから周りが騒ぐんだろ?」


 先輩が切り込む。


「フリッター艦長に託されたからにゃ。

 …まぁ、結局は自分がそうしたいからにゃ。」


 この雄の本心がわからなくてモヤモヤする。


「今の隊が無くなったら、その時は素直に退役する

 にゃ。

 (…そんな事はさせんけどにゃ。)」


 小佐は今の隊に随分と御執心らしい。


「気に入ってる隊何だな?

 どの隊だ?」


 先輩が興味津々で尋ねる。


「マルコシアス隊にゃ。」


 要塞攻略戦時の英雄部隊!?

 

(それに確か部隊長は…。…!)


「情報提供は終わりにゃ。

 明日は前線に向かわんとならんのでにゃ。」


 そう言うとスタイン小佐は行ってしまう。


「なんだ?

 結局重要ポストじゃねえか…。」


 先輩の突っ込みが空しく溶けていった。

前書きの二人は誰なんでしょう?


いつも読んでいただきありがとうございます

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