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7  任務完了 ドギヘルスの機体

前回のあらすじ


 敵機の自らを顧みない行動によりピコ、ピンチ!

 後方の敵機は既にピコの機体を射程に収めている。


グッ…グッ…


 …かなりしっかり拘束されているようだ。

 これでは回避は難しい。


『取ったぞ!

 「青鮫」の機体!』


 敵機の銃口がピコの機体にピタリと合う。


ドッ!


『っ!』


『なっ!?』


「………。」


ボンッ!


 ミサイルが命中し撃墜。

 本当、惜しかった…。


ズッ…!


 レーザーカッターをピコの機体を掴む敵機のコックピットに突き立てる。


『「ジュッ…」』


フッ…


 カッターを停止する。


ガガガガガッ!


 ガトリングの乱射。


キュンッ!


 レーザーチャージャーの狙撃。


タタタッ!


 パルスガンの射撃。


ボンボンボンッ!


 そして、次々に撃墜されていく敵機。

 …この周辺の安全は確保された。


グググ…


 パイロットが死亡して尚、脚部を掴み続ける敵機のアームを引き剥がす。


ガキンッ!


 やっと解放された。

 ……………。

 掴んだ敵機を見て艦に通信を入れる。


「キメラ1よりブリッジ。」


『こちらブリッジ。

 キメラ1、どうしました?』


 返答に「何かトラブルか?」というニュアンスが含まれる。


「原型を残した敵機があるにゃ。

 回収するにゃ?」


 解析して弱点等を見付けられれば儲けものだろう。


『回収して下さい。

 …拘束要員は必要ですか?』


 捕虜の有無を問われる。


「必要ないにゃ。」


『分かりました。

 残骸を確保したまま、一旦帰還して下さい。』


 レーダーを見ると光点は随分と少なくなり、今も一つ消失する。


(戦闘は大丈夫そうにゃ。)


「了解にゃ。

 キメラ1、帰還するにゃ。」


 …………………………。

 …………………。

 …………。

 …。


「キマイラはこのまま整備する。

 後はミケコ達に任せるんだな。」


 ドギヘルス軍の戦闘ポッドの残骸を確保し、艦に戻ると親父っさんにそう言われる。

 一旦帰還するにあたりミケコ副長に指揮を任せてきたがこのまま任務終了まで待機になるとは考えていなかった。


「キメラ1よりキメラ2。

 マルコシアス隊の指揮権を当任務の完了まで委譲

 するにゃ。」


 コックピットに戻り、ミケコ副長に指示を出す。


『了解。

 敵機も後、数機さ。

 すぐに終わらせるよ。』


「頼んだにゃ。」


 


~ミケコ視点~


 初めて分隊の指揮を任せられて以降、マルコシアス隊が前衛と後衛に戦闘スタイルが分かれたこともあって部隊の指揮を任せられる事が多くなった。


(と言っても全体指揮何て初めて何だけどねぇ…。)


 戦闘中に出すようなものでは無い指示に心の中でぼやく。

(戦闘で指揮官が死亡した場合ぼやく所では無いが)


「全員聞いたね?

 指揮はあたしになったけど、流れは一緒さ。

 敵機を殲滅後、敵基地の砲台を破壊するよ。」


『『『了解。』』』


 …………………。

 …………。

 …。


「キメラ2よりブリッジ。

 敵基地の砲台は粗方破壊したよ。」


 あれから特に敵が奥の手を出して来るような事も無く、作戦通りに戦闘は推移した。


『了解しました。

 バンカーミサイルを発射します。

 退避して下さい。』


 バンカーミサイルは弾頭がドリル状になっていて、目標に突き刺さってある程度内部に進入してから爆発する

対構造物の大型ミサイルだったか?


「ミサイルが来る。

 全員退避だ。」


 とりあえず退避の指示を出す。


ボシュウゥゥ…


 艦からキマイラのブースター程の大きさのミサイルが飛んで来た。


ドンッ!


 ミサイルは特に迎撃を受ける事無く敵基地の基礎部分の小惑星に突き刺さる。


グググ…


 ミサイルの1/3程がめり込み、見えなくなる。


ドゴォッ!


 そして、そのサイズにふさわしい爆発が起き、小惑星は真っ二つに割れ、敵基地は崩壊していった。


『敵基地の破壊を確認。

 任務完了です。

 帰還して下さい。』


 ここには二度と基地は作れ無いだろう。


(まっ、あたしらには関係の無い事さ…。)


「全機、RTB!」


 そうしてあたしらは艦に帰還していった。


(隊長はああ言うけど、普通に「帰還する」でいいと

 思うんだけどねぇ…。)




~強襲駆逐艦ブルーシャーク ピコ視点~

 

「…………………。

 ………よっ、と。」


 無事任務を終えて前線本部基地への帰還中、ピコはドギヘルス軍武装ポッドの検分の場にいた。


「それで、現時点で何か分かったかにゃ?」


 機体の上から降りた親父っさんに聞く。


「装甲やスラスター、配線はいじってあるが性能的に

 はキャトラスの武装化ポッドより少しいいくらいだ

 な。」


 軍用ポッドが前線に配備され始めた今、ドギヘルスのポッドは敵では無いということになる。

(「キマイラ」という呼称はあくまで機体愛称だ)


「武装は三連装のロケットランチャー2基に艦載規格

 と思われる機関銃1基、火力は高い。」


 火器の検分をしていたイワン整備員が言う。

 つまり、ドギヘルスのポッドは集団でのロケット弾斉射による攻撃を前提に改装されており、ポッド同士の乱戦は考慮されていない事になる。


「スラスターは燃焼式。

 推力は高いがタンクの位置がなぁ…。」


 燃焼式のスラスターは構造が単純かつ、同サイズの空気圧縮式より推力も高い。

 しかし、破損すると爆発の危険性が非常に高い物となっている。

(キャトラスのポッドは後者を採用している。)


保護(シールド)構造ではあるが軍用燃料の爆発には耐えられ

 んよ。」


 外側を硬くしても内側からの爆発には対応しない。


「ドギヘルスは以前からこういう傾向があったが、

 これは何時にも増して酷いな。」


 親父っさんは気の毒そうに、そう漏らした。


 

ドギヘルスの兵器は 安全性<性能 です。

キャトラスはその歴史から上層部も兵員の大切さを

知っています。



いつも読んでいただきありがとうございます

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