6 敵哨戒拠点基地を破壊せよ!
早めの戦闘パート
~ドギヘルス軍 前線哨戒拠点基地~
緊張感の漂う作戦司令室でこの基地の司令官が口を開く。
「定時報告。」
二時間前と同じ台詞を吐く。
「レーダーに反応無し、引き続き警戒を行います。」
観測官がそう応える。
キャトラスがドギヘルス侵攻戦を開始してから一月が経過し、ドギヘルスの領域各地で戦闘が行われるようになった。
落とされた拠点基地も数ヵ所あり、警戒レベルが引き上げられている。
その為、普段であれば8時間毎の定時報告は2時間毎に短縮され、レーダーコンソールには常に誰かしらが張り付いている。
「……!
レーダーに感あり!
キャトラスの駆逐級、数1です。」
(一隻だけだと?)
報告を受けた司令官は訝しむ。
「警報を鳴らせ。
迎撃態勢だ。
ポッド部隊も出擊させろ。」
『ビー ビー』
基地内が俄に騒がしくなる。
「敵艦、カメラに捉えました。
画像、出ます。」
中央スクリーンに写ったのは紺色の船体に白いラインの引かれた駆逐艦。
「…艦の特徴から報告にあった「青鮫」かと思われ
ます。」
(何だとっ!?)
「付近の友軍に救援要請!
戦闘機隊も出せ!」
~強襲駆逐艦ブルーシャーク ピコ視点~
『目標敵基地から戦闘機とポッドの出撃を確認。
キマイラ各機、出撃して下さい。』
宇宙に上がったマルコシアス隊は侵攻が本格化されてから哨戒部隊や輸送部隊、極小規模の敵軍施設等の攻撃を行ってきた。
こういった拠点基地の攻撃は主に本隊所属の大隊などが行ってきた。
しかし、本隊が敵の第二防衛ラインに進出するにあたり、ルート外の拠点基地の破壊任務が回ってきたのだ。
「…隊長、どれを持って行く…?」
イワン整備員が聞いてくる。
「どれ」とは携行武器の事だろう。
「対空三連を持って行くにゃ。」
対空三連装ミサイルランチャー。
機体固定のものと異なりFCSとリンクしていない為、
ミサイル自体が目標を設定し追尾する。
(敵味方の判別はしない為、乱戦時は使用禁止だ。)
「…いい選択だ…。」
ウウィーン…ガシャン
電磁カタパルトの両脇にランチャーが用意される。
ガシィ
グリップをアームで保持する。
「キマイラ1、フロス大尉。
出撃準備完了にゃ。」
ブリッジへと連絡を入れる。
『ハッチ、オープン。
進路、問題無し。
射出タイミングをキマイラ1に委譲。
いつでもどうぞ。』
「アイハブコントロール。
キマイラ1、出るにゃ。」
バチチッ…ドンッ!
機体が急加速し、艦外に飛び出す。
カチン…ゴォッ
射出パレットをパージして機体スラスターの推力に切り替わる。
『ピピッ』
レーダーには敵機の反応が多数。
(…数は約30、一個大隊にゃ。)
『キマイラ、全機発艦完了。
続いてディーバーの発艦を行います。』
突出する反応は12。
おそらく戦闘機、一個中隊分だ。
「キマイラ各機、戦闘機を減らすにゃ。
ランチャー、斉射用意。」
ランチャーを構え、ミサイルに標的を設定させる。
モニターにはランチャーのロック完了の緑ランプが6つ映る。
「斉射カウント、3、2、1、撃てッ!」
シュババババババッ!
ランチャーが空になり、三十発の対空ミサイルが飛んで行く。
ドドドドドッ
爆発の帯が宇宙に形成される。
レーダー上で突出していた光点が消失する。
ドンッ…ドッ
少し遅れて数回の爆発。
ミサイルは突出していた戦闘機だけでなく、数機の敵ポッドもロックしていたようだ。
「敵ロケットが来る前にディックは迂回して敵の横腹
から急襲。
ミケコ副長はロケットを迎撃してから前進。
ガイウスとトーマスをつけるにゃ。」
「了解。
いつものやり方だね。」
敵ロケット攻撃をかわしてディックが敵陣形を乱す。
そこにピコが飛び込み敵を釘付けにする。
ミケコ副長が後衛組を率いて敵を掃討。
という三段階の作戦がマルコシアス隊のデフォルトである。(場合によりトーマスも前衛に回る)
ボッ… ボッ…
ディックが敵陣形に打撃を与えた。
「キメラ1、突貫にゃ。」
ゴォッ!
空のランチャーを放り捨て、スラスター全開。
(携行武器はリロードが出来ない為、使い捨て)
シュババババッ
敵のロケット攻撃。
それなりの数のロケット弾が飛んで来るが、機体数
に対して予想される2/3ほどの数であり、隙間は大
きい。
ヒュンッ…ヒュッ…
ロケット弾とすれ違う。
回避は余裕だった。
『こいつっ!』
ダダッ
『舐めた真似しやがって!』
ダダダダッ
効果が低いことを理解していたのか、敵は思ったより冷静に射撃を与えてくる。
(戦闘が頻発するなかで互いに対策がとれてきた為)
ギュンッ ギュルッ
脚部のスラスターも利用して最小限の機動で回避。
ダンッ!ダンッ!
リニアガンで反撃を行う。
ボッ!
『うわっ!
火がっ「ボンッ!」』
2発放った弾丸は1発は敵機のコックピット、もう1発は敵機の燃料タンクに着弾し、撃墜する。
『距離を詰めろ!
至近距離ならば回避出来まい!』
4、5機の敵機が囲むように接近して来る。
それはさすがに不味い。
ゴォッ!
『っ!
相手してやるっ!』
機体を加速させ正面から接近する敵機に自らも向かう。
敵パイロットは息を飲んだものの、抗戦の構えだ。
ブィン…!
レーザーカッターを起動する。
『うおぉぉおっ!』
ダダダダダッ
機体の軌道を微妙に逸らし回避。
ブンッ!
カッターを振るう。
ズバッ!
カッターは敵機のコックピットハッチを切り裂いた。
このまま後方に抜け…
ガクンッ!
機体がつんのめる。
『はっ…!
…惜しかったな。』
機体の脚部を敵機のアームに掴まれたようだ。
『今だっ!
俺ごと殺れっ!』
こいつ!
中々やるぞっ!
ピコ、ピンチ!?
いつも読んでいただきありがとうございます
次回をお楽しみに!(してくれたらいいなぁ…。)




