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3  その存在は大きく

スタイン家、アルレビオ家は戦争で武勲を上げた比較的新興の名家です


ブクマ、ポイント評価、いいね、ありがとうございます


「…………………………。」


 つまり何か?

 ミーコは古代支配種族の神を使役できると?

 スタイン家はその血筋を欲したと?


「魔法が失われた今、神を使役する術も失われて

 いる。

 血筋だけではどうにもならないのにな…。」


 はっきりと無理だという中将。


「もしかして、玄関ホールの彫刻は…。」


 真実を知った今、あれがただの装飾には思えない。


「左様。

 我がウィング家に受け継がれる血筋の神は天虎。

 そしてマルコシアスは天虎が打倒したとされる

 悪魔だ。」


 よく分かっていなかったとはいえ、エライ名前を付けてしまったようだ。


「部隊の名前変えた方がいいにゃ?」


 軍のお偉いさんの先祖が倒した悪魔の名前など尖り過ぎている。


「気にしなくていい。

 君の部隊は既に広く知れ渡っている。

 今更変えることなど出来んよ。」


 oh…。


「それにマルコシアスは他の悪魔と違って完全な敵と

 いうわけでも無いようなんだ。」


 oh!?


「我が家に伝わる話では、マルコシアスは残滓や他の

 悪魔とも争っていたらしく、自分が敵と判断したも

 のを徹底的に殺し尽くしていたという。」


 現状マルコシアス隊の敵はドギヘルス軍だ。

 殺し尽くすとまでは言わないが「力を尽くして戦う、相手に対しての悪魔のような部隊」としては中々良い名前のような気がしてきた。


「…なら改名はいいにゃ。」


「ああ、そうしてくれると有難い。」


 話は終わりだろう。

 中将が立ち上がる。


「これからもキャトラス軍で力を尽くしてくれたま

 え、英雄殿。」


「はっ!

 了解しましたにゃ!」


 中将としての言葉に一兵卒として応える。


「…それと、孫娘の事もな。

 今日は離れに泊まって行ってくれ。」


 正式に認めて貰えた、ということだろうか?


「部屋は一緒にしておく。」


 そう言い残し去る中将。


「…………………………。」

「…………………………。」


 ミーコと顔を見合わせる。


ぼっ!


『に"ゃ~~~~~~~~~~~~っ!!』


 その日、キャトラス中央都市の高級住宅地に二人の雌の羞恥にまみれた悲鳴が響き渡った。


 …………………………。


 …………………。


 …………。


 …。


 一晩が明け、ウィング家の屋敷を後にする。

(厚意は有り難く頂戴した)


「ピコちゃんが私の出自を知っても変わらず接して

 くれて嬉しかったにゃ♪」


 憑き物が落ちた晴れやかな表情で言うミーコ。

 …ということは過去には…。


「当然にゃ。

 ミーコはミーコにゃ。」


 血筋がどうで有ろうと、それを知ったところで別人になるわけではない。


「わたしは、今目の前にいるありのままのミーコをみて

 いるにゃ。」


 似たような事を以前にも言ったような気がする。

 その時は何も知らない第三者のある意味無責任な言葉であったが、知った今でも気持ちは変わらない。


「(だから私はピコちゃんがどんな風に変わっても傍に

 居たいのにゃ…。)」


 ミーコが何やら呟く。


「ん?

 なんてにゃ?」


「…ピコちゃん大好きにゃ♪」


「…わたしもにゃ♪」


 そうして二人は軍の打ち上げ施設エリアへと向かって行った。









~強襲駆逐艦「ブルーシャーク」 格納庫(ハンガー)


「機体の確認状況は?」


 この駆逐艦の艦属部隊の艦載機整備長が問う。


「起動テストは実行済み。

 固定式武装並びに、携行武装、試射試験クリア。

 キマイラとの操作システム互換性、問題無し。

 …接地脚部追加スラスター回路、接続正常です。」


 作業リストを見て整備員が答える。


「それにしても…。

 正式に遊撃部隊になったのにまた実験機ですか?」


 ハンガーに並ぶ武装前の5機のポッドを見て、疑問を呟く整備員。

 戦闘用ポッド「キマイラ」がようやく前線に配備されるようになって間も無くの仕様変更に辟易としているようだ。


「いや。

 物としては変わらんさ。」


 細部に違いはあるものの、その5機は確かに「キマイラ」である。


「新素材の使用に、標準機と違った運用想定。

 これだけの新規開発武器を用意されておいて新型

 じゃ無いってのが無理あるでしょうに…。」


 整備員は納得が行かないようで文句を呟いている。

 確かに整備員の言うように5機は配備され始めたその他の機体とは色々と違っている。

 ・機体構成の重要部である中核ユニットが従来の

  軍用合金製からメタモメタル製に変更。

 (中核ユニットが更に頑丈になる、かつ軽量化)

 ・機体に固定される装備に加えアーム携帯用武器

  の配備。

 (生身で使用される武器のスケールアップ品)

 ・携帯用武器保持、使用の為機械指(マニュピレーター)の増設。

 (従来の三本から四本に増加)

 ・接地脚にサブスラスターの増設。

 (これにより従来機より脚部が大型化)

 これらの改造により、パイロットの負傷率の低下、単機での火力増加、戦闘復帰の短縮等の戦い続けられる機体となっている。


「あいつらも難儀なものだよな…。」


(英雄ってモンにはなるもんじゃ無いな…。)


 整備長は思う。


「大変そうだけど、やっぱり響きがカッコいいと

 思うけどなぁ…。」


 若い整備員はまだそういう年頃だ。


「その内分かるさ。

 …さて。

 機体をしっかり仕上げてやらんとな。」


 英雄と呼ばれる者たちが英雄として終わってしまわないように…。

 



フリッター中佐の過去も気になるけど親父っさんの過去も気になってきた…



いつも読んでいただきありがとうございます

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