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10 もうすぐ2年!

タイトルは主人公の時間軸基準です


「オレ、復活っす!」


 暴走事故から数ヶ月。

 ディック隊員がリハビリを終え、隊に復帰した。


「本当に大丈夫?」


「平気っす。」


 トーマス隊員はまだ心配なようで、声をかけている。


「ディック隊員が無事復帰したことは喜ばしいにゃ。

 しかし、今日集まって貰ったのは別の件にゃ。」


 と言っても緊急ではない。

 バリキリー曹長を促す。


「それでは私から、今後の予定について説明します。

 ………………………」


 では、恒例の要約をドンッ!

 ・軍の年間行動予定の期末に入るに当たり、年間予

  定の更新が近くあること

 (大体カレンダーに合わせているので年末だ)

 ・更新に当たり、昇級査定があること

 (軍に入って2度目だ)

 ・新型の戦闘用ポッドの試作が完了し、年明けに

  試用特務に配備が行われること

 (データ収集の日々リターンである)

 ・それに伴い、全員現在の搭乗機から機体の乗り換

  えがあること

 (隊員が増えるわけではない)

 ・また、基地所属から試作兵器運用試験艦隊へと配

  属変更されること

 (宙域関係無く活動することになる)


「試用特務隊は任務評価が高い為、これから余程の

 軍規違反等が無ければ昇級は確実でしょう。」


 とバリキリー曹長。

 そしたらピコは准尉になるということだ。


「復活したと思ったらすぐ機種変っすか?」


「でも、新型は楽しみです。」


 ディック&トーマスは新型について話している。


「遊撃隊の一部ってことかい?」


「やることは同じだ。」


 ミケコ姐さん、ガイウス隊員も珍しく話している。


「基地と艦では勝手が違うからなぁ。」


「そうですね。」


「…。」


 親父っさんがしみじみと呟き、坊主が頷く。

 イワンは相変わらずの無口だ。


「もちろん私も一緒にゃ♪」


 ミーコが笑顔で報告して来る。


「もちろんにゃ。

 皆がいて試用特務隊にゃ。」


 それに個人的にもミーコと離れる事は考えていない。


「連絡事項は以上になります。

 本日の任務は………………………。」










~ケートス隊12番機 スノウ視点~


『ピピッ…』


 領域の巡回任務中、レーダーが敵機の反応を捉えた。


『…敵哨戒部隊を発見。

 攻撃するぞ。』


「了解。」


 反応は4。

 一個小隊分だ。


『敵は例の機体かも知れない。

 警戒してかかれ。

 傍受装置のスイッチは入っているな?』


 わざわざケートス隊が巡回任務に出ている理由が敵の新型戦闘機部隊。

 撃墜報告は7件入っているが、既に量産されている可能性もある。

 それに、基本一撃離脱する機体の中に動きが違う機体が紛れており、被害は増加している。


『敵が逃げていくぞ。』


 新型ではないようだ。


『全機追撃。

 無理に墜とさなくていい。』


 分隊長は敵の罠の可能性を示唆する。


『『了解。』』


ドンッ


 エンジンスロットを全開に。

 アフターバーナーに火が入る。


『ピッ…ピッ…』


 敵機が近付く。


『やばい!

 化け鯨だ!』


『無駄口はいい!

 全力で撤退だ!』


『今しているって!』


 傍受装置も正常に動作しているようだ。


『だめだ!

 逃げ切れない!』


『速過ぎだ!

 『ピー』

 ロックされた!』


『Fox2』


シュバッ…


 分隊長の機体がミサイルを発射。

 そして、


『避けれない!

 うわぁぁぁ「ボンッ」…』


『畜生!』


『『ピー』

 うそだウソだ…』

『Fox2』

シュバッ…

『嘘だっ!

 「ボンッ」…』

  

 …先輩も1機撃墜した。

 そして、


『ピー』


 ロック完了。


カチッ

…シュバッ…


『ハハハハハ!

 『ボンッ』

 ………………。』


『ピピッ』


 追撃限界地点を知らせるアラーム。

 撤退だ。


 ………………………。


 ………………。


 ………。


『…ネレイド12。

 先ほどの戦闘中、合図(コール)を忘れていた。』


 撤退中、分隊長から無線が入る。

 送信スイッチを入れ、返答する。


『…すいません。

 気をつけます…。』


 理由(ワケ)ならあったが自分の問題だ。

 素直に謝る。


『…そうか。

 …考えることを止めるなよ。』


 それから帰還するまで分隊長は何も言わなかった。


(分隊長にはわかってしまったんだろうな…。)


 ………………………。


 ………………。


 ………。


(カウンセリングでも受けるか…。)


 艦に戻っても気分は戻らなかった。


「よっ!

 …て、落ち込んでるのか?」


 先輩だ。

 いつも通りの態度だ。

 カウンセリング前に話してみるとしよう。


「はい…。

 …実は………………………………」


 気分が沈んでいる理由を先輩にぶちまける。


「あー…。

 あれな。

 あれは俺もキツかった。」


 その割には態度が普段通りなのは何故なのだろう?

 先輩は続けた。


「俺の場合はな、………………………………………

 …………………………………………………………………。

 って思うようにしてんだ。」


 なるほど。

 そういう考え方か。

 同意はできるが気分が沈んだままなのは、自分が弱いからなのだろうか?


「ま、お前程考えられないってのもあるしな。

 どうしても無理だったら本土の綺麗な姉ちゃん達に

 慰めて貰うしな。

 ってことで、今度の健診で店行くの決定な!」


 !


「ちょっ…!

 これとそれは別問題です!」


 大きな声を出して主張する。


「ははっ。

 元気が出てきたな。

 良かったぜ。」


 確かに少々強引ではあるが、気分は浮上した。

 先輩なりの励ましなのだろう。


「先輩、ありがとうございます。

 俺、これからも頑張ります!」


















 このあとの健診後、スノウは別の意味でも頑張った。

  

 

オヤジくさい?

すまんなスノウも雄なんだ…

スノウ「えっ!?(俺のせい!?)」



いつも読んでいただきありがとうございます

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