11 最後の
(直接的では無いけど…)残酷描写注意
ジジジジ…キィン…
年が明け、軍歴二年目にして准尉へと昇級した。
ガションッ… ガションッ…
しかし、我が試用特務隊は未だに前線本部基地に滞在中の身であり、こうして任務をこなしていた。
「よし。
ここの補強は終わりにゃ。」
現在何をしているかというと、活動拠点である最前線哨戒基地の補強作業である。
この基地は敵の襲来の早期発見の為にあるが、先日敵の新型戦闘機部隊(その速さから電撃と呼び名がついた)の襲撃を受け破損。
防衛隊も被害を受け、復旧作業に手が回らず、要請を受け、出向いたかたちだ。
その為、機体は武装を外しレーザーカッターとビッグネイルガンの建築用装備となっている。
また、レーザーカッター使用の消費が激しい為、機体側面にはエネルギーパックを携行している。
『それにしても、今更建築作業応援なんて…。
臨補のときを思い出すねぇ。』
ミケコ副長に同意できる。
しかし、これも大切な事だ。
ここの作業用機が防衛に出払ってしまっている今、基地外の手空きの部隊が基地の復旧作業をするのは当然と言える。
『敵艦一隻を検知。
確認します。』
この基地を完全に潰しに来たのか?
『…確認しました。
中型クラスの輸送艦です。』
輸送艦がわざわざ敵領域内を航行?
何かがおかしい。
「ロドウェル機、バング機は下がって換装。
ディック、トーマスはわたしと警戒態勢にゃ。
曹長、基地の防衛隊に連絡を。」
『了解しました。』
杞憂で済めばいいが…。
『…………………。
…小尉、輸送艦から敵機発進!
数12、一個中隊です!』
やはり仕掛けて来た。
機のレーダーにも捕捉した。
防衛隊も動き始めた。
しかし、敵機の速度が遅い?
『敵機判明。
ポッドです。』
『こちら哨戒基地防衛隊長だ。
奴らの相手は俺達がする。
退避していてくれ。』
キャトラス軍の方がポッドの実戦投入は先だ。
相手方も作業用機の改造段階だろう。
数も同数。
問題はないはずだが、胸騒ぎがする…。
『敵機から多数の射出物体!』
ドォン…ドンドン…ドン
前方でいくつもの爆発の華が開く。
無誘導のロケット弾による先制!?
「ディック、トーマス。
敵が来るにゃ!」
『敵、防衛線を突破!
換装まだです。
時間を稼いで下さい。』
「了解!
ピコ・フローレンス戦闘に参加するにゃ!」
ゴォッ
機体が加速。
ランナー機、ポーター機もついて来ている。
『防衛隊を大分墜とした!』
『まさか先に撃たれるとは思ってなかったか!』
敵の無線を傍受。
見事に奇襲された…!
ガウンッ……ガウンッガウンッ
向かって来る機体にネイルガンを射つ。
『「ガインッ!」
なんだ!?
…杭だとっ!』
『あの3機、作業用機かっ!』
ピコの射ったものは外れたが、ディックかトーマスの射ったものが当たったのだろう。
(ディックは遠距離が苦手なのでトーマスだろう…)
しかし弾は単なる杭である為、撃墜とはいかなかったようだ。
「ディック、トーマスは左右に散開!」
『ピコ隊長は!?』
「正面で行くにゃ!」
『了解っす!』
ゴッゴウッ…
ランナー機が左、ポーター機が右に分かれその場から遠ざかる。
『逃がすな!
それぞれ2機で追え!
副長と7番、8番は正面をやる!』
数の有利を取り、残りで即、障害(ピコ機の事だ)を排除。
そのまま本丸(言わずもがな基地の事)へと攻撃。
こんなところだろう。
ゴォッ
ガガイィン!
『…んなっ!』
敵編隊に正面から突っ込み、すれ違い様に既に被弾していた敵機(おそらく7番か8番)に至近で打ち込む。
『やりやがった!
撃て!
撃てぇ!』
撃って来るのは3機。
パイロットはどうかわからないが、少なくとも機体は動かない。
ギュンッ
ダダダッ…
機体を急上昇させて敵弾回避。
三筋の光が機体の下を通過して行く。
『なんだあの機動は!?』
『落ち着け!
速度はそれほどでもない。
集中砲火で動きを止めろ!
副長、正面から任せた!』
回り込むか…。
…一瞬裏をかこうと考えるが止めた。
無線を傍受している事を覚られるリスクがある。
来るとわかっているなら打ち破るのみだ。
ガギィィッ!
敵機と組み合う。
『捕まえた!
今だ!』
ジジジジ…
『なっ!?
うわ待っ「ジュッ…」』
スッ…
ゴォッ
………ボンッ…
動かなくなった敵機から離れ再加速後、爆発。
どうやら燃料タンクやらに引火したか。
『隊長!
副長がっ!』
『だが、この距離は避けきれん!』
ダダダッ…
バッテリーパックを分離する。
カンカンッ…バチバチィッ
『うおっ!?』
『ぐああぁっ!』
隊長機は間一髪で回避。
しかし部下はもろに巻き込まれた。
機体の回路がショート。
行動不能だ。
グルンッ
そして目を離したのが勝敗を分けた。
『なっ!?
いつの間に!?』
互いに正面。
そして、
ガウンッ
『「ガギュッ!」』
敵機4、無力化又は撃墜。
「…。
ディック、トーマス!
状況報告!」
『こちらトーマス!
まだいけます!』
『こちらディックっす!
…くっ!
救援求むっす!』
トーマスはまだ余裕がある。
ならばディックの援護に、
『ディック、援護する。』
『ちゃんと避けなぁ!』
キュンッ…
ババババババッ
一筋のレーザーと弾丸の壁。
ボンッボンッ…
『助かったっす!』
ミケコ副長とガイウス隊員が合流した!
「二人共、ナイスカバーにゃ!」
だがまだトーマス隊員が追われている。
「全機、ポーター機の援護に向かうにゃ!」
スロットルを前に…
『その必要は無い。』
シュシュシュッ…
ボンッ…ボンッボンッ…ボボンッ…
ポーター機を追う2機どころか、戦闘エリアの各地点で爆発。
『残存する敵機5機、全てに命中にゃ。
戦闘終了にゃ。』
一体どの部隊が!?
『ピピッ』
機体の望遠レンズがその姿を捉え、コンソールに映し出す。
青い船体に白のライン。
そして先ほどの声の人物。
改修されたのか形が変わっているが確かに見覚えのある艦。
それが、
『「ビルフィッシュ(にゃ)(だって)!?」』
『ああ。
フローレンス君、ロドウェル君。
久しぶりだな。
そして試用特務隊の諸君!
待たせたな。
迎えに来たぞ?』
書きたかった場面その2
リスク云々いってたけど、ピコさん敵が撃つ前に回避してなかった?
ピコ「…。(フイ…)」
いつも読んでいただきありがとうございます
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