6 襲撃
『ビーッ!ビーッ!ビーッ!ビーッ!』
時刻は深夜。
基地に警報が響き渡る。
「!」
バッ
飛び起きて寝間着のシャツとハーフパンツの上からパイロットスーツを着る。
緊急発進だ。
タタッ…タタッ…
格納庫へと四足走りする。
「親父ッさん!
出れるにゃ!?」
「いつでも万全だ!」
コックピットに素早く乗り込み、機体を機動する。
『准尉、先に戦闘機隊が迎撃に向かいます。
特務ポッド班は戦闘機隊の防衛網を抜けて来る
敵機の迎撃を担当して下さい。』
基地の防衛は初めてでは無い。
いつも通りの配置だ。
「了解にゃ。
ピコ・フローレンス機、出るにゃ!」
ゴウッ
スラスターを全開に基地から出撃する。
「情報は!」
『敵機は総数12、一個中隊です。
現時点で戦闘機4、ポッド1が出撃済み。
未だ交戦状態に有らず。
交戦予想までには戦闘機15、ポッド10
の出撃を予定。』
『隊長、ディック到着っす!』
ランナー機がやって来る。
機体の速度の関係上、ミケコ副長とガイウス隊員は遅くなる傾向にある。
『トーマス、到着しました!』
タッチの差でポーター機もやって来た。
機動戦闘組が揃った。
『戦闘機隊、交戦に入りました。
警戒して下さい。』
まだ全機揃わないが仕方ない。
後ろには居るだろう。
「ディック、トーマスついて来るにゃ!
ミケコ副長とガイウスは後方のフォロー頼むにゃ!」
『『『『了解!』』』』
ゴウッ
再び加速を行い、担当エリアの最前に到達する。
『ピッ』
レーダーに反応。
敵機が抜けて来たようだ。
『敵機、総数2接近しています。』
対処は容易い数だ。
キュンッ…
『反応1ロスト。
撃墜。
敵機1、未だ接近。』
バング機はすぐに射撃は出来ない。
ならば…
『オレが行くっす!』
「許可するにゃ。」
ゴッ…ォォ…
ランナー機がピコの機体を抜き去り、遠ざかって行く。
あとに続く。
「トーマス、わたしと一緒にディックのフォロー
にゃ。」
『了解。』
………………。
………。
…。
『このっ!
待つっス!』
ディック隊員がつい、そう口に出す。
ランナー機は高速仕様。
速度は戦闘機と変わりがなくなっている。
しかし、ここでいう「戦闘機」はあくまでキャトラス軍主力機であり、ドギヘルス軍機には劣っている。
ドギヘルスの戦闘機は、キャトラス軍の戦闘機より一回り大きい傾向にある。
その為、より出力の高いエンジンを積んでいることがわかっている。
(鹵獲したドギヘルス軍の機体の解析結果だ)
大体の差がキャトラス軍機の1.2倍。
(その分小回りは効かない)
つまり、ランナー機は敵機に追い付け無いでいるのだ。
さらに、高速仕様機はミサイルポッドをブースターに変えているため、対戦闘機戦で距離が開くと有効な攻撃を行いにくい。
(直線上ならばロケットランチャーが当たる)
「ディック、バルカンで牽制。
進路を限定するにゃ。
わたしとトーマスもフォローするにゃ。
目標地点は□□-◇◇にゃ。」
『了解っす!』
………。
…。
タタタタッ
敵機が回避する。
「トーマス、そっち行ったにゃ。」
『はいっ!』
タタッ
戦闘開始から約5分程。
先ほどからこういったことを繰り返している。
たった12機で襲撃して来るだけあり、中々腕が良い。
ランナー機は変わらず敵機の後ろについている。
『ピッ』
「もうすぐ目標地点。
ディック、離脱の準備。」
『ピッ…ピッ…』
もう少し…今!
「全機離脱!
ミケコ!」
バババババッ
離脱直後、正面から弾の壁が迫った。
離脱しなかった敵機は蜂の巣だ。
…ボッ
…原形が残ればだが。
『やったっす!』
『戦闘機隊を突破した敵機は今ので最後です。
戦闘は継続中。
態勢を維持して下さい。』
気はまだ抜けないようだ。
………………。
………。
…。
それから約10分後のこと、
『敵機の撤退を確認。
帰還して下さい。』
「了解にゃ。
全機、RTB。」
戦闘開始から約15分。
敵機12機中6機撃墜。
敵の撤退により戦闘は終了した。
………………。
………。
…。
シャアァー…
キュッ
「ふぅ…。
さっぱりにゃ。」
水気を大雑把に落とし、バスローブを羽織ってシャワールームから出る。
時刻は早朝。
午前4時を時計が示す。
(寝直す時間は無いにゃ…。)
午前6時には朝食の時間だ。
緊急で出撃したとは言え、その後通常勤務もある。
「ふにゃぁ~…。」
(とりあえず、時間まで横になってるにゃ…。)
朝食まで休息である。
……………………………。
……………………。
……………。
……。
その後、意識が落ちたりはしたが、朝食の時間には目を覚まし、普通に勤務をこなした。
遅刻すると思った?
ところがどっこい!
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