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5  時が経つのは早いもので…

あなたの好みはどれですか?

 

「…全機、編隊を組み直して待機にゃ。

 バング伍長、頼むにゃ。」


『了解した。』


キュンッ…………ボッ…


 光の筋が走り、撤退していた敵戦闘機が爆発する。


『敵機、最後の撃墜を確認。

 任務続行して下さい。』


「了解にゃ。

 全機、対象を送り届けるにゃ。」


『『『了解(です。した。っす!。』』』


 ………………………。

 ………………。

 ………。


 模擬戦から約半年が経った。

 (士官学校卒業から既に一年以上経っている。)

 あれから、模擬戦と別仕様機の試作・運用を繰り返し、数種類の仕様が固まったあたりから、輸送船護衛等の任務に参加することも多くなった。


『対象、目標地点に到達。

 任務完了です。

 第一整備場に向かって下さい。』


 今回の任務も無事完了した。

 機体の整備・補給の為、指示された場所に向かう。

 

 ………………。

 ………。


『オーライ。』


ガクン…


『接地確認ヨシ!

 降りていいぞ。』


 整備員の誘導に従う。


「それじゃ、万全に頼むにゃ。」


 機体から降り、誘導してくれた整備員に言う。


「ああ、もちろんさ。

 バトルポッドの整備にも慣れたものさ。」


 整備場を見やる。

 整備場には、この活動拠点基地の武装スペースポッドが10機程並んでいた。

 ここのような小規模な基地や、前線から離れた宙域の守備、輸送艦の艦載機といった用途に既に使用されているみたいだ。


「…バトルポッドにゃ?」


 聞き慣れない呼称に聞き返す。


「基地だと作業用と守備用の機体があるから、呼び

 分けしてんのさ。」


 なるほど、となると作業用はワークポッドとかになるのか…。


「まぁ…。

 あんたらの機体は、また別物みたいだが。

 一体いくつに増えるのかね…。」


 そうなのだ!

 試用特務隊の機体は、各地で運用が始まっている基本仕様とは異なる仕様となっている。


 ミケコ・ロドウェル機

 機体正面に装甲、機体背部に武装用コンデンサが追加されている。

 大型パルスガトリングガンを装備した重火力仕様。


 ガイウス・バング機

 機体左側面に高性能レーダー、右側面に長砲身のレーザーランチャーを装備し、スラスターにダッシュ機能を追加した長距離仕様。

 今回の任務で、敵機を撃ち抜いた。


 ディック・ランナー機

 ミサイルポッドを外し、代わりにブースターを機体両側面に追加した高速仕様。

 機体上部のロケットランチャーでの一撃離脱が基本。


 トーマス・ポーター機

 本人の希望がなかった為、基本仕様のままである。

 基本仕様機の運用データの拡充や、操縦データを分析した操作補助システムの開発に一役買っている。


 そして、


 ピコ・フローレンス機

 姿勢制御用のスラスターを増設。

 操縦システムの操作感度を上げた事により、機体操作難易度が上がった高機動仕様。

 武装は基本仕様と共通。

 現時点ではピコのみが、まともに扱えた。


「今のところは、基本仕様以外は数種類にゃ。

 基本仕様も、もっとデータが必要にゃ。」

 

 加えて、軍用に耐えうる戦闘用ポッドの開発にも着手されている。


(おっと…。

 これはまだ機密だったにゃ…。)


 危うく口を滑らせるところだった。



~機体整備・補給完了後~



『これより、本部基地に帰還します。

 准尉、点呼をお願いします。』


「各員、点呼をとるにゃ!

 ロドウェル軍曹。」


『はいよ。』


「バング伍長。」


『居るぞ。』


「ポーター一等兵。」


『居ます。』


「ランナー一等兵。」


『はいっす。』


 全員いるようだ。

 この半年間共に任務をこなしてきた。

 高い任務評価を受け、それぞれ昇級している。

(ミーコ、ハンナ、整備班の3名もだ)


「試用特務ポッド班、全員いるにゃ。」


 バリキリー曹長に報告する。


「全機、基地に帰還せよ(R T B)!」










~ドギヘルス軍前線本部基地~


「また失敗したか…。

 最近多く無いか?」


 報告書を読み、副官に問う神経質そうな雄クーシー。


「そうですが、戦況には然程影響はありません。」


 そう答える副官。


「その話ではない!

 何かしら結果を出さんと上には行けんのだぞ!」


 この基地司令長官の雄。

 出世欲が強く、戦果を本国に挙げるべく、この基地のあらゆる部隊に任務を発令している。


「貴様も何か良い案を出せ!

 兵士共もまともに戦えんのか!」


(この基地の兵士たちは貴様のものじゃない。)


 心の中で反論する副官。


「報告では、キャトラスのエース部隊と、新兵器との

 遭遇が原因となることが多いようです。

 このどちらかに対処するのが良いと思われます。」


 呆れつつ、しかし顔には出さず意見する。


「………。

 そうか!

 ならば、こちらも新型を開発し、敵エース級を撃滅

 してやればよいのだ!」


(どうしてそうなる!?)


 自分は問題に一つ一つ対処しろと言った積もりの副官は心の中で頭を抱える。


「そうと決まれば。

 おい!

 開発部に指示を出せ!

 「敵エース機以上の性能の新型を作れ」とな。」


 副官の苦労はこれからも多そうである。

 

いつも読んでいただきありがとうございます

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