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レッドオーガ ―不殺の鬼の名を継ぐ、白き鬼―  作者: うみぐま


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第二十八話 訪問者

最初に見えたのは、知らない天井だった。


 木の板が並んでいる。古くはない。けれど新しくもない。薄く磨かれた板の隙間に、朝の光がぼんやり滲んでいた。


 水の匂いがしない。


 無双は、そこでようやく違和感に気づいた。


 旧水路の湿った空気ではない。鼻の奥に残っていた泥と錆の匂いも、ここでは薄い。代わりにあるのは、乾いた布と、木と、誰かが焚いた湯の匂いだった。


 口の中が乾いている。


 喉が重い。


 まぶたを開けているだけで、身体の芯が沈んでいくようだった。


 何があった。


 ここはどこだ。


 セントリーは。


 法原は。


 継真は。


「……ここ、どこだ」


 声を出そうとして、喉が少しひっかかった。


 身体を起こそうとした瞬間、右腕に痛みが走った。


「っ……!」


 息が詰まる。


 痛みは腕だけではなかった。肩から背中まで、重く響いた。身体が先に覚えている。あの拳を受けた瞬間の圧。骨の奥で鳴った、嫌な音。


 右腕は、肩から手首まで布で吊られ、添え木で固定されていた。指先を少し動かしただけで、骨の奥に鈍い痛みが残る。


 その痛みで、記憶が戻った。


 セントリーの拳。


 継真を庇った瞬間。


 腕の中で鳴った、乾いた音。


 それでも構えようとしたこと。


 法原の声。


 次の解除キーへ辿り着く道。


 無双は奥歯を噛んだ。


「……折れてんのか」


 ぼそりと呟いてから、自分の服が変わっていることに気づいた。


 昨日まで着ていた服ではない。簡素な寝間着のような薄い服に替えられている。血と泥で汚れた服は、近くの椅子に畳まれて置かれていた。


 誰かに運ばれ、手当てされ、眠らされた。


 その事実が、遅れて胸に落ちた。


 無双は視線を横へ向ける。


 隣のベッドに、継真が横になっていた。


 継真も寝るための服に替えられている。顔色は悪い。脇腹のあたりに包帯が巻かれている。呼吸はある。浅いが、途切れてはいない。


 無双は少しだけ息を吐いた。


「継真……」


 呼びかけても、継真は目を覚まさなかった。


 もう一度身体を動かそうとして、今度は別の重みに気づいた。


 自分の隣に、布武がいた。


 同じ布団の端で、身体を丸めるように眠っている。布武もいつもの外套ではなく、宿で用意された寝るための服に着替えていた。肩にかかる髪が少し乱れている。普段の布武より、ずっと幼く見えた。


 無双はしばらく黙って見下ろした。


 布武がこんなふうに眠っているところを見るのは、あまりない。


 いつも先に起きている。いつも先に気づく。いつも、余裕があるように見せる。


 その布武が、無双のすぐそばで眠っていた。


「……布武」


 無双は左手で布団を軽く揺らした。


「布武。起きろ」


 布武のまぶたがわずかに震えた。


 すぐに目が開く。


 眠りが浅かったのだろう。布武は一瞬だけ焦点の合わない目をして、それから無双を見た。


「……無双」


「ああ」


「起きたのね」


 その声は静かだった。


 けれど、ほんの少しだけ緩んでいた。


 無双はそれに気づいたが、何も言わなかった。代わりに部屋を見回す。


「ここ、どこだ」


「宿よ」


「宿?」


「フィエルナが借りてくれた部屋。ベルガンドで使っている宿の、別室」


 布武はゆっくり身体を起こした。疲労は隠しきれていない。それでも、声はいつもの調子に戻っている。


「昨日、あのあと、あなたと継真は気を失ったわ」


「……あのあと」


「朱里が呼んだギルドの人たちが来た。旧水路で保護されて、いったんギルドで応急処置を受けたの。そのあと、フィエルナが面倒を見るって言って、ここを手配してくれた」


 無双は右腕を見た。


 包帯は雑ではない。しっかり固定されている。


「継真は」


「命に別状はない。けど、脇腹をかなり強くやられてる。吐血もしたから、まだ無理はできないわ」


「……そうか」


 無双は視線を落とした。


 継真が無事だったことに安堵した。けれど、胸の奥に残った重さは消えなかった。


「セントリーは」


「撤収したわ。鴉羽も」


「……そこまでは覚えてる」


 無双は眉間に皺を寄せた。


 法原の声も、耳の奥に残っていた。


 次の解除キーへ辿り着く道は、私が握っている。


 会長との用が済むまでに、自分を見つけられたなら教える。


 そこまでは聞いた。


 けれど、その先がない。


「俺、いつ倒れた」


「法原の通信が切れたあとよ」


 布武は答えた。


「張りつめていたものが切れたんでしょうね。膝から崩れ落ちてたわ」


「……だせぇな」


「右腕が折れてたのよ、当然よ」


 布武は静かに言った。


「継真も、その少し後に意識を失ったわ」


 無双は隣のベッドへ目を向けた。


「布武は」


「私は倒れてない」


「……だろうな」


「でも、二人を運ぶのはフィエルナに手伝ってもらった。ギルドで応急処置をして、そのあとここへ移したの」


「じゃあ、法原は?」


 無双の声が低くなる。


「昨夜のうちに、フィエルナと朱里がロウガンたちと探しに出たわ」


 布武は答えた。


「旧水路の出口と周辺を夜通し当たった。でも、セントリーたちの痕跡は途中で消えた。ロウガンたちの捜索は、今も続いてる」


「布武は行かなかったのか」


 一瞬だけ、布武の目が揺れた。


「行くつもりだったわ」


 それでも、声は静かだった。


「でも、あなたは骨折したまま意識が戻らない。継真は吐血して、そのまま気を失ってた」


 布武は無双を見る。


「二人とも置いてはいけなかった」


「……そうか」


「だから、フィエルナたちに任せた。朝になったら私も動くつもりだったわ」


 無双はそれ以上何も言わなかった。


 法原を追いたかったはずだ。


 眠っている仲間のために。


 それでも、布武はここに残った。


 無双は左手で布団を掴んだ。


「なら――」


 立ち上がろうとして、右腕に痛みが走った。


「っ」


「無茶をしないで」


 布武の声が、少し強くなった。


 無双は顔をしかめる。


「まだ何もしてない」


「しようとしたわ」


 布武は無双の右腕を見た。


「今のあなたは、まともに構えることもできない。走るだけならできる、なんて言い訳もなしよ」


「……分かってる」


「分かってない顔をしてる」


 無双は言い返せなかった。


 そのとき、扉が軽く叩かれた。


「入ってもいい?」


 フィエルナの声だった。


 布武が返事をすると、扉が開いた。


 フィエルナが入ってくる。その後ろから、朱里が顔を出した。


「無双くん、目が覚めたのね」


 フィエルナの表情が、わずかに柔らかくなる。


 朱里はぱっと顔を明るくした。


「よかったー。全然起きないから、ちょっと心配したよ。あ、でも大声出したら継真が起きちゃうか」


 そう言って、朱里は慌てて口を押さえる。


 無双は少しだけ笑った。


「心配かけた」


「ほんとだよ。戻ってきたら二人ともぐったりしてるし、布武は怖い顔してるし、こっちまで焦ったんだから」


「怖い顔ってなによ」


 布武が静かに言う。


 朱里は肩をすくめた。


「怖かったよ。近づいたら怒られそうだったもん」


「怒らないわよ」


「その声がもうちょっと怖い」


 無双は小さく息を漏らした。


 フィエルナは無双の右腕を確認するように見た。


「応急処置はしてあるけれど、しばらく動かさない方がいいわ。無理をすれば治りが遅くなる」


「ああ」


 無双は素直に頷いた。


 それから、フィエルナを見た。


「フィエルナ」


「なに?」


「ありがとう。俺たちの面倒、見てくれたんだろ」


 フィエルナは一瞬だけ目を細めた。


「無双くんたちと出会った時点で、放っておくつもりはなかったわ。だから気にしないで」


「でも、助かった」


 無双はまっすぐ言った。


 フィエルナは少しだけ笑う。


「そう。なら、受け取っておくわ」


 そこで一度、フィエルナの視線が継真へ向いた。


 包帯を巻かれ、浅く呼吸している継真。


 そして、固定された無双の右腕。


 フィエルナの表情から、ほんの少しだけ笑みが消えた。


「昨日、助けに行けなかったことは、言い訳しないわ」


 無双はフィエルナを見た。


「鴉羽を止めてくれてただけで助かった」


「それでもよ」


 フィエルナの声は静かだった。


「だからせめて、ここから先は無理をさせない。無双くんも、継真くんも」


 無双は何か言いかけて、やめた。


 その言葉は、怒りではなかった。


 自分たちを弱いと見ている言葉でもなかった。


 昨日の戦場で、届かなかった者の言葉だった。


 無双は短く頷いた。


「ああ」


 そのやり取りのあと、無双は布武へ視線を向けた。


「布武」


「なに」


「悪い」


 布武は瞬きをした。


「セントリーを逃がした。法原への手がかりだったのに」

「その上、気ぃ失って……足引っ張った」


 部屋の空気が少し静かになった。


 朱里も口を閉じた。


 布武はすぐには返さなかった。


 無双の固定された右腕を見る。隣のベッドで眠る継真を見る。それから、もう一度無双を見た。


 責めるような目ではなかった。


 けれど、簡単に「気にするな」と流す目でもなかった。


「無双」


「……なんだ」


「格上相手に、あなたは継真を庇った。折れた腕で、最後まで立とうとした」


 布武は静かに言った。


「それで生きて戻れたなら、上出来よ」


「でも、セントリーは逃がした」


「ええ。逃がしたわ」


 布武は否定しなかった。


「でも、継真は生きてる。あなたも生きてる。それは、失敗だけで片づけることじゃない」


 無双は言葉を返せなかった。


 布武はそこで、少しだけ目元を緩めた。


「でも、あなたをここまで運んで疲れたのは本当だから、そこだけは謝ってもらうわ」


「……そこだけかよ」


「そこだけよ」


「セントリーを逃がしたことは」


「取り返す」


 布武は迷わず言った。


「そのために、あなたも起きたんでしょう」


 無双は少しだけ黙った。


「……ああ」


 その時、朱里が横から口を挟んだ。


「でもさ、ギルドの人たちが運ぶの手伝うって言ったのに、『二人は私が運ぶ』って譲らなかったの、布武じゃん」


 布武の動きが止まった。


「……朱里」


「だって本当のことだよ」


 フィエルナが静かに笑った。


「さすがに一人で二人を運ぶのは大変だから、あたしも手伝ったけどね」


 布武の頬が、わずかに赤くなった。


「……余計なことを言わなくていいわ」


 無双は布武を見た。


 布武は目を逸らした。


「……そうか」


「なによ」


「いや」


 無双は少しだけ笑った。


「ありがとな」


 布武はさらに顔を逸らした。


「だから、そこは謝罪を受け取るって言ったでしょう」


 朱里が小さく笑った。


 フィエルナも少しだけ息を緩める。


 重くなりかけた空気が、わずかにほどけた。


 そのとき、隣のベッドから小さな息が漏れた。


「……ん」


 継真のまぶたが動く。


 無双がすぐにそちらを見た。


「継真」


 継真はゆっくり目を開けた。


 焦点が合うまでに少し時間がかかった。天井を見て、壁を見て、無双を見て、布武を見た。


 布武を見たところで、継真の目が一瞬だけ止まった。


 灯影ではない。


 布武だ。


 それでも、喉の奥で別の名前が動いた。


「……と」


 そこまで出かけて、継真は唇を閉じた。


 言ってはいけない名前だった。


 今ここにいるのは、灯影ではない。


 布武だ。


 その事実をもう一度確かめるように、継真は静かに息を吸った。


「……無双」


「ああ」


「腕は」


「固定されてる。動かすなって言われた」


「そう……か」


 継真は身体を起こそうとした。


 けれど、脇腹に痛みが走ったのか、顔をしかめて布団を掴む。


「継真くん、無理しないで」


 フィエルナがすぐに止めた。


 継真は小さく頷く。


「すみません。……少し、響いただけです」


「少しって顔じゃないよ」


 朱里が心配そうに言う。


 継真は苦笑しようとして、うまく笑えなかった。


「無双の腕を、診ないと」


「無理するな」


 無双が即座に言った。


「俺より継真の方がきつそうだ」


「でも」


「動かすなって言われてる。動かさない。だから今はいい」


 継真は言葉に詰まった。


 それでも医者として確認したいのだろう。視線が無双の右腕に向いている。


 布武が静かに言った。


「ギルドの処置は悪くなかったわ。継真が見直すのは、もう少し呼吸が戻ってからでいい」


「……分かった」


 継真は頷いた。


 そのあと、布武を見た。


 布武も、継真を見ていた。


 ほんの短い沈黙が落ちる。


「……継真」


 布武が先に口を開いた。


「昨日のことは、ごめんなさい」


 継真はすぐには答えなかった。


 部屋にいる全員が、その言葉の意味を完全には知らない。けれど、無双は分かっていた。


 布武が何かをした。


 継真を立たせるために。


 そしてそれは、布武が簡単に使っていいものではなかった。


 継真は目を伏せた。


「理由は、分かってる」


 声は穏やかだった。


 でも、痛みがなかったわけではない。


「俺が、あそこで動けなかったから」


「違うわ」


 布武はすぐに言った。


「あなたが悪かったわけじゃない」


「でも、使わせたのは俺だ」


「違う」


 布武の声が少しだけ低くなる。


「使ったのは私よ」


 継真は布武を見る。


 布武は目を逸らさなかった。


「勝つために、あなたの大切なものを使った」


 継真の指が、布団を軽く握った。


 長い言葉は出なかった。


「……今は、先に状況を」


 やがて継真はそう言った。


 許した、とは言わなかった。


 怒っている、とも言わなかった。


 ただ、今ここで止まることを選ばなかった。


 布武は小さく頷いた。


「ええ」


 フィエルナはそのやり取りを見ていたが、深く踏み込まなかった。


 朱里も、いつもの調子で口を挟むことはしなかった。


 今は、触れすぎない方がいい。


 全員がそう分かっていた。


「これからどうする」


 無双が言った。


「法原はまだベルガンドにいるんだろ」


「ロウガンのところへ行きましょう」


 フィエルナが答えた。


「旧水路の調査も進んでいるはずよ。セントリーや法原に繋がる痕跡が、何か見つかっているかもしれない」


「ロウガンたち、昨日のうちに水路の出口いくつか押さえてたよ」


 朱里が続ける。


「私が追加の話を持っていったあと、けっこう人を動かしてた。法原の機械兵と鴉羽がいたって言ったら、顔怖くなってた」


 窓の外では、ベルガンドがもう動き始めていた。


 荷車の車輪が石畳を鳴らす。誰かが店先の戸を開ける。遠くで客引きの声が上がり、別の声に押し流される。


 巨大都市の朝は、昨日の旧水路のことなど知らない顔で進んでいく。


 そのどこかに、法原がいる。


 会長と呼ばれた何者かもいる。


 そして、次の解除キーへ続く道も。


「なら、行く」


 無双が布団を押した。


「行くけど」


 フィエルナが一歩近づく。


「無双くんと継真くんは、無理に歩かせない。必要なら馬車を使うわ」


「歩ける」


「右腕を折って、さっき目を覚ましたばかりの人の言葉としては信用できないわ」


 無双は黙った。


 継真も小さく息を吐く。


「俺も、あまり速くは動けないと思います」


「それでいいわ」


 フィエルナは言った。


「追うために、ここで倒れるわけにはいかないもの」


 布武は窓の外へ目を向けた。


 焦りが、声になる少し手前で止まっている。


「……早く見つけないと」


 その声は小さかった。


 無双はそれを聞いた。


 責めるでも、急かすでもない。


 ただ、布武の怖さがそこにあった。


 探している間に、手遅れになる。


 その怖さを、無双は少しだけ知っている。


 フィエルナは少し考え、それから腰の小物入れへ手を伸ばした。


「ロウガンのところへ行く前に、もう一つ試したいものがあるわ」


「試したいもの?」


 朱里が首を傾げる。


 フィエルナは一枚の布を取り出した。


 白地に薄い模様が入った、小さなハンカチだった。


 端の一部に、細く裂けた跡がある。


「今朝、ロウガンから預かったの」


「ロウガンから?」


 無双が聞き返す。


「ええ。夜明け前に、ギルドの人たちが旧水路をもう一度洗い直した時に見つけたそうよ」


 フィエルナはハンカチを見下ろした。


「昨日、鴉羽と戦った辺りに落ちていた。本人のものかはまだ分からないけれど、ただの布にしてはずいぶん丁寧な作りだったから、ロウガンが念のためって渡してくれたの」


 その名が出た瞬間、部屋の空気が変わった。


 無双の目つきが鋭くなる。


 布武もわずかに姿勢を変えた。


 朱里はハンカチを見つめる。


「だから昨夜は使えなかったのね」


 布武が言う。


「ええ。見つかったのは、あたしたちが捜索から戻ったあとよ」


 フィエルナが頷いた。


「今なら?」


 朱里が手を伸ばす。


「やってみる」


 ハンカチを受け取る。


 静かに息を整えた。


 鼻先が、すっと獣のものへ変わる。


 ハンカチへ鼻を近づけ、軽く匂いを拾った。


「……うん。匂いは残ってる」


「追えそう?」


 フィエルナが聞く。


「たぶん。この匂いを覚えておけば、あとで探せると思う」


 朱里はもう一度、今度は少し深く匂いを拾った。


 その瞬間、眉がぴくりと動いた。


「……あれ?」


「どうしたの」


「この匂い……」


 朱里はハンカチから顔を上げた。


 次の瞬間。


 こん、こん。


 扉が鳴った。


 軽い音だった。


 宿の誰かが、朝の用事で訪ねてきたような音。


 無双は反射的に扉を見た。


「こんな時に、誰だよ」


 宿の人間かもしれない。


 騒ぎにする前に、まず確かめる。


 無双は左手で扉へ向かった。


 朱里はまだ、鼻先を小さく動かしている。


 無双が取っ手へ手をかけた。


 扉がわずかに動き、廊下の空気が隙間から流れ込む。


 その瞬間。


 朱里の顔色が変わった。


「待って、無双!」


 声が跳ねる。


 けれど、遅かった。


 無双の左手が、扉を開けた。


 廊下に、袴姿の男が立っていた。


 刀を差し、軽く片手を上げている。


 まるで友人の家に遊びに来たような顔で。


「昨日ぶりやね~」


 鴉羽《からすば》 真楼《しんろう》は、笑っていた。


(第二十八話・終)

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


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